水田に付き合って欲しいと
言った火野美矢だが。

水田はことわった。
あまりの展開に驚く従業員一同。
去っていく水田を純は追いかけた。

「あの、どういうことですか?
火野さんのこと好きなんじゃないのですか?」

「いいえ、そういうことじゃなくて」

「もしかして自分には結婚できない理由があると
いってらしたけど、それですか?

教えてください。
どういうことですか?」

水田は老人ホームへ純と火野をつれていく。
そこには、車椅子に座った彼の父親がいた。
母を早くになくして、家事や家業の豆腐屋を
がんばっていた父親は脳溢血で倒れてから
介護が必要になった。

水田はいままで育ててくれた父の
恩に報いるためにも父親から離れ
られない。

「もし、あなたと付き合ったら一緒にいたくなります。
でもあなたに父親の介護や家業の豆腐屋をやってくれ
なんていえません。だから・・・すみません、失礼します。」

そういって水田は父親のところへ行った。

火野は、叫んだ。
「私はかまいません、あなたが愛してくれるならそばに
います。」

ーお父ちゃん、それからはとんとん拍子で物事が進み
ついに結婚式を挙げることになりました。

里やでは、その打ち合わせ会議をやっていた。

「バージンロードは赤じゅうたんを里やの向こうの
お風呂屋さんから里やまでしく。

それで祭壇を作ってそこでします
牧師さんは本物はたのめないので、愛君の
おとうさんにしてもらいます。」

「ぼくでもええんかな・・」とうれしそう。

「確かにな。パパは離婚しているんやし」

愛は、「弁護士が後見人っていうことで力強いのでは」
といった。

謙次はうれしそうにわかった、といった。

新郎新婦のお世話は純とセクシーが。
かざりつけは正とマリアと誠。

剛はおれもおれも・・というが

「あんたは余計なことしなくていい」と純がいった。
そのあと「冗談だよ」って大笑いだった。

料理は愛君とセニョールさんにというと
愛はうれしそうにしたが、セニョールは
緊張していた。

式を盛り挙げる音楽は羽純。羽純は「皆さんにも
歌って欲しい歌があるので、宜しくお願いします」と
いった。

師匠は「私も踊るわよ」といって盛り上がった。

「さぁ、記念すべき里やの最初の結婚式です。
皆さん、一致団結してがんばりましょう~~
えいえい・・・おーーーーー」

「あの、私もやりたいことがあるんだけど。」
と里さんがいった。
二人の出会いを映画に撮りたいと言う。

水田と火野と打ち合わせをする純。
「すみません、うちの女将さんドラマが大好きで。
へんなことたのんでしまって」
というと、水田は「僕たちのために
ありがとうございます」といった。

純は「お二人の経歴を紹介するとき、火野さんは大学を出て
派遣社員でいろいろなお仕事をしたとあるだけなので
もう少しエピソードか何かありませんか?」と聞く。

水田もそれ以上は知らないから知りたいという。
火野はすこし考えていたが、ひとにいうほどのことも
ないので、それでお願いしますといった。

二人は帰って行った後、笑わない女性客がいた。
彼女はずっと見ていたらしい。

純は、結婚式にはよかったら一緒に祝福をしてください
といった。

客は、「男女がうまくいく方法は何かと言うとね。
過去を語らない、過去を聞かないことよ。」

そういった。

純は、はっとした。

その夜、純は気になっていた。
「なんだか火野さんはなにかかくしているように
見える」という。

愛は自分が心を見てみましょうかといった。
最近は見えなくなったらしいが、
一生懸命見たら見えるかもと言う。
純はそれに頼りたくないし愛がまた人の目
を見れなくなったらと思うと、
お願いできないといった。

「ありがとうございます・・・」

そういって、愛は純にそばに行って
両手で純をだいて
「目をつむってください」
といった。
純は、そっと目をつむった・・・
愛はキスをしようと近づいたら・・・・・・

突然ドアが開いて、剛が来た。

「ねぇ~~おねえ助けてよ~~」

二人は驚いて、離れた。
剛はその様子をみてしまい
はっとした。

「ちょっとあんた、ドアを開けるときは
ノックをするって知らないの?」

「あれ、あれ。あれ~~~
お取り込み中でしたぁ~~~~」

「ちがいます。」と純。

「あははは・・・」

「剛君、なに?」

「あ、ああ。お母ちゃんが・・
ご飯食べてないって言うんだ。
さっき食べたばっかりなのに。」

突然、晴海が来た。

「ねぇ、何言ってるの、私は何も食べてないよ」

「お母さん上がってください。
今果物でもむきますね。」

と愛がいった。

「こういうときは」
と純は剛にいった。
「否定しないで、軽いものを食べさせるのよ。」

「そうっか・・」

「お母ちゃん、明日初めての里やの結婚式なの。
お母ちゃんも来てよ。」

「純、かわいそうだね。
元気出しなさいよ
よくがんばったね
我慢しないで、なけばいいさ。」

ーお父ちゃん、まただよ、なんでこういうこと
いうのかな?

さて、結婚式当日の朝となった。

玄関はきれいに飾られた。
みんな楽しそうに働いている。

愛はセニョールに料理をこんな風にしてくださいと指示した。
謙次はカンペを見ながらぶつぶつと
せりふに余念がない。
「本番はメモを見ないでくださいね」
と愛はいった。

正とマリアがやってきた。
剛と打ち合わせをしたり
羽純と師匠は歌と踊りのふりの打ち合わせをした。

「まこっちゃん、俺の『と』の人にならない?
剛と誠って・・。なんかごろがいいでしょ。
あ、違うな・・。誠と剛かな?」

「ごめん、私まだほかに誰かがいるような気がするの。
誠と誰かって人が。」

「え?」

逃げる誠に謙次が「どうか・・」といって邪魔をした。

「『と』のことばはここにぴったりね」とマリアが言った。
「人と人を結びつける『と』」。。。

正は「こんな風にみんなと働くなんて夢にも思ってなかったよ」
という。
羽純も「里やに来て皆さんと会えてよかったと思います」といった。
「自分は一人ぼっちではないとわかったから。」

セクシーも、自分と士郎の居場所なんかどこにもないと
思っていたけど・・ここに来てよかったという。

セニョールも、なんどもやめようと思ったけど、残って
良かったです・・・といった。

そこに里さんが、歌を歌いながらあの扉から
現れた。

「あれ?どうしたのみんな。しみじみしちゃって。」

というと、
愛が、「みんな女将さんに感謝しているんです。里やで
働けてよかったって。」という。

「それだったらあんたのカミさんにいったら?
あの子がいなかったらとっくにつぶれていたんだしさ。」

師匠も「あのにぎやかなおねえちゃんのおかげかもね
こうしてみんながいい顔をしているのは。」といった。

「来たときから面白い子だったからね」
「けっさくよ~~」とそれぞれが言った後
里さんが気がついた。

「ていうか当の本人はどこへ行ったの?」

そこへ純が記念撮影をするためにカメラを借りてきた。
「いい写真を撮ろうと思って・・お二人の晴れ姿を」

愛はうれしそうに純を見た。

剛は「せっかくだから、みんなでためし取りしますか?」

「そうだ、そうだ」と、里やまえに集まった。

「ちょっとあんたきれいにとってよ」
「セニョールさん笑って。」

・・・・・・・・・・・

いい顔で写真が撮れた。

時間になって、純が里やの前にいると
火野がやってきた。
「本日はおめでとうございます。
じゃさっそく支度をしましょうか?」

「あの、そのことなんですけど」

「はい?」

「わたし・・・・・
やっぱり

結婚できません・・」

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ストーリーの展開の速さ。
わかりますかぁ???

すごいです。

15分の間に
結婚しないと言った水田が
自分の境遇を語るにいたったこと。
それでもいいと火野がいったこと。
結局結婚式を挙げることになったこと。

里や初の結婚式の打ち合わせ会議が劇的に
行われたこと。

しかし、なぞが残ったこと。
過去を聞かない語らないという、意味不思議な
女性のアドバイスがなにかしら、そう、簡単に
いかないわよ、という暗示に思えること。

従業員のうれしそうな笑顔と感謝の心。
みんなの気持ちが一つになったこと。

ハッピーエンドにならないドラマであること。

やはり、火野が何かを隠しているらしいこと。

だってね、火野は自分を語ってないのよね。
何かを隠しているのよね。
結婚しきって言うと自分の両親とか身内とか
いるでしょ。なぜ、それがないのかなと不思議。

そんなことは省略したとしても(マリアの両親も
登場していないし。いないのかな?)
晴海の意味不明の言葉が・・・・

これからの純を暗示しているのかな???