アイスる力6
怪我をした悠太郎。
病院で医者になった亜貴子と再会する。
「いつ、こっちへきたんや?」
「先月かな。ゆうちゃんこの近くで地下鉄
つくってたんやね。嘘みたいな偶然て
あるんやね。」
付き添いで来ていた上司池本が
お二人は知り合いですかと聞く。
古い友人ですと亜貴は答えた。
そのとき、「松田先生、患者さんの奥様が
いらしています」、と看護士がいった。
悠太郎は松田と聞いて、不審に思い
それを聞こうとしたが
亜貴は「今日は安静にして薬をもらって
帰って」といった。
そして「また明日来てほしい」といった。
待合室ではめいこが待っていた。
そして悠太郎は職場に戻るという。
めいこも上司池本も止めたが
きかない。
石川と話し合いの途中だという。
「薬だけもらってほしい」とめいこに
頼んで戻って行った。
「ほんまに・・
無理せんといてくださいよ。」
それだけを言うのが必死だった。
ところが、職場に戻ると大変だった。
停電がおきて、排水ポンプが
きかなくなり地下に水があふれて
しまったという。
職員、職人バケツで水をくみだして
いた。
悠太郎もじっとしていられない。
一緒にバケツで水をくみだした。
石川は「あいつ何をやっとんのや」と
怪我をした悠太郎を見て
いった。
悠太郎は必死に水をくみだした。
それをじっと見ていたのは石川だけではない。
物陰に隠れて亜貴子がいた。
悠太郎の姿を見て
あの時のことを思い出していた。
「何でおれ、子供なんや・・・
俺が大人やったら亜貴のこと守れるのに・・・
亜貴の夢、かなえられるようにしてやれるのに」
そういいながら泣いていた悠太郎を亜貴子は
思い出していた。
そのころ希子はいつぞやの不審者の件で
川久保と夜道を歩きながら探していた。
「不審者、でーへんなぁ・・」と川久保が言う。
希子は川久保にもういいというが
川久保は希子に聞いた。
「もしかしてつきおうている人に
見られたらこまるとか?」
「そんな人はいませんけど。」
そこに女性連れの源太と会う。
「おお・・・・希子ちゃん」
「源太さん?」
「なんや活躍しているみたいやな?」
機嫌よく希子に話しかける源太。
「源太さんもご活躍みたいで・・」
「あははは・・ほなまた。」
「はい。」
「今度はどこへ連れてってくれるん?」
連れの女性がきいている。
「さぁ?どこへいこう、着いてからのお楽しみや
あははは・・・」
にぎやかに笑いながら去って行った。
その後ろ姿をじっと見ている希子だった。
家で、めいこが雑誌の料理のページを見ていた。
希子は、「決めてってなんやったんですか?
お兄ちゃんと一緒になろうと思ったことです。」
「固いと思ったのね。
腹立つことも多いけど
夢に向かってまっすぐ進んで行っている
ってのは・・・。」
「今も同じではないですか?」
「そうやね、あの人はあんまり変わらんかも
しれんね。」
職場では騒動が一件落着したかのようだった。
悠太郎は石川に「偉そうな口をきいてすみませんでした」
と謝った。
石川は、じわっと話を始めた。
「おまえのゆうていることもわかるんや。
俺の知り合いで御堂筋でたちのきをくろうた
やつ、多いからな。そのかいがあったものにして
やりたいとは思っている。
竹元教授の設計、わしも好きなんやで。
明るくて楽しくなる。一駅ごとにシャンデリアも
タイルの色も違うってわくわくする。
けどな、職人の顔を見ているともう堪忍したってくれ
とも思う、金で報いることができれば・・・
・・全部でないとあかんか?
二重にするのは一部であとは、トイでなんとか
する方向はあかんか?
空間も広くなるし、修繕もしやすいやろ?」
「・・・考えてみます・・・。」解決の糸口ができた。
家に帰ると、めいこが台所のちゃぶ台で
うたた寝をしていた。
見ると広げられた雑誌は料理本で
メモは牛筋は怪我にいいと
赤鉛筆で丸を書いて
メモられていた。
その横に病院の薬の袋があった。
袋の裏を見て悠太郎は目をつぶった。
そのとき、めいこが起きた。
薬を・・といいながら
悠太郎を見ると、泥まみれほこりまみれで
包帯も汚くなっている。
なにがあったのかとめいこは聞いた。
職場に戻ったあとの停電の一軒を話した。
「大変やないですか。」
「大変でした。」
包帯もきたなくなっているので
めいこは変えようとしたが、明日
消毒に行くと悠太郎は言った。
めいこは」明日朝一番に
行ってくださいよ。すぐに食事にします」と
いって、台所に立った。
悠太郎は薬の袋をまた見た。
袋の裏に主治医の名前があった。
「松田亜貴子」とあった。
その夜、ふ久は布団の中で
めいこと一緒にアイスクリンをつくった
ことを思い出していた。
「みんなでつくろ・・・な?
自分で作ると倍おいしいというし」
すりすり~~~~~
のびのび~~~~~~
おいしくなぁれ~~~~~~~~~
翌朝、めいこは悠太郎にちゃんと病院へ行くように
いった。
弁当を受け取った悠太郎は明るく言った。
「ありがとうございます・・・。」
「どうしたんですか?お礼を言うなんて」
「たまにはええやないですか。
ほな行ってきます。」
悠太郎はめいこが持っていたカバンを
とって、出ていった。
「いってらっしゃい・・・。」
奥ではみんなで朝食を食べていたところ
だった。
正蔵は「なんやあいつ早いな」という。
「一番にお医者さんに掛かりたいんですって
できるだけ、現場に遅れたくないから。」
そういうとみんなは「ふーん」と答えた。
希子は「がんばっていますね、おにいちゃんは。」
「ほんまやね」
とめいこがいうとふ久が
「おかあちゃんかて、ごっつーがんばっている。
おかあちゃんの見えない力でうちの
ごはんができとんや。」
「だからふ久もがんばっているのね。」
静が言う。
ふ久は一生懸命ご飯を食べる。
いつも残す子がきれいに食べた。
「ごちそうさん・・」
そういってめいこを見て笑った。
めいこは、その変わりように
うなずき、またうなずき・・・
涙が出た。
泰介が心配をして「おかあちゃん?」
といった。
ふ久は台の上にあった台ふきんを
めいこにわたした。
めいこは、涙を拭いた。
「おおきに・・・・」とふ久のあたまをなでた。
正蔵は静に言った。
「見えヘン力が子供を育て取るがな」
静はうなずいた。
ふ久はめいこをじっとみた。
めいこはふ久を抱き寄せた。
さて、病院。
「ごめんな、始まる前やのに。」
「早めに出てきてよかったわ。」
亜貴子は消毒をしながら言った。
悠太郎は亜貴子の松田の姓について
きいた。「光男さんとは一緒にならなかったのか」
と・・・。
「一緒になって去年亡くなりはった・・・。」
悠太郎は、「あっ」と思った。
「それで村井(養子先)のお父さんとお母さんが
もとの姓に戻してくださった」という。
悠太郎は、「自分が力になれることがあったら
言ってほしい」といった。
亜貴子はしばらくしていった。
「いうてええん?」
「うん・・・」
「好きで困っている・・・」
「え?」
「ずっと好きで好きで困っている・・・」
悠太郎は困惑した。
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やばいと思ったわ~~~
絶対、あれは
悠太郎が好きなんやわ~~
嘘みたいな偶然ではないと思うよ。
これ・・・
悠太郎が大阪で働いていることを
知って、この病院に来たと思うよ。
いつか、悠太郎にあえるんじゃないかって
思って・・。近くにいたいとも思っている
のでは?
幼馴染ってなんでしょうね?
めいこには源太がいるけど
絶対そんな恋愛の対象ではない
し・・・ことあるごとにめいこを守って
くれるけど、王子様ではなく
ナイトなんだってことで・・・。
しかし悠太郎の幼馴染ってのは
純粋な時の
つらいときの
思いを共有しただけに
やっかいですわ・・・・・・。
めいこは、悠太郎が好きで大阪に来て
あんなにいじめられても、がまんして
がんばってここまできたのだから
頑張れと言いたいですね。
それ以上に悠太郎の不誠実さに
あきれました!!!!
「困ったことがあったら・・・・いうてや」
なんて、いうたらあかんやん!!!!!
男ってなんで、八方美人なんでしょうかね?
それにしてもふ久の成長ぶりはすごい!!!
いい子に育っています。
この子たちのためにも
めいこ、がんばれ!!!!
最近、糠床のばーちゃんのナレーションがないのが
気になりますが・・・・。
