君をあいス3

わたし・・・離縁する。
室井が馬介を呼んできた。

何も食べていないというめいこは
まんぷくになるほど食べた。
そして馬介がだしてきたのは

ほらぁ~~焼き氷やで~~~。

デザートだった。

それをたべためいこ、

なんだ・・

ただのカキ氷にコーヒーのシロップを
かけただけじゃないの。

焼いたように見えるでしょ?と、馬介。
みんなしーんとした。

みえへん?みえへんかぁ・・・・・・・
馬介はがっかりした。

源太は、帰るんやったら早いこと帰ったほうがいい
という。

めいこはその気がない。
なんのために大阪に来たのかわからなくなったと
愚痴った。

桜子はじっと聞いていてついに言った。

じゃ、もう離縁しちゃえ!!!

ええ?とめいこ。

あんな家戻ることないない。
ここでみんなで暮らそうという。

源太はあきれた。
あんたかて駆け落ちしてきたんやし。
どうやって生活するねん。

桜子はなんとかなるわよという。
一日中、女中のようにこき使われて
お給料ももらえずに働いたことを
思えば、あんたんちの嫁より
ひどい仕事はないわよ。

それを聞いて立ち上がっためいこ。
そうよね、できるわよね。
そうそう~~と二人は意見が一致した。

源太はこの御嬢さん、大丈夫なん?
と、室井に聞く。室井は
いやぁ~~大丈夫なんでしょうかね???
と、面白そうに言う。

もう、男なんかあてにしないの!!新しい人生を
生きるのよ。と桜子。
めいこは、両手を広げて心の友よ~~~と
いって抱き合った。

え?もどらんかったんですか?

悠太郎は翌日、訪ねてきた姉と話をした。
和枝はあの人は西門の家にあわないと
いう。合わない人を無理やり縛り付けるのは
殺生な話やでと、妙な説得力で
悠太郎に話をして、帰って行った。

一方三人の女性は、大阪で食べ歩きを
していた。
たこやき・・・かわいい~~~~~

これは東京にはないわよね~~

希子は今まで食べたことないのかと聞くと
めいこは忙しくてという。

桜子はめいこが大阪のおいしいものを食べた
ことがないなんて、とあきれた。
本当によくぞ我慢していたといった瞬間
手にしていたたこ焼きの一個が
悠太郎に見えた。

すると桜子は「通天閣だけが男じゃないわよ」
と、言った。

びっくりしためいこは、悠太郎のことを考えていることが
なぜ桜子に分かったのかといった。

すると、桜子は~いのち短し恋せよ乙女~~と
歌いだしたが、ちょっと変。
音程が悪いのか、うろ覚えなのか?

めいこはなんなのその歌・・・とあきれた。

違う?

めいこも歌ったがどうも違うみたいである。

すると、希子が上手にうたった。
希子は・・じゃないですか?といって
顔を上げると

希子ちゃん、上手ね~~~
声もいいわね~~

もう一度歌って~~~
と、言われた。

馬介の店。
入ってきた源太。
三人の女性がいないのでどこへいったのかと
きいた。
大阪見物と室井が言うと
働くんじゃなかったんか?とあきれた。
ね~~何考えてんでしょうかね?と
室井は原稿を書いていた。

源太は室井に言った。

な、あんたの嫁さんあれ何者なん?
見たこともない類の人なんやけど。

室井は桜子は生まれながらのお嬢様で
人に命令しかしたことがないと
うれしそうに言った。

その命令がすばらしいのでつい、したがって
しまうと笑いながら言う。
源太はそれ、働くのに向いてないのと
違うかと聞くが。

彼女の命令を聞いていたらなんと
はじめて・・・
室井は雑誌の切り抜きを出していった。

佳作に入選したんですよね~~~
投稿作品がいいできあがりとなったらしい。
彼女は僕の幸運の女神なんですよ~~
というと馬介が
室井さん、昨日のおあし・・と手を出した。
すると、室井が彼女がねあんな料理で
金取るなって、といったので
馬介はがっかりした。

そこへ三人の女性が帰ってきた。
そして、きょろきょろと無言で
店の中を見た。
流行ってない。
馬介は「え?」とすっとんきょうにいった。

桜子はこの店を流行らそうと思っていると
いう。めいこは洋食屋の娘だし、わたしは
親の商いを見ているし・・
できるはずと言い切った。

馬介は自分の考えがあるとかたくなになると
桜子は、焼き氷は素晴らしいですと
ほめた。
え???とまた素っ頓狂な声を出す。
焼き氷も河童パンも、通天閣ぱるふぇも
馬介さんのアイディアは素晴らしいです。

ただ・・・

ただ・・・

名前負けしている?

そういわれて馬介は考えた。

その点を改善したらここは素晴らしい
見せになると桜子。

焼き氷をもっと売れるようにしませんか?

考え込んでいた馬介は

そういうことやったら・・・
とにこっと笑った。

ええんかい?と源太は驚いた。

じゃ、めいこ後は頼んだわよ。
私がいても役に立たないから
じゃ、希子ちゃん、もう少し
大阪を案内して。
そういて出て行った。

室井もあわてて、僕も行くと言って
出て行った。

ん・・・・・・。
めいこが悩んでいると源太はどうもしっくりこない。という。
西門の人間じゃないと言われても
今まで女中だのおなごしだのとさんざん言われてきた
ことではないのか、なんで今更というのだ。

めいこは、とにかく働くからといった。
馬介に氷の削り方を教えてもらった。

西門の家に入ったガスを実演するというので
師匠の愛人がそれとなく西門にやってきた。

すると、和枝と静がそこにいたが。
わかいおなごしさんは?と聞くと
静はあのこ、この人が追い出さはったから
という。和枝は勝手に出て行ったからと
いうが。
愛人は正蔵にそのことを告げた。
いっぽう馬介の店では、めいこが
カキ氷を作っていた。
どうも、うまくいかない。

そこへ源太が師匠を連れてきた。
すまんことをしたという。

自分一人が悪者になって幕が下りたらよかった
のだけど、かばってくれたのかという。
なんで出て行ったのかというと
和枝と静が大変な喧嘩をしてどちらかを
追い出せというがその時はどうにも
できなかったという。

しかも女の人のところに転がり込んだとは?
女性のほうが手っ取り早くかくまってくれるからと
いう。が、正蔵はめいこに西門に戻ってきてほしいと
いう。
めいこは、そういうことではなく悠太郎のために
頑張ろうという気力がないといった。
室井たちと希子はうどんを食べていた。
希子は桜子にめいこが離縁したほうがいいと
思っているのかと尋ねた。
絶対に離縁してはいけないという人がいるから
じゃ、離縁してしまえという人がいても
いいのではと思ったのよ。
みんなが同じ方向に向いている必要なんて
ないのよ、それだけよ。
希子はあたらしい生き方を感じたようだった。

店で氷をさわっているめいこ。

ー焼き氷ってどうやって氷を焼くのかね?

以前東京で悠太郎が「料理は科学です」といった
ことを思い出した。ふーーーん・・・???

職場ではみんなが仕事の相談をしていた。
予算の関係で雨天体操場か教室のひとつか
どちらかを捨てなければならない、どっちだと
みんなが考えた。
悠太郎は魚島季節のご挨拶の時
大量の鯛をどうするかとめいこがさんざん苦労をして
できないことはないと努力していたことを
思い出した。

もう少し何か考えましょう。捨てるのはいつだってできる
からと、悠太郎は言った。
めいこも、何とかしてみようと
氷を削ることに取り掛かり始めた。

ーあんたたちやっぱり、戻ったほうがいいじゃないかと
思うんだけどね。

******************
めいこは店をなんとかしようと思った。
焼き氷・・・その正体とは何か????
それはおいしいものなのか???

アイスクリームのてんぷらというものがあった。
私は信じていない。
あれはアイスクリームの味のクリームを
固めて天ぷらにしたものではと思っている。

ここでの取り組みが成功したら
いいお店になるのだけどね。
めいこも帰らなくてよくなるのだけどね。
でも、やっぱり帰るものなんでしょうね。

この期に来て桜子と室井の登場は
お話のトーンを変えることができて
面白くなってきた。
持つべきものは友達ですね。

人間一人では生きていけれないとは
よく言われることです。

希子も人が変わろうとしているみたい
です。