ごめんなすって4
梅仕事でできあがった梅を壺に詰める
希子。
台所では静がご機嫌だった。
が、浮かぬ顔のめいこ。
なぜなら、梅仕事をみんなで楽しくやろうと
提案したけど、和枝は入らなかった。
静はみんなで楽しくは無理やという。
また真剣な顔で言った。
「正直・・・正直やで。4人やったら楽しくできると
おもわへん?」
つまり、和枝ぬき。追い出すということか?
めいこは5人だともっと楽しいと思うといった。
気分が斜めになった静。
和枝のおかげでご近所さんにずっと
色眼鏡で見られていたという。
今回はめいこの株をあげようと
おじょうずを言って集まってもらったのに・・。
と不満である。
気持ちはありがたいのですが・・・と
浮かぬ顔のめいこに
愛想を尽かして、
もうええわといって行ってしまう。
そこへ和枝がかえってきた。
おねえさん、お帰りなさい。
和枝はめいこの挨拶も無視して
「希子・・話がある」といってこっちへ来てと
手を上下にふった。
なにごとかと希子もめいこも不安に思った。
翌朝、ご飯が進まない希子にめいこも
悠太郎も心配する。
何も言わない希子。
ややあって、和枝がいった。
「希子に縁談があるんだす。紙問屋の三島の
ぼんぼんと。」
「ええ??紙問屋の三島と?」
悠太郎はびっくりした。
和枝は「大阪一の紙問屋の若ごりょうはん
どすわぁ~~」
と、得意げに言った。
めいこは希子はまだ16歳で・・・というと
一番ええときやと和枝は否定する。
「希子はそれでいいのか」
と悠太郎が聞くが、答えない。
和枝は16のこに嫁に行きたいも
行きたくないも決められますかいな。
16やったら決められますでしょ?
悠太郎は言うが
いままで妹らにつけてきた縁談、
みんなよかったのでは?と和枝はいう。
自分の失敗もあってそのうえで学んだことを
いかして、妹らをきちんと嫁に出して幸せに
できたと和枝は自信満々だった。
不安そうな希子にめいこは心配する。
洗濯物を干しながら考え事をしていたら
おとしてしまった。
静が来てそれを拾う。
静は自分が言った通り和枝と仲良くなんて
無理やろという。めいこはよくわからない。
すると、希子がめいこになつくからよそに出そうと
いう魂胆やという。
自分のせいか???めいこは驚く。
いつもの商店街に行って源太に話を聞いてもらおうと
した。
源ちゃん~~~と呼ぶと
奥で源太があっちへいけと手で追い払うように合図を
したので、めいこはハッとして
店の前から出て行った。
そうだ、そうだった。
では、あの糠床は???
あの糠床は、悠太郎が面倒を見ていた。
希子のことを考えながら、糠床を
かき回している悠太郎。
希子に大店のごりょうさんがつとまるもの
だろうかと悠太郎は思っていた。
そして考える人の首から上の
ポーズをしたので顔にぬかが
ついた。
大村がやってきた。
大村の話では小学校建築の予算が
おりないとか。
悠太郎はびっくりして、なんでですか??
と、大村の肩にぬかだらけの手をやった。
大村は「おまえぬか臭いぞ」という。
上司藤井に話をしに行くが
予算は議会が決めること。
しかし、この時代、小学校に入る子供は
大勢いたので学校建設は必要と
悠太郎は訴える。
「もう一度審議中に計画を出しなおそう」
と藤井。
「腹立たしい限りやけど
赤門やるで。」と大村はやる気
だった。
さて、めいこは師匠のもとに相談にいった。
源ちゃんがダメなら師匠がいる。
めいこは幸せだ。
希子が和枝の指図で縁談があるけど
希子はそれを喜んでいるのかどうなのか
わからない、それでもいいのだろうかと
考えるが。
希子が幸せになれるなら
みんなも幸せになれるからいいけど。
静がこの縁談はめいこと希子を引き離す
和枝の陰謀だといったことが気になると
話をした。
「妹の幸せは主人の幸せ。それは私の幸せと
一生懸命のめいこなのだ。一人一人の幸せが
家族の幸せと思いますね。」
師匠はええ話やなと、涙ぐんだ。
年取ったらあちこちゆるむから
と涙の言い訳をした。
「よーく妹さんの話を聞いて、気持ちを聞いてあげて
欲しい」と師匠は言った。
めいこはうれしくなった。
帰ったら、台所で和枝のキンキン声がした。
「なんどいうたらわかるの?」
めいこは、何事かと
台所へ行った。
するとエプロンをつけた
和枝と希子がいた。
どうやら、和枝が希子に料理の特訓を
しているらしい。
「ええとこの御寮さんというても
料理の仕方もわからないようでは
おなごしに指示することもできまへんやろ。」
厳しいものの言い方をする。
めいこは私が教えますというが
冗談はたいがいにしなはれ。ほら
希子!!!と言下に拒否。
すり鉢でなにやらすりつぶす料理らしい。
その手つきのもどかしさに
和枝は「あんさんはぶっさいくやな」と
いきり立つ。
すると、めいこは「お姉さんより私のほうが
うまいと思います」と大胆発言をした。
和枝はじろっとめいこを見た。
「いま・・・なんや聞こえましたけど??」
「お、教え方がです。わたしは勘が悪いから
よくよく考えながらやるので
ちょうどいいかも・・・・」
「あきまへん!あんたは西門の人間ではないから
」と、拒否された。「うちの希子にみょうなにおいを
つけられたら困りますさかいなっ!!」
厳しいものの言い方だった。
そのとき、来客があった。
めいこが出ると、悠太郎の職場の人で
二~三日悠太郎が帰れないので
着替えをという。
職場に着替えを持って行っためいこ。
悠太郎は希子はどうしていると聞く。
和枝が家事を仕込んでいるといった。
なんかあったらまた知らせてくれるかと
いった。
こうして、めいこは一人で対処すること
になった。
和枝はなんしても希子とめいこを
引き離そうとしているのか、
夕餉の時も、先方さんは
黒磯太夫がすきというから一緒に
見に行きましょう。学校へ迎えに
行くからと話す。
希子はとまどうばかりだった。
自分の食事の時間。
静と話をするめいこ。
「なんや、売られていくみたいやな
希子ちゃん。」
どうおもいますか?行きたくないのでしょうか?
「どうやろな・・・」といいながら、「うちやったら行くけどな
そうすればあの人と一緒のおらんで
ようなるやん、ほな・・・」といって出かけた。
めいこは希子と何とか話をしなくては
と思った。
そうだ、夜、希子ちゃんの部屋へ行こうと
思ってふすまを開けると・・
なんと、
希子の部屋に和枝がいて、こっちを見ていた。
驚いてふすまを閉めためいこ。
「び・・・・・・・・・・・・・・・
っ
くり・・・したぁ~~~~~~」
希子の気持ちを確かめようにも
声すらかけれないめいこ。
ふと、いいアイディアが浮かんだ。
お昼時間
御弁当を開けた希子は
結びふみがあるのを見た。
それには、紙の半分上に
「これからお弁当の手紙で
お話をしたいと思います。
結婚したいかしたくないか
気持ちの割合はどのくらいか、教えて。
返事は下に書いてね。」
と、書いてあった。
希子は、気持ちの割合・・・・
と考えた。
そして、帰ったお弁当のふたを開けて
めいこは、結びのふみがあるのを
確認した。
めいこの手紙の下半分に
希子は返答を書いていた。
私の気持ちは五分五分です・・・希子
・・
五分五分???!!!
めいこは、考えてしまった。
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恐いと思う和枝さんがなぜかコミカルに見える。
台所で呑み込みの悪い希子にいらいらしている
とき、私のほうがお姉さんより
上手ですと言葉の足らないいいかたをした
めいこに「なにか、聞こえましたけど」
とは、笑える。
関東だったら「あなたそれどういうこと?
何をいうの!!」と
喧嘩腰のはずなのですがね。
夜中希子の部屋に行ったとき
ふすまを開けると布団の中から
こっちをじろっと見た和枝さんの目つき。
すごい・・・キムラ緑子さん。
すごい・・恐ろしさと不気味さと、面白さ
の味わいをどどんとだして・・・演技派。
好きになれないけど憎めないキャラ。
恐いもの見たさみたいなキャラ。
上手に演じてます。
一方、源太。あの件以来、めいこは肉屋に
いけなくなっている。
それで忘れてやってきためいこを追い返す
源太だが・・・顔を桶で隠してあっちへいけと
手で追い払いながらシーっシーって
めいこは犬ではありません。
めいこはこうして西門のいけずにも
慣れてきたのか、かわすこともできるし
攻撃することもできるようです。
大店の御寮さん・・・こんな意志のはっきりしない
子がつとまるはず・・・ありません・・。
そうそう、酉井捨蔵と名乗る師匠ですが。
近藤正臣さん・・・昔イケメン俳優でかっこよかった
ですよぉ。(柔道一直線。足でピアノを弾いた。嘘みたい。
でもかっこよかった。)
が、涙が出るわけを年を取るとあっちこっちゆるむ
からなぁ~~~あははは・・・
って
役柄とはいえ
あっちこっちゆるむって
あんた・・・
よくぞ、そんなセリフをあっさりと
いえるようになったとは。
おいたわしや~~
と、思いました。
