ごちそうさんまでの日々1
大阪がゆれて不安になるめいこ。
「結構揺れたわね」と静。
「大丈夫ですかね?」とめいこ。
うま介の店も・・
「今揺れましたね・・・。」
うま介の店で竹元と話をしていた悠太郎。
テーブルの上にどんとつまれた
専門書が揺れで崩れて落ちてきたのだった。
この専門書を読んで抜き書きをしてほしいと
竹元が言う。
そんなとき、大きな揺れが来たのだった。
「では、これで。
私にふさわしい、知的かつ華麗な抜き書きをな」
といった。
「僕には僕の仕事が・・・」
「君も興味があるだろう、期待している。」
そういって、帰って行った。
沼津???
夕餉時だった。
震源地は沼津らしいと希子が言った。
悠太郎は、ご飯も忘れて本を読み
抜き書きをしていた。
その翌日、部屋で抜き書きをしている悠太郎。
めいこがお茶を持ってきた。
そこへ、上司藤井がやってきた。
日曜日である。
すぐに役所に来てほしいという。
どうしたのかときくと、東京が全滅だ・・と。
驚くめいこだった。
いや、めいこばかりではない。悠太郎も
希子も静も・・
どうやら、あの地震は東京、神奈川あたりが
中心らしい。神奈川県警から応援頼むとの
無線電信があったという。
「東京が全滅って・・全部がですか?」
めいこは驚いて言った。
藤井は「とにかく何もわからない。
電話も電報もつながない・・」
という。
「とにかく行こう西門君」といったので
悠太郎は行く準備をした。
めいこに不安がひろがった。
市役所では緊急会議が行われていた。
電話、電報が不通。交通も不通・・らしい。
そこへ、船で救援物資を送ることになったので
手分けして物資の調達にとの話が来た。
悠太郎は、決意して、会議の部屋へ行った。
「建築課の西門です。救援に自分も参加させてほしい」と
そういうと、「建築課は、関係ないやろ」という。
その会議の上司が「君は東京に知り合いでもいるのか。
先ほどからそんな職員がきて、救援に行きたいと
いうてきている」という。
悠太郎は、「身内の安否確認を最優先
でするつもりはありません。
自分は東京の地理にもわかるので、役に立つと
思います」と、頼み込んだ。
「これは何の騒ぎですか」
そこへ来たのは竹元だった。
西門家では静が不安そうにしていた。
そこへ希子とめいこが帰ってきた。
電話も電報も届かないことを
言った。
不安で心細いめいこを希子は静に
お願いして、うま介に行くといった。
桜子は何か知っているかもと思った
からだった。
しかし、そのうま介では室井が東京へ
いくといって荷物をもってでていところだった。
桜子は、駆け落ちしたのだから、家を捨てた
というのはそういうことよと、室井を止める。
汽車も走ってないのにどうするのかと
いうが、東海道53次では弥次喜多は
あるいて東京へ行ったと、おバカなことを言う。
桜子は必死で止めるが室井は出て行って
しまう。
希子は市場へも行った。
大騒ぎになっていた。
源太が大八車に食品をつんでいる。
「どうしたのですか?」
と聞くと、役所の人間が救援物資
といって、食材を買いまわっているらしい。
「食べ物がないのですか?」
希子がきいた。
源太もあまり詳しくはわからないという。
めいこのために、糠床を持って帰るよう
希子にいった。
めいこは古いアルバムを出して、開明軒
の前で撮った女学校のみんなとの写真、
家族の写真を、見ていた。
地震があったのは昼時。開明軒は
ランチの真っただ中だったはずだ。不安が
広がる。
静が何か食べないと・・・とお茶とお饅頭を
もってきたが・・・めいこは食欲がない。
(それは大変だ!!!!)
希子が糠床を持って帰ってきた。
静が様子を聞いた。
大変らしいということしかわからないと
希子が言う。
めいこはさきほどのお茶とお饅頭がのった
お盆を下げてきた。
お皿が空っぽである。静は喜んだ。
めいこは、「おなかがすいて・・。こんな時も
お腹がすくなんていやになって・・。
お饅頭五つも…バカなんじゃないかって。」
といった。
静は、おなかの子が食べたいというてるという。
食べるのは母親の仕事やといった。
「あんたが食べんとその子生きて行かれへんねんで。
な?」
そんな話をしているとき、悠太郎が帰ってきて
水を飲んだ。
とにかく、救援隊に入れてもらったという。
いま、物資の調達に回っている。
救援隊に入れてもらったのは竹元の口添えが
あったからだ。
地震による建物の崩壊はどのような状況なのか。
大阪の街づくりにもいかせるから、よく動く若い
地理にもくわしい人物を東京に行かせてやって
ほしいといった。
救援活動のあと残って被害状況を確認して
報告する仕事をするという条件で東京へ
行くことが決まった。
「状況を見ながらの作業なので開明軒を
確認にいける保証もないし、
向こうからの電報のほうが早いかも
しれないけど、合間を見て何とか安否確認ができればと
思います。」
悠太郎は救援物資を集めている最中なんで戻ります
といって、行こうとした。
めいこは、悠太郎に「ありがとう・・・ありがとうございます。」
と、頭を下げた。
すると、「僕も気になるから行くんです。」
そういって、仕事にいった。
糠床を手入れするめいこに希子は聞いた。
「その糠床は何年ですか?」
「50から60年ぐらいかな・・・」
めいこは野菜をつけながら言った。
「そんなに??」
ー本当は百年超えているけどね。
「運がいいですね、それだけ長く生き延びてきた
って・・」と希子は言った。
翌日、東京へ行く悠太郎に差し入れをした。
おにぎりである。
「船の中で皆さんと食べてください。」
悠太郎は聞いた。
「今日はなんですか?」
「なーんでしょ・・・。」
「おーい西門、荷物まとめるぞ~~」
呼ばれて悠太郎は
「ほな、行ってきます・・」
そういって、背中を向けた。
めいこは、「いってらっしゃい。
気を付けてね・・・。」
といった。
悠太郎は振り向いて、そして
いってしまった。
ー大丈夫・・・きっと大丈夫だ。
おとうちゃんも
おかあちゃんも
民子も
女学校のみんなも・・・・。
不安を押し殺すしかないめいこでございました。
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和枝がいなくなって落ち着いた(?)
西門家を揺るがしたのは・・・
文字通り
地震・・
東京が大震災にあった時だった。
これはかなり興味があります。
この時代ですから、なにもかも
スローなんですよね。
通信も、電話、電報ですから。
そこへ大阪から救援隊で悠太郎が
東京へ行きます。
開明軒を心配してのことであることは
わかります。防災に強い街づくりのためにも
現地へ行くべきでしょうね。
いい仕事してください。
おにぎりを手渡す場面。
ひさびさに、あのセリフがでました。
今日はなんですか?
悠太郎がおにぎりの中身を聞きます。
なーんでしょ・・・
楽しみにしてくださいとめいこは
中身を応えません。
ありましたね~~~
学生服の悠太郎と
袴姿のめいこのセリフ・・・。
懐かしい~~
しかし、桜子は・・・・・??
これは室井の裏切りだと思います。
桜子は、真剣に家を捨てたのです。
室井のために、自分のために。
なのに、室井のこの行動は何???
どんなことがあっても家族はいないと
心に決めて一緒に東京から出てきた
のに・・・・・・。
男って女が思うほど、恋に真剣ではない
のでしょうね・・・きっと。
