待田家の家族がそろって
ひさしぶりに食事となった。
誠は「純のことを話をして欲しい
病気で苦しんでいる記憶しかない」といった。
「純は小さいときから愛とよく遊んでいた」、と
多恵子が話し始めた。
「パズルとかシャボン玉とか
花火とか。
やりすぎて家が家事になるところだったわ」と
多恵子が話した。
病気で寝込むようになってから愛が作った
いと電話で話すようになったという。
「何を話していたんだ?」と謙次が聞くと
「お父さんとお母さんの悪口です」と
笑いながら話した。
「おいおい、ひどいなぁ~」と謙次が言うと
みんなが笑った。
純はそんな家族を見守っていた。
「この写真の頃は純はコーラス隊で
毎日、毎日大きな口を開けて練習していたわ。
ね?またお願いできないかしら。あの歌。」
羽純は朧月夜を歌った。
「どうもありがとう。」
拍手があがった。
「純は誠が生まれたときとても喜んで
毎日だかせてっていってた」と多恵子がいうと
誠はうれしそうだった。
誠のおかげで暗くならずに済んだ。
誠は必要なひと。我が家の希望の太陽と
多恵子は言った。
誠はうれしくて涙ぐんだ。
多恵子は愛にも言った。
「いつか言おうと思っていたけど
純が死んだことはあなたのせいではない。
母親のおなかのなかで純の生命力や才能を
すべて奪ったなんて思わないで。
今を生きなさい。
未来を見つめなさい
幸せになりなさい。
それが残されたものの責任だから。」
愛もうれしくなった。
謙次は「なんだか自分に言い聞かせているみたいだよ」といって
「ごめん・・」といった。
「謝らなくてもいいのよ、別に」
泣きながら多恵子は言った。
「ついでだから言わせてもらうけど
純が死んだのは君のせいではない。」と謙次は
いった。
多恵子はうなづいた
「わかっています。」
「寂しがりやなんだからせめて
子供たち二人には甘えて欲しい
できれば眉間にしわを入れないで
笑って欲しい・・」
誠はもう一度やり直せないかと聞いた。
「あ・・・それは無理よ」
「なんで?」
「純さんや愛のような気持になれないからよ
もう・・
でもこれだけは忘れないわ。
こんな素敵な子供たちを授かることが出来たんだもの・・。」
そういって結婚指輪を取り出した。
謙次も同じく、もっていた。
愛がつくった、豚マンをかじっていると
「そういう食べ方はお父さんそっくりね」
と多恵子と誠は謙次と愛を見て笑った。
「なにいってんだよ、そうやって首をすくめるところは
多恵子と誠は一緒だよ」
と謙次に言われてまた笑った。
「そうかなぁ~」と誠が言った。
愛は「母さんがそうやって笑うところ久しぶりに見ました。」
とうれしそうだった。
翌日誠は外へ出て
「空気がおいしい~~~」とさけんだ。
謙次は港に行って漁師さんに挨拶をすると
耳鳴りがしないことに気がついた。
「すべての音が気持いい~~」
と叫んだ。
多恵子はビーチに走っていった。
「わぁ~~」と大声を上げながら
海に入って叫んだ。
どうやら、三人ともおかしな不調がなおったらしい。
そして謙次と多恵子が帰る時間になった。
正は荷物を車に納めていた。
謙次は見送りに来た純にいった。
「本当にありがとう。
楽しい時間をありがとう。」
誠は提案した。
「せめてこれから家族の誕生日には
みんなであつまらへん?」
「そうだな・・」とみんなで納得した。
「皆さんで、記念写真を撮りませんか?家族四人で」
と純は言った。
待田家族は喜んでならんだ。
「ちょっとぎこちないですよ。
では、撮りますよ~~~。」
純がカメラを構えた。
「はい、行きますよ~~~」
すると多恵子が言った。
「あなたも入ったら?」
愛たちは驚いた。
「え?」と純も驚いた。
「あなたも、うちの家族なんだから」
「いいんですか?」
「もちろんよ、待田純さん・・・」
純はうれしくなった。
愛も笑った。
そして、左から妻純、愛、誠。
後ろのそれぞれの間に多恵子、謙次が
ならんで笑顔で写った・・・・・。
もちろん写したのは正。
その夜、愛は古いテープを聴いていた。
純が子供の頃の声がはいったテープだった。
『私は・・いつかおじいのホテルの女将さんになるのが
夢なの。
それでね、ここを魔法の国にするの。
いらっしゃいませ、ホテルサザンアイランドへようこそ。
女将の狩野純です・・・』
「純さん・・」
「うん?」
「このホテルの名前はホテルサザンアイランドにしましょう
純さんの魔法の国はおじいのホテルの名前を継ぐべきです。」
「・・わかった。」
ふたりに笑顔の時間が流れた
「そうだ、愛君・・いと電話で話そう。」
部屋の外で純は糸電話を口に当てて
話をした。
「私こんなに幸せでいいのかな?」
「それはこっちの台詞です。純さんがいてくれたから
また家族がちゃんと話すことが出来ました。
それに、また動くようになったのです・・・
時計が・・・。」
「本当?」
純はうれしそうな声を出した。
愛は小さな声で言った。
「純さんとあえて僕はとっても幸せです。
もうなにもいりません・・・。」
「ちょっと、何言ってるのよ。
愛君にはこれからもっともっと幸せになって
もらわないと困るんだから
だって新婚旅行にもいってないのよ。
どこへ行こうか?
私はパリかな。
だってサムトラケのニケさんがいるもの
あってみたいよね。
あ、それとも仕事が軌道に乗ったら
子供作ろうか???
男の子がいい?
女の子がいい?」
そういってカップを耳に当てたが・・・
返事がない。
部屋に戻った。
「愛君きれちゃった。
見て・・・」と
いった。
愛はベッドの上だった。
「なんだ寝ちゃったの?
ちゃんとふとんをかけないと
風邪ひくよ。」と声をかけた。
「おきてよ・・・」
「愛君・・・・?」
純は愛を起こそうとしたが様子がおかしい。
「愛君?」
顔をたたいたが反応がない。
「ね?愛君」
「・・・・・・・・・・・・・」
「ちょっと・・・愛君!」
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愛が倒れた???
頭痛のせいか?????
朝から愛はあのトレードマークのパーカーをぬいで
チェックの長袖のシャツだった。
それとこれと何の関係が有るのか??(ないない)
ただ・・・
待田家弟純をいれて家族5人で撮った昔の写真、
は左から、誠、弟純、愛。
それから後ろに誠と弟純の間に謙次、弟純と愛の
間に多恵子がうつっていた。
そう・・・・
今回はじめて妻の純をいれてそのときの弟純の位置に、
愛が写ったのだった。
三人で写ると真ん中の人が早死にするってきいたこと
ありませんか?????
縁起でもないっ!!!
妻純を入れなければ・・・真ん中がいなくて済んだのに。
縁起でもないっ!!!
こうしておだやかで、やさしい時間の後の
びっくりするようなどんでん返しはこのドラマの
特徴で、ついに・・・・・・・
「きたぁぁああああ~~~~~っっっ」・・・・て
思いました・・。
(思いたくないけど)
縁起でもないっつつつつ
ということで来週のどんでん返しが
どうでるか???
