「私こんなに幸せでいいのかな」

糸電話で話をする純と愛。

「純さんとあえて僕はこんなに幸せです。
もうなにもいりません」

「ちょっと・・・なにいってるのよ。

愛君にはもっともっとしあわせになって
もらわないと困るんだから。」

その後、愛から返事がないので純は部屋に戻ると
愛が倒れていた。

病院へいった。
脳幹という深い場所近くに腫瘍が出来て
いるとのことだった。
それが脳を圧迫している。

「それって?」

「脳腫瘍です。

このまま放置していると危険なので
早く手術をしたほうがいいと思います。」

呆然とする純だった。

病室に誠が来た。
誠は現実がわからない。
「一体どういうこと?
愛ちゃんが倒れたからっていうから」

純は誠に病名を言った。

「うそやろ?
でも直るんやろ?」

「それが・・手術をしても完全に直る保証がない
って脳幹と言う危険な場所に腫瘍がはいってるというか
手術をしても意識が戻らなかったり
命を落とす危険性もあるんだって。」

「愛ちゃん・・・パパとママになんていえばいの?」
誠は大声で泣いた。

「誠ちゃん、お父さんとお母さんには
私から知らせるから。
とにかく愛君がよくなることだけを
考えよう。」

純は誠にそういった。

その夕方。愛のベッド脇に
ねむり姫の絵本と動き出した腕時計がおいてある。
純は愛の顔を見てそして愛の手をじっとにぎっていた。

突然何かに手が反応した様子で純は愛の名前を呼んだ

「愛君

愛君・・・

わかる?」

「純さん・・・。」

意識が戻ったことを医者に告げた。
医者は診察の後いった。
「手術に耐えられるかどうか
検査をして、手術の日程を決めると言う。
結果が出るまでは三日ぐらいかかりますから
それまでは安静にしててください。」

そういって、医者と看護師は出て行った。

「宜しくお願いします。」

愛は、純の背中を見ていた。
「大丈夫?」振り向いて純が言った。
「ふ・・・・」
「何笑ってるの?」

「ああ・・・生きてて良かったぁ~って思って。」

「なにそれ?」

「だって僕が死んだら純さんが悲しむから
僕が死んだら僕より純さんのほうが辛いから。」

「なにいってるの。
私は怒っているのよ。
いままで脳に負担がかかっていたはずだって。
疲れたとき頭を抑えていたからあれ
そうだったのでしょ?なぜ言ってくれなかったのよ。」

「すみません・・。」
「お母さんとお父さんに連絡してくる。」

愛は連絡するのを待って欲しいと言う。
みんなやっと辛いことから解放されたのに
自分のせいでまた辛くなるのはいやだという。

「それと、もう一つお願いが?」
「なに?」
「ホテルは予定通りオープンさせてください
せっかく、おじいのホテルを継ぐと決めたのに
僕のせいで延期して欲しくないです。」
「でも」
「お願いします。」
「わかった。」

ホテルでのスタッフ会議で純は言った。
「予定どおりホテルはオープンするつもりなので
いろいろ大変だと思うけど
皆さんお願いします。」

それでいいのかと、正は聞いた。

「そうしたほうが手術もうまく言って愛君も直るって
そう信じることに決めたから。

それと・・・愛君と話をしててオーぷんにむけて
やらないといけないことが多いって
わかったの。」

純はメモを読み上げながら指示をすることにした。

「まずは、ホテルの名前はサザンアイランドって決めたから
剛、かんばんとか、ロゴとか作って。」
「わかった、すっげえかっこいいのを
作るからさ。」

「ホテルはこちらですという
看板とかやじるとかも。」

「なんか大変だな・・」
剛は大きな仕事にうれしくなった。

「なら、私手伝うよ。ほかの事もやるからさ。」
と羽純がいった。

「あとパンフとかチラシとかも作って旅行会社や
おみやげ物屋さんに配るから、それも手伝ってくれるかな」

「私もビューティサロンだけではなくて
ほかのことも手伝うからね」

とあゆみが言う。

正もマッサージ室だけではなくて、ほかに
やることがあればという。

「外の雨といが壊れているのと
子供用に椅子が足りないの。
大工仕事的なことが多いからお願いします。」

「わかった」

「おねえちゃん、わるいけど
愛君が元気になるまで、料理を作ってくれるかな」

「うん、愛君が元気になるまでがんばるよ。」

「ありがとう。」

誠は自分も何かしたいという。
神戸に帰るのではと純は聞いた。
やりたいことを見つけるために、帰るといって
いたのだった。

「愛ちゃんが心配やから。」

「わかった、じゃDMの宛名書き手伝ってね」
「わかった。」
「みんな・・宜しくお願いします。」

「お願いします。」

と全員が言ってそれぞれについた。

剛は誠を見たが
誠は何も言わない。
それを羽純がみていたが・・
剛は気がつかず、去っていく。

晴海は正を見て愛さんという・・・
正はちがうよというが
剛を見ても愛さんと言う
剛も・・・違うと言うが。

おそらく、イメージ的に一生懸命
なことをしていると愛に見えるのかも
しれない。

愛の病室へ行った純。
「こまったわ、おかあちゃんたら
誰を見ても愛君と言うのよ。
愛君が入院したってメモにかいても
すぐ忘れるみたい。」

「純さん・・・すみません・・僕まで心配かけて」

「なにいってるの
愛君は病気を治すことだけを考えて」

「はい、
純さん料理はどうなっていますか?」

マリアが愛の特製豚マンを作ってくれているが
それもなかなかうまくいかないという。
なぜか苦いという。

「ゴーヤの苦味が消せてないと思います。
レシピを書いておきます。」

と愛が手を伸ばしてノートをとろうとした。

「あ、いいよ、いいよ
すぐでなくても・・」

そういうと愛は
純にすごく眠くなったと言う。
「少し寝ますね。」

そういって、寝てしまった。

純は愛に布団をかぶせて、そっと
様子を見守った。

「ごめんね愛君。

私もっと早く病気のこと
きづいていたら
こんなことにならなかったのに・・・」

*****************
愛の病気は脳腫瘍。
聞いただけでも恐ろしくなります。

せっかくホテルが軌道に乗りつつあるときに
せっかく、待田家がひとつになろうとしている
ときに・・・。
せっかく、これから何もかもと言うときに
せっかく、いままで苦労をしてきて
これから、幸せになろうとしているときに・・

そうですね、人生にはゴールってないですね。

ゴールと思っていたら、まだ、まだ
だったりします。

愛の手術は成功するのでしょうか。
もしも・・・純はそのことを考えている
みたいです。
もしも・・・・
○○になったら?

このドラマはラブコメではなかったのでしょうか?
ラブコメだったら、きっと
ハッピーエンドであることを
期待します。

え?ジャンルはない????