君をアイす1
西門家の当主であり悠太郎たちの
父親はあの酉井捨蔵だった。
めいこは混乱する。なぜ?亡くなったと聞いたのに
と。しかも、師匠が当主とは?
座敷で大の字になってねる正蔵だった。
和枝はめいこに本当に呼んできたのではないのね
と、念を押す。違いますと言いながら
全く身に覚えがないが、ただ
お見合いのこととかを相談したことは確かだといった。
(言わなくていいのに・・・)
和枝はあんたは口できる立場ではないやろと
怒る。
なぜ正蔵と知り合ったのかと静がきくと
肉屋の源太の紹介で料理の上手な
人がいると聞いて。というと
じっと考え事をしていた
悠太郎がにらんだ。
しかしまさか源太持めいこも正蔵は
酉井捨蔵というので・・・というが
悠太郎はわかりましたから。
とにかくもう二度とあの人と会わんとって
ください。という。
めいこはなぜなのかわからない。お見合いを壊した
からなのかと聞く。
和枝はどうもこうもないあかんもんはあかんのやと
厳しく言う。
あの人は死んでいるんや。と静が言う。
めいこはなぜなのか、本当に死んだと思っていたのかと
きくが、和枝はあんさんは、知らんでよろしいと
きっぱり言った。
僕らはあの人に捨てられたんです。
悠太郎がいった。
めいこはどういうことだろうと思った。
和枝はそんなことしらなくてもというが、静は
知ってもらっていたほうがいいという。
悠太郎は父親のことを話し始めた。
正蔵はもともと鉱山の技師で家にはほとんどいなかった
という。
たまに帰ってくるぐらいだった。
家のことは妻である悠太郎たちの母親にまかせ
っぱなしだった。その母親が火事で亡くなった。
仕事を辞めて家に帰ってきた。一年もたたない
内に静を連れてきた。このひとが子供たちの
世話をしてくれる新しいお母さんやと
紹介したという。
静は偉いこと頼まれてな。かわいそうだったので
親切でここに来たんやでというと悠太郎は
細かいことは後にしてくださいといった。
悠太郎は正直新しい母親は早すぎるんや
ないかと思ったが、これで父親が立ち直る
なら、いいかもと思ったという。
そんな時、和枝が離婚して帰ってきた。
妹らの世話をしに来たというので和枝が
帰ってきたのでお引き取りくださいと言ったと
和枝が言うと、悠太郎は後にしてくださいと言って
話を始めた。
こんな状態が続いてある日突然いきなり
いなくなったのです。
正蔵には理由があったのではとめいこがいうと
悠太郎は温泉宿で女中さんとええ中になって
いたという。
なにか理由があると思って和枝と静は
正蔵を迎えに行ったが
二人を見た正蔵は裸足で
あわくって逃げて行ったという。
その時やっと捨てられたとわかったという。
それで父親は死んだことにしたのだった。
悠太郎はめいこが知らなくてあっていたので
しょうがないけど、これからは合わないようにと
言った。
めいこは今までの思い出していた。
けして正蔵は悪い人ではない、と。
いつでも来たらいいと言ってくれたこと。
妹さんの気持ちが一番大事なのではと
いったこと・・・。
めいこはみんなのことを大事に思っていると
いった。めいこに親切にしてくれたのは
悠太郎さんの嫁だからではというと
悠太郎はめいこの思い込みだといった。
今日のことなどは希子のことが心配で
あんな風なことをして泥をかぶって
お見合いを止めてくれたのでは?というと
三人は凍りついた。
なぜなら、特に和枝はこのお見合いを推進
していたので、どんな理由があろうともお見合いを
ぶっ壊したことは許さなれなかった。
すると希子がお父さんがいなくなったといった。
悠太郎は蔵へ行って正蔵をひっぱりだした。
そして金目のものを持って行こうとした
正蔵から品物を取り上げた。
仏さんに近い人間にはもうちょっと
親切にするもんやと正蔵は言う。
めいこはなぜこんなことをというと
正蔵はめいこにこずかい5円を都合してくれという。
悠太郎は正蔵の肩をつかんで
帰れ。二度と戻ってくるなとどなった。
うわべは優しそうでも本性はああいう人です。
あなたもわかったら・・・
違うと思います。
めいこは師匠はお金など
なくても楽しそうだからという。
いまのは自分が悪者になろうと
していったこと・・・
とにかく、金輪際あわんといて
くださいと悠太郎はめいこの言葉を
さえぎってきっぱりといった。
めいこはいやですという。
めいこは会いたいです。師匠が好きです
からという。
和枝は事の成り行きからわくわくしていた。
悠太郎はむすっとした顔になった。
めいこは、師匠がみんなのことを
心配していることや、悪いと思っていること
などをいうが・・・。
「昔のことは水に流して受け入れて・・」
「無理です。それだけは絶対に無理です」
と悠太郎も厳しく言った。
そんな。。。とめいこは言うが悠太郎も譲らない。
すみませんけど仕事に戻らなあかんのでといって
悠太郎は行こうとした。
待ってくださいというが、これ以上正蔵に
あうというのならこの家を出て行って
ください・・・と悠太郎は言った。
待ってというが、和枝が仕事やと
いうてるやろとめいこを制した。
和枝はめいこのせいで蔵の中も家の中
もめちゃくちゃだす。
はよ、しまつしてときつくいった。
めいこはどうしたらいいのか、悩んだ。
希子はじっと見ていた。
大阪の市役所では、上司の藤井が機嫌よく
ぬか漬けの世話をしていた。
ぬかって本当に難しいですよね。
うちの嫁は生糠が好きですが
母親はいりぬかが好きなんですよ
ーどっちもおいしいと思うけどね。
だからうちにはぬかの壺が二つ
あるんです。
ーどっちも食べられていいんじゃないですか
どっちも食べられていいんですけどね
問題はどっちもおいしないということなんですよ。
どうやったらこんなおいしい糠床になるんで
しょうかね?
ー塩が多すぎるとか混ぜ方が悪いとか
藤井が糠床相手に話をするので
大村はなにをぶつぶついうてるんですか?
気色の悪い。と切れた。
いやぁ、僕この糠床とおると妙に
落ち着くんですよ。
落ち着くな、落ち着いている場合じゃないやろ?
わしら休日返上で働いているんやで。
そこへ悠太郎が戻ってきた。
ご機嫌斜めである。
藤井は玉ねぎやらトマトやらを
付けたらしいが。
なんかあったんか?お見合いでと聞く。
説明すると終わらなくなりそうなん
で割愛させていただきます。
ご機嫌ななめ~~~~。
さて、西門家ではめいこと希子が畳を
からぶきしていた。
悠太郎が間で起こるとは思わなかったと
めいこ。希子は御免というが
希子のせいではない。
めいこは師匠と仲直りするいい方法は
ないかなというが。
父親がいなくなって和枝と悠太郎は
お金で苦労をしたらしい。静は人生が狂った
といったという。
だから、仲直りはさすがに難しいと
希子は言った。
希子はみんなの気持ちを考えたら
いうことに一理あると思うという。
そこに、どんと何かが落ちてきた。
階段の上から和枝がめいこの荷物を風呂敷にまとめて
うえから投げているのだった。
出ていく芽依子のために荷物をまとめる手伝いを
しているという。
あんさんでていくんやろ?
出ていきませんよというが、正蔵には
もう会わないかと
和枝は聞くがめいこは
話し合いたいですと答えた。
あんさんのずうずうしいことにはあいた口が
ふさがりまへんわ!!
来て三か月でよく西門家のことに口を
はさめるものだという。
そういって荷物をどんどんと投げてきた。
そこに来客があった。
玄関に出てみると
桜子と文士室井がたっていた。
二人は駆け落ちをしたという。
驚くめいこ。
この状況でこれだ。どうなる?
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正蔵のことを隠していた西門が悪いです。
嫁に来てもらうめいこはいわば、他人と
いえども、西門家の人間ではないですか。
彼女に大事な父親のことを死んだなんて
簡単に嘘を言ってよかったことだったのかと
思います。
たとえば国家予算ほどの借金があったとして
それを隠して嫁に来てもらって、
返すのに苦労をさせるようなもので
大阪は広いと言えどもどこかで
正蔵と会わないとも限らないのですよね。
死んだと思うのは勝手ですが、
めいこには前もっていっておくべき
だったと思います。
悠太郎には、それよりも姑、小姑の
ことが気になっていたのでしょう。
もっと、めいこと一緒に苦労をしようと
決心するべきでしたね。
で、なにこれ???
文士室井はお嬢様桜子と駆け落ちをしてきた
とか!!!!
懐かしい桜子さんですが、室井も面白いので
これからの展開が楽しみです。
さて・・・正蔵にこれからも合うといっためいこ。
会うというのなら出て行ってくださいと
悠太郎に言われたもので
和枝は百万の力を得たようなものです。
さんざん、めいこ追い出し作戦を立てたけど
全部失敗。
しかし、父親のおかげ?でめいこを追い出す
口実ができました。
和枝は正蔵に感謝しなくては!!!!
