大嫌いといわしたい4

詐欺にあった和枝。
食事もとらす、だれとも口もきかない日々だった。

そんな時部屋に行った希子と静は和枝がいないことを
知る。そしてなにかあったのかと心配になった。

めいこも和枝を探しに行く。
いつもの市場にも頼んだが。
和枝の顔を知らないという。

源太はとりあえず見たことのないおばはんが
いたら、聞くことやといったので一同は
うなずいて探すことに。

希子は悠太郎の職場に行った。
姉がいなくなったと知った悠太郎。

上司の藤井は僕らも探すという。
「たまにはええこというやないか」、と大村は言った。

めいこは正蔵の家に行った。

あまりに走ったので息が切れた。
はぁはぁといいながら和枝が来ていないかと
聞いた。

正蔵はびっくりしてとびだそうとしたが
めいこが倒れて真っ青な顔になった。
「めいこさん、家に帰ろう・・・」といった。
そして、「和枝は気に入らないことがあったら
蔵に入っていたから、探しに行こう」といった。

家では静が気が気でない様子で待っていた。
物音がしたので和枝を探して蔵に入った。

和枝ちゃん~~~と探した。

すると、蔵の扉が閉まった。

「なんでこんなことするの?
和枝ちゃん!!!」

台所では和枝が電気を消した。
そして、マッチを擦ろうとしていた。

正蔵とめいこは家にたどり着いたが
鍵がかかっているし
電気も消えている。
しかも、ガスのにおいがする。

裏手に回った。

ごほごほというめいこ。
お姉さん、お母さん~~~と
呼ぶ。

正蔵は、板切れを持ってきて
「離れとき、あんたは吸うたらあかんのや」

といってめいこをどかせて
勝手口のガラスを割った。

そして戸をあけて入った。

近所の人たちがつぎつぎにやってくる。

「なに?この匂いは?」

「すみません、ガスが漏れているみたいです。」と
めいこがいうと一同、驚いた。

正蔵は台所に入った。
そこにマッチを擦ろうとしている和枝がいた。

「それ、こっちにわたし。」

「来たら、火をつけます・・・。」
和枝も動揺していた。

「なにいうてるんや、あほんだら!!」

正蔵はマッチの箱を払い飛ばした。

和枝を救った正蔵。

和枝は余計なことを・・・という。

正蔵はなにをいうてんや。と和枝をたたいた。

「騙されて、ガスすうて・・・
詐欺師の思うつぼやないか。

生きて見返してやろうと思わなあかんのと
違うのか?」

「ずっとそうしてきたんやんか。ずっと・・・。
わてを不幸にした奴らを見返してやろうって。
なんでわてだけいっつもいっつも
こんな目に合わなあかんねん、何が悪いねん?
顔か?性格か?
運だけやろ?どうやったら治るねん・・・二十年も
ええことなんか一つもなかった。わても
疲れたんや・・・・・・。」

泣き崩れる和枝に希子はいった。

「お姉ちゃんが不幸なんは心がいびつや
からや。そんなんやからみんな離れていくんや。
今まで不幸やったと思うけどそれは他人に
やりかえしたらええというものやない。

いつまでたってもさみしいんや、さみしいから
付け込まれたんや。
二十年間ひとつもええことなかったっていうけど
今日でも倉田さんや市役所の人、みんな心配してくれたんや

それってええことなんちがうの?
お姉ちゃんのええことに入れてくれヘンの?
そうやって悪いことばかり振り返って
だからいびつやっていうんや。」

希子は泣き崩れた。

和枝は立ち上がった。

正蔵は言った。

「和枝、おまえはええこやった。
まじめなええこやった。

お前の悪いのは、心やない
運でもない
親や・・・。

あんなとこに嫁にいかしてしもた
わしはホンマにぼんくらやった。
恨むんやったらわしやで。」

和枝はだまって去って行こうとした。
その時
めいこはおなかを抑えてうずくまった。

和枝はじっと見ていた。

医者は和枝はだいじょうだが、
めいこはしばらく安静にするべしといった。

流産を仕掛けたのだった。

悠太郎は医者を、見送った玄関先で
正蔵を見た。

正蔵は、「帰る、今帰るとこや、さよなら。」
と言って去って行った。

希子は悠太郎に
「みんなに見つかりましたっていうてくる。」
といった。

「今日はおおきにって、今逃げて行った
爺さんにもいうてください」
そういって悠太郎は家の中に入った。
希子は、「うん」と笑顔で言った。

部屋で寝ているめいこ。

そこに悠太郎が入ってくる・・。

「いや~~驚いちゃうよね・・・」
めいこは、まさか自分が妊娠していたなんて
思いもよらなかったので照れてしまった。

悠太郎は「あなたはそれでも大人の女性なんですか
とあきれて言った。どうしたら何か月も気が付かずに
すごせるんですか?」という。

「食べ物が変わったから太ったのかなとか・・・」

「あほなんですか?」

「すみません・・・。」

「当分は安静にしろと医者が言いました。

寝ててくださいね。

まったく・・・」

悠太郎が布団をかけると
めいこは「暑いんです」と言ってそれを払った。

そして、悠太郎の手をとって、自分のおなかの上に
おいた。
子供がいることの喜びをわかちあった。

「とりあえず、お静さんに・・・」

と悠太郎はいいかけて
「あれ??お静さんは???」

と、初めて静がいないことに気が付いた。

そのころ静は蔵の中でおなかをすかしていた。

翌日、壊した裏木戸を修理した悠太郎。
台所をやるのは、静と希子でと言っていた矢先に
和枝が割烹着を着て
降りてきた。

無表情で無口だった。

希子は昨日は言い過ぎてごめんなさいと
いうが、台所に立って洗い物を始めた
和枝を見て、静はよろこんだ。

ーだれもがそれは和枝の再生だと喜んだのですが

めいこは二階で台所から包丁の音がするのを
聞いた。

ーそう願ったのでした。

お姉さん・・・・・。

*************
傷ついて心を閉ざした和枝だった。

しかし、ガスは・・・だめでしょうね。
周りを巻き込みますしね。

そっと一人で死ぬことができなかったのでしょうか。
何か一緒に壊してしまいたかったのでしょうか。
和枝にとって西門の家はどういう存在でしょうか。

お金に付け込まれて騙されて
大金もとられて
恥をかかされて。
死ぬこともできず
和枝は何を思っているのでしょうか。

めいこは、妊娠何か月でしょうか。

4か月ぐらいかな?
流産しかけたというのなら
しばらく、安静でしょうね。

二日間、かけなくてすみません。
朝からばたばたして一日中でした。

今日からまた書き始めます。
よろしくお願いします。