二時間おきに愛の体制を変えている純。
床ずれ防止のためだ。
純は熟睡ができていない。疲れが取れない。
ーおじいおとうちゃん、愛君は相変わらず
ねむったままです
「おはよう、愛君
ああ、愛君今日も天気いいよ。
もうそろそろ起きたら?」
「そうします。」
愛が目を開けた。
「え?
愛君」
「純さん・・」
「ちょっと待って
今先生を呼んでくるから・・」
「待ってください。」
場所はいつのまにか
寝室ではなく
ホテルの外だった。
愛はそこにたっていた。
「その前にキスしてくれませんか?」
「わかった」
純は愛にだきついて
キスした・・。
はずだったのに・・・
朝の目覚ましコールで
夢だと分かった。
起き上がって愛を見た。
眠ったままだった
窓を開けていった。
「愛君、おはよう、いい天気だよ
ね、そろそろ起きたら?」
返事を期待したが
眠ったままだった・・・・・。
ーおじい、おとうちゃん
私は叫びたくなるのを必死で我慢した。
純はホテルのロビーに降りてきた。
正 剛、マリアと勇気、あゆみと羽純、士郎がいた。
「どうしたのみんな?」
「おかあちゃんがまたホテルに来たいっていうからさ」
と、剛は言った
「ここは私の父のホテルなんです。」
と晴海はマリアに言った
マリアは、「ああそうなんですか」と答える
「それに、おまえにも話があって」と正。
「なに?」
「俺たち働くことにしたから。」
正はホテルの出張として町のマッサージ院で
あゆみは、美容室で
羽純はライブをやっている沖縄料理の店
「でも、純ちゃんがまたホテルをやる気になったら
いつでも駆けつけるからね」
あゆみが言った。羽純は涙をこらえていた。
剛はいったん大阪に帰るという。
夢の個展をするためだ。
「剛もごめんね、。無理やり来てもらったのに
こんなことになってしまって。」
「なにいってんだよぉ
ほらほら~~~」
と純はくるくると回されてみんなで
大笑いをした。
剛はいった。
「お姉が本気になったらおれはここも
ここも、ここも・・・」と壁をゆびさして
「みーーんな絵で埋め尽くしてやるからさ」
といった。
「ありがとう」
そこに晴海が来た
「あなた、ここの従業員の方ですか?」
純は「はい」といった。
「うちの家族はどこにいるのか知りませんか?」
晴海は純とビーチにいった。
おじいや善行が写っている
写真を純に見せて
「これが、父、このひとが
メロちゃん・・・
なんでメロちゃんかわかる??
えっとなんだっけ???」
純は「もしかして走れメロスが好きだから
メロちゃんではないですか?」といった。
「うふふ、誰も言わないでね。
思い出したわ。
ここではじめてメロちゃんにキスされたわ。」
「え?そうですか・・・」純は少し笑ってしまった。
「それが、緊張して鼻息が荒いから
全然ロマンチックではなかったけど
メロちゃん・・・なんどもいってたよ
僕は幸せです。
あなたにあえて本当に幸せですって。」
「そうですか。」
「だけどさ
私は、メロちゃんを幸せにできなかったさ。」
純は驚いた。
「私はそう思う。
メロちゃん、死んじゃった・・。」
晴海は遠くを見て行った。
ーいろいろなことを忘れても
お母ちゃんの心の中には
伴侶をしあわせにできなかったという
後悔だけは残っている・・・。
そしてそれは
今も私も同じだ。
ボテルに帰ると羽純がいた。
「これ、マリアさんから。
純ちゃんが食べているかどうか心配だって。」
といって、マリアからのサンドイッチを見せた。
「ありがとう。あとで、お礼を言っとくね・・・。」
羽純は大きな声で言った。
「せっかく親友になったんだし
言わせてもらうけどさ
私はやっぱり純ちゃんはホテルをやっていないと
純ちゃんじゃないと思う。
みんな大人だから言わないけど、本当は
待っているんだよ、純ちゃんがやる気になってくれるのを」
そういったけど純は何も言えない。
羽純は見ていられなくて走って出て行った。
そこへ一人の男性が来た。
「社長、久しぶりぃ」
その人は、ダンディでかっこよくって
あの・・・大先だった。
純は驚いた
「社長、どうしたんですか???」
「どうもこうもないよ。
君がホテルをオープンするっていうから
偽名で予約を入れたらいきなり延期しますって
いうから・・・
それっきり連絡ないしさ。
覚えているだろ?
君が魔法の国を作ったら
最初の客になるって・・・。」
「思ったより、大変だったのね、台風が」
そこに入ってきたのは桐野だった。
「桐野さん!!」
「僕が誘ったの。
せっかくなら一緒に行かないかって。」
喜ぶ純だが
そこにまたまた・・・・
水野、千香がやってくる。
「ああ、もうお二人ついていたんですね」と千香。
「千香ちゃんと水野さんまで」
「久々に有休が取れたからさ
便乗させてもらったんだ」
そこに、またまた変わった二人が来た。
「こんちわぁ~~~~~~~~」
「あの、どちら様ですか?」
サングラスを外した女性は・・里さん。
その横にいるかっこいい男は
セニョールだった。
「社長、ひさしぶりぃ~~~~」
「里さん、うそ・・・
そんなその恰好は???」
里さんはコンクールに出した脚本が当たって
いまや、人気脚本作家となった。で、リッチな恰好
をしている。
セニョールはマネージャーである。
「あっという間に売れっ子美人作家の道
まっしぐらよぉ~~~あははは~~」
純は、お互いを紹介しようとしたが
「そういうのは、あとで自分たちでやるからさ
愛君は?」
と里さんは言った。
純は、愛の部屋に案内をした。
「愛君、みんな来てくれたよ」
「ええ??」と里さん・・。
みんな声を失った。
「あの・・・話しかけてください。
いろんな人に声をかけてもらったほうがいいって
お医者さんが言ったので・・。」
思いもよらない現実に一同は・・・・
ただ驚くばかりだった。
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そりゃ、おどろくわな。
愛君が寝たっきりだなんてだれが想像しますか?
でもなつかしい、ホテルオオサキのメンバーですね。
あのころはこのドラマは絶対コメディだと信じていたのに。
全然伝わらなかった・・・作家に。
信じていればぁ~きっと伝わる~って本当?
思いがけなく裏切られ・・・愛の寝たっきりを
見なくてはいけなくなったし
あと一息のところで、どんでん返しをするという
ドラマの設定は最後まで裏切られずに続くし。
どうよ、これ。
朝から、さめざめとした調子で・・・
大変さ満開だわよ。
