祭りのハーモニー4
めいこはハモニカを知りたくて
八百屋の奥さんに聞くが・・・
具体的にはよく知らない。
詳しい人は誰かいないですか?と
聞くと、天神祭のことやったら
何でも知っている人がいるという。
行った先は悠太郎の職場。
なんでも、ここに天神祭に詳しい
小さな巨人がいると
いうのだ。
仕事中なんですよぉ。という悠太郎に小さな巨人を
紹介してくれと
食い下がると、それはわてのことですわ。
と、大村がでてきた。
めいこは、ハモニカの作り方を教えてほしいと
いうと
まず、用意するものはね・・と
説明を始めた。
ついに、知っている人に出会ったのである。
家に帰ると玄関に飾る祭りの垂れ幕と提灯を
和枝と希子が飾っていた。
すみません~~といってあわてて走り寄った。
出しといてというたのに、うちだけ出してなかったら
なんぞあったんかいなと、ご近所さんが
不審に思うやろ。とまたひとくさり。
めいこは祭りの日の献立ですが、西門家は
何を作るのですか?と、聞く。
和枝は留守にするからといった。
先生に案内してほしいと言われてなぁ・・。
あの男と逢引である。
がっかりするめいこ。
しかしそれだけではない。
悠太郎も当日大村さんの祭りの手伝いで
「市中引き回しになりました。」とのこと。
市役所は半ドンではないの?と驚くが
確かに半ドンであるが、そのあと
大村に借りを作ったことから(ハモニカの作り方)
断れなくなったのだ。
家族みんなでお獅子が来るのを待つという
計画はどんどん崩れていく。
ただいま~~と帰ってきたお静。
実は彼女も当日お座敷に出ること
になったらしい。芸者は天神祭は
大忙しらしい。
「天神祭は人手が足らんさかい
枯れ木でも床の間に飾っとけって」
そういって笑った。
明日は???とめいこはいいかけたが
夜遅くなると静は言った。
「ごめんな、間がわるくて」
めいこは、いいんです、私が勝手に
突っ走っていただけですからと
がっかりして去って行った。
希子は静にホンマに明日やないと
あかんのですか?と聞く。
約束してしもたさかいな・・・
そういって、もう一度
ごめんな。といった。
その夜めいこはおかんむりになっていた。
グーグー寝ている悠太郎に枕を投げつけて
うっぷん晴らしをした。
そして天神祭の当日となった。
町中が祭りでにぎわった。
市役所も、大村が先頭を切って指示を出す。
3・2・1…半ドンじゃ~~~赤門行くでぇ~~~~
ごめんやっしゃでぇ~~~
そこへ藤井がいけれヘンと言いに来た。
母親と嫁が怖いからと
悠太郎に言う。
そして例の母親と嫁の作った両方の浴衣をもって
僕はどっち着たらええんやろと、聞く。
悠太郎はあごに手を当てて片方の手で
その手を支える考える人のポーズ
をとってから、
僕やったら・・・・
うん・・・・?
両方とも着ません。
むしろ、お二人にまったく縁のない
浴衣を着ます。
おおお!!!藤井は喜んで納得した。
和枝は安西と祭りのごった返しの中を
デートしていた。
祭りで仕事どころではないようですね。
この日は家族でお獅子を待つのですよ。
和枝さん・・・・・・。
・・・・・・。
一方静は三味線を男衆さんに預けて
先に行って、よろしくといった。
髪飾りも着物もお座敷用にしていた。
一方正蔵は寒天を鍋に入れていた。
ハモニカ・・・・思い出したのか?
知っていたのか???
西門家では。
希子は寒天を持ってきて
ハモニカ作りましょうよ。
とめいこにいう。
今日でなくてもいいわ。みんないないし。
静が二階から降りてきた。
ほな、行ってきます・・・。と静。
いってらっしゃいませ。
希子が声をかけた。
めいこは「お静さんは毎年天神祭は
お座敷に出ているの?」と希子に聞く。
希子はいいえ、といった。
めいこは自分がうるさいから家に
いたくなくなったのかなぁ?という。
希子はふと、うちを出ていくための
復帰のお座敷とか??
といった。
めいこはあわてて草履も掃かずに飛び出した。
静は玄関を出て
祭りの垂れ幕がかかった西門の
家を改めて見ていた。
裸足で飛び出してきためいこに
静は笑った。
出ていくことを考えてないですよね?
静は驚いたが、笑いながら
出ていくことを考えないのかというたのは
あんたのほうやで。と答えた。
めいこは、たじろいだ。
いいましたけど、それは・・あの・・
静はわかっている、冗談や、冗談。
あんたの言うとおりほんまは何べんも何べんも
出て行こうと思ってたけど・・。
悔しいとか、恨みとか、み・・・
み?
惨めな思いに足引っ張られて・・・ずるずる
八年もいてしまった。いうてくれておおきに。
嫌味と違うで。
静はそういってさって行った。
希子は様子を見ていたが
出かける格好をした。
希子ちゃんも出かけるの?
めいこがきくと希子は買い物に行くという。
でも・・・・めいこは気が抜けていた。
いいやないですか、ふたりでも。
うち、ちぃねーちゃんの鱧食べたいです。
希子は笑いながら言った。
ふたりでいーーーぱい食べましょうよ、と。
うん!
めいこも笑い顔になった。
天神祭の拠点では悠太郎がお酒やら
汗ふきをくばるやらで、手伝いをしていた。
若いのによう気がきくの~~~
おおきに、おおきに。
赤門えらい!!おおきに~~。
赤門は市役所の誉れや!!
こうしてめいこは希子とふたりで
天神祭を迎えることになったはずだったが
拠点に老婆がおむすびの差し入れを
もってきた。
あぶないし、気を付けてな~~と
大村が老婆の手を引く。
おおきに。上がって~~。
老婆がトンと部屋に上がる。
ー思えばこの一歩が・・・
西門では希子が出かけていく。
ほな、行ってきます。
いってらっしゃい・・。
玄関を出る希子。下駄の音がカツーンと
ひびく。
ーこの一歩がこの日の奇跡の始まりでございました。
*************
めいこの願っていた家族そろって天神祭
という場面が本当に訪れるのでしょうか。
奇跡・・・ドラマはハッピーエンドがいいと
思います。
奇跡・・・願いは必ずかなうというロマン。
どれほどの人が人数分の願いをもっていても
たった一つの奇跡を起こすのさえも
あきらめてしまったことでしょうか。
めいこに残された、希子という気持ちを
わかりあった妹ががらーんとした
西門家にどんな奇跡をもたらすのでしょうか?
夢が破れた風船になって
穴が開きそうな気持にあたたかい言葉をくれた
希子・・・「ちぃねーちゃんの鱧が食べたい」。
人間食べることから離れるわけにはいかないから
食べるという文化を大事することが
人間らしい生き方と思います。
お出汁を取るにも、だしの素がありますが
カツオと昆布で取ってみる。
おいしい・・・今日のはいつもとちがうな・・・
絶対、その時の表情は笑顔のはず。
今日のあさいちでいってましたが
グルタミン酸とイノシン酸といううまみ成分は
人間の脳においしいというスイッチを入れるそうです。
刺激ですね。
すると、脳は消化しようと命令を出します。
おいしくてまた食べるそうです。
すると、また脳にスイッチが入るということです。
これはある老人ホームで老化が進んだ
高齢者にグルタミン酸を食事に混ぜることで
実験をした結果だそうです。
グルタミン酸を含む食事をすると
表情がはっきりとしてくる。
言葉がたくさん出てくる。
という利点があがったそうです。
和食が無形文化財遺産に選ばれました。
理由はさまざまですが、ポイントは
まさしく、うま味だそうです。
つまりグルタミン酸です。
和食はうま味を上手に使っているため
脳にも体にもいいそうです。
でも、和食に限らず、おいしいものを食べるときの
人間の心理は幸せなはず。
普通、君を幸せにしますとプロポーズしますが
このドラマ、おいしいものをたくさん食べさせて
あげます・・・でしたね。
具体的でいいと思います。
