里やの人気は次々と口コミで
ひろがり、ついにテレビの
取材が入ってきた。
アイディア勝負の里やが売りだが
どうやったらそんなアイディアが
生まれるのですか?と
レポーターに聞かれて、
純は里やの女将さんに始めてあったときの
エピソードを話す。
ひらがなの「と」の話だった。
「と」で人と人は結びつくと言う話だ。
純は、里やを「と」でお客さんが
繋がっていく幸せを実現したいと思った
からだといった。
そうだ「と」だ!
純に新しいアイディアが浮かんだ。
客のなかに男、水田寛治と女、火野美矢がいた。
お互い意識をしていると純は思った。
目がお互いを探していたり
おなじ食事を注文したり
相手が読んでいる本を自分も読んだり・・・
愛は、さりげなく結婚しているかどうか
確かめなくてはといった。
純は、お冷をサービスしながら
里やを知ったきっかけは?と
水田に聞いた。するとネットでしってという。
仕事が忙しいが久しぶりに休暇がとれたから
評判になっている里やに来たという。
純はうれしくなった。「あの・・ちなみに、奥様は?」
と聞いた。
火野美矢は、離れた席でそれを聞いていた。
「ぼくみたいな男と結婚してくれる人はいません
よ・・・。」
「どうしてですか?」
水田はしばらくし黙っていた。「ご馳走さまでした」と言って
去っていく
純は、火野のところへいって、お冷をサービスした。
「もしかしたら、さっきの彼のこと気になっていますか?」
火野はおどろいたので、コップから手を離してしまって
水がこぼれた。
「あ、すみません」
「大丈夫ですか。
図星ですね?」
で、彼と話をしよう作戦
その1・・・を立てた。
「このハンカチを彼の目の前で落として
ひろってもらいます。すると話をする
きっかけになるでしょ」
「はい」
名づけて、「恋のハンカチ落とし作戦」。
火野は水田が階段から降りてきたとき
わざと、ハンカチを落とした。
それにきづいた水田は、「あの・・・」と拾おうと
したが。
そこへ師匠がいつの間にか現れて
「あんた、ハンカチ落としたわよ」
といって拾って火野に差し出した。
「すみません・・・」
純は、おもいきり師匠をにらんでしまった。
「なによ、おっかない顔をして・・」
と、しかられた。
天気は雨。
お風呂へ行く火野に、「一緒に傘に入ってもらって
じゃ、湯上りのビールいかがですかっていうの。」
という。
作戦その2.「恋の相合傘作戦」
「あの、そんなにうまくいくでしょうか?」
愛が水田にお風呂を誘った。
「この時間が一番風呂なんですよ。」といいながら
「ああ、雨が降っている~~~」
と大根役者のような台詞回しをいう。
「純さん傘を~~~~」
明らかに純と愛の作戦である。
「でも、傘はこれ一本しかなくて」
というところを
里さんが現れて
「傘はここにたくさんあるよ、ほら。」
というので、二人はそれぞれ傘を持って
お風呂へ行った。
またもや、失敗。
「そんな作戦があるなら言ってくれなきゃ~~」
と里さんは、残念がった。
愛は「次の作戦はどうしますか?」と聞いた。
こうなったら、その3「恋の合席大作戦」
ふたりを同じソファに座らそうと
師匠のお弟子さんを動員して
椅子を全部占領させる。
水田のよこに、火野を呼んだ。
お弟子さんたちはめいめいが座った。
こういうシュチュエーションって
よけい話ができない。
水田はたちあがって、「すみません、ご馳走様
でした」といって、階上へ去っていった。
またまた失敗である。そう簡単にはいかない。
水田の部屋で正がマッサージをしている。
「もっと強くしましょうか?」
「いえ、気持ち良いです・・」
「ちなみに・・・」
と部屋の入り口からそっと
カンニングペーパーを出している純をみた
『彼女をどう思っているか』
と書いている。
「彼女をどう思いますか?」
と聞いた。
「え?」
カンペには、『さっきの合い席の女性』
とある。
「さっきの合い席の彼女ですが。。。」
「彼女は僕なんかとは。」
と言葉が切れた。
正は「どうしてですか?」と聞いた。
水田の家は父親の代からやっている
豆腐屋だった。
それで朝は早いし仕事は大変だし生活も
らくじゃないし・・・。
純のカンペは『女はそんなの気にしない』
と書いてあった。
正は「女性はそんなことは気にしないですよ}
といった。
しかし、まだ水田には何か理由があるらしいが・・・
話はしてくれなかった。
というか、純がカンペをもって
廊下から指示している事がばれた。
「どういうことですか?」と純が
声を出してしまったからだ。
厨房ではひそひそ話をしていた。
セクシーと羽純、里さんと純。
愛は「あの人教えてくれたんですか?
結婚できない理由を」と聞いた。
「それが全然教えてくれなくて」
「何で言いたくないのだろうね」と里さんは言った。
「酒癖が悪いとか
それとも変態?
もしかしたらCIAのスパイとか
あ、わかった、実は女なんだよ。」
セクシーは
「女将さん、こういう話になると
限りなくイメージが広がりますよね」
といった。
「脚本家志望だからね」
羽純は「このままだとあの二人をくっつけるのは
無理だよ」
といった。
そこへ火野が荷物を持ってやってきた。
チェックアウトをするという。
「このままでいいのですか?」
と聞く純。
「あの方には私なんかよりふさわしい人がいると思うし」
「そんなコト言わないで下さい。
もしかしたら彼があなたの「と」のひとかも
しれませんよ。」
「あなたは幸せだからそういうのよ」
純は、いままでの苦労を語った。
「私は愛君という「と」のひとと出会って
前の職場やここの職場でいろんな人と
出会って思ったんです。
世の中には不完全な男と不完全な女しか
いない。私の愛があなたを作り
あなたの愛が私を作るって・・・
女が諦めたら世界は終わるのですよ」
そこへ、水田が荷物を持ってやってきた。
チェックアウトをしようと思ってという。
純は、火野に合図をした
火野は水田に「行かないでください」と
いった。
「え?」
「あなたとお話がしたいです。」
「・・・僕もです。
あなたと話がしたいです。」
純も里さんも、従業員一同
うれしそうな顔になった。
ーおとうちゃん、私は毎日が楽しいです。
もうすぐ里やを魔法の国にすることが
できそうで・・・・
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さて、この二人うまくいきますかね?
こんな風に、ウエディングプラントかは
当然ありとしても、お見合いプランが
あれば、楽しいですよね。
で、プレママ教室とか、
育児教室とか
それから・・・・七五三のお祝いパーティとか
ゆりかごから墓場まで・・一環して
お世話します、ッて里やも面白いかも。
純の苦労もどんどん報われて
楽しくなっていきます・・・
しかし・・
ドラマと言うのは
平凡な毎日だと、話にならないのです。
何がこれから始まるのか・・・楽しみです。
