純と愛97
今週の「えいえんのあい?」
と言うタイトルの後のクレスチョンマーク。
今週はセクシーさんの夫婦の愛と崩壊
待田夫婦の愛と崩壊
そして・・・

まさか?←(これが曲者だったりして)

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愛は、晴海にネットにある
簡単な認知症のテストを受けてみてはどう
ですか?

と聞く。

純もすすめたのでやってみることになった。

「次の言葉を覚えてください。後で聞きますから。」

「さくら、自転車、さる」

次の数字を逆に言ってください。

「6 8 2」

「2・・8・・・6」

「3.9.7」

「7・・・3・・・・・・9・・・・」

「先ほど言った三つの言葉を
教えてください」

「さくら・・
さくら・・・・と

え・・・と」

愛は

「つぎにこの図形を同じように描いてください。」

紙と鉛筆を渡したが

晴海は、息を呑んだ。

そして、

「できないさ、こんなこと

なんでいじめみたいなことをするの?

あんたも娘ならどうして母親を助けないの?」

晴海は絶望的に興奮して純に怒鳴った。

純は晴海を抱いていった。
「おかあちゃん、お願い落ち着いて」
「どうしよう純、どうしたらいいの?」

里さんはメモを渡した。

「ここにいってごらん、いい先生だから・・」

という。

診察を受けて、三人は外に出た。
海を見ながら晴海はいった。

「ねぇ、純・・」

「ん?」

「私・・・もう宮古の海・・・見られないのかね?」

純は、晴海を見つめるだけだった。

家では正と善行が待っていた。

「ただいまー」と晴海たちは帰ってきた。

「ただいま、帰りました。
お茶、いれましょかね・・・。」と晴海は言った。

「あの、おかあさん、どうだった?」

と正が聞いた。

「純、あなたから言って」と晴海は言った。

善行は純にこっちに来て座るように言った。

「おかあちゃんは・・」

「うん?」と善行。

「若年性の認知症だって」

みんな言葉が出なかった。

正は、純に聞いた

「それは直るのか?」

「進行を遅らせることは出来るそうよ。
完全に直るのは無理だって。」

一同、暗くなった。

「そんな深刻な顔をしないよ
病気になったものは仕方ないさ」と晴海。

正は、「ちょっとかあさんなんで
そんなにさばさばしているの?」

と聞いた。

「今まで不安だったけど、病気と聞いたら
くよくよしても仕方ないと思ってさ
そうだ、剛にも知らせないとね、なにしている
のかね、あの子は?」

愛は、「剛君が出ている動画を知っています」と
いって、スマホをだして動画をみせた。
なんと、剛は今度はバレエダンサーになって
踊っていた・・・。

「相変わらず馬鹿だね・・・」と晴海は笑った。

「なにやってるんだ、あいつは」と善行がいった。

そういって、黙った。

「おとうちゃん、何か言わないの?」

「だからだな、泰然自若としてだな、こっちは
この難関を乗り越える・・」

といってお茶を飲んだらアツくて、噴出してしまった。

「アチチッチ・・・」

「おとうちゃん、何しているの。」
「ふきんもってきてくれ
熱いわ・・・」

「お父さん、」と晴海はいった。

「お願いがあるのですが・・」

「なにや?」

「宮古に

帰りましょう

仕事、もうやめたから
もう、大阪にいる必要はないし

このマンションを売って、また
宮古でみんなで暮らしませんか?」

「おとうちゃん、病気のこと考えたら
先生もそのほうが良いと言ってたよ」

「おとうさん、そうしよう」と正
「おとうさん、私もお願いします」とマリア

愛も・・・

善行は、「俺は・・・」

所在なさげにイラつきながら
善行は話を始めた。

「アスファルトが好きなんや・・・」

「はあ?」と純は言った。
「文化があるところが好きなんや
田舎は嫌いなんや・・・」

「いいかげんにしてよ

お母ちゃんが病気になったのは
お父ちゃんにも責任があると
思わないの?」

「だまれ」

善行はたちあがって窓にむいた。

「なんでこんな状況なのに
そんなことがいえるの?

お母ちゃんを愛してないのは
本当はおとうちゃんじゃないの?」

純も立ち上がった。

善行は純にむかって、「なにをいうてんのや
おまえは

なにもしらんくせに、なにを
なにをいうてんのや」と怒鳴った。

怒りのあまりに善行はテーブルにあった
さきほど呑んで熱いお茶を入れていた
湯飲みを手にして
おもいきり、床にたたきつけた。

大きな音がして湯飲みは割れて
破片がとびちり
純の頬に当たった。

「いたい」、と純がほおに手を当てた。

愛はとんできて、「純さん、大丈夫ですか」
といい

善行に言った。

「なんども言いましたよね。お父さん。
純さんを傷つけたら僕が許さないって」

「なんや、その口の利き方は」

「いい加減にするのはお父さんのほうです」

おとなしい愛が怒ると声がでかい。

「やめてよ、おかあちゃんが泣いてるでしょ・・・」

晴海は泣いていた。

「おかあさん」、とマリアは晴海を慰めた。

「おかあさん、すみませんでした」と愛は言った。

この場にいられなくなった
善行はでていった。

そして夕暮れの公園でひとり崩れ落ちて
うずくまって泣いた。

ーおじい、私たちはもしかして
言うべき事ではないことをいってしまった後悔と

「これ、出しといて」
多恵子は謙次に離婚届を渡した。

ー言うべきことをいえなかった後悔を繰り返しながら
生きているのかもしれない。

その夜、純は愛に傷の手当てを受けていた。

ーだから、いつも自分の気持ちを隠さず
ちゃんと伝えよう。

愛は、傷のテープを純の頬に貼った。

「愛君は私のナイチンゲールだね。」

「僕は、鳥のナイチンゲールのほうが好きですね。」

「ん?なんで?」

「ナイチンゲールって生涯、夫婦で添い遂げる鳥だそうです。」

「へえ」

「繁殖期が終わって別々の遠い国へ飛び立っても
つぎの春がきたら、最初の夫婦の契りを交わした
場所でであうそうです。」

「じゃ、ナイチンゲールに負けないようにしないとね」

「負ける気がしないです。」

純は、愛のペンダントにふれて言った。

「愛君、好きだよ。本当に

好き・・・・」

愛は純を抱きしめて

「僕も本当に純さんのことが好きです。」

といった。

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好きだと言わないといけないからいうのと
自然に好きだと言うのとはちょっと違う雰囲気ですね・・・。

どう違う?
なんだか悲しいですね。
言わなくてもわかるってのが、理想なんですけどね。

だから

えいえんのあい?

と?マークがついてこれは何なんだろう?と
問いかけているようです。

セクシーさんの夫婦の愛と崩壊
待田夫婦の愛と崩壊
狩野夫婦は・・・・???
そして純と愛は?????

ナイチンゲールのたとえは何かの暗示かな?

なんて思いますが。(別れと再会の暗示)

今週はハッピーエンドで終わらない週でした。
たいてい、どんな形であれ、エンドしていたのですが

さすが、

?マークがつくと、そう簡単に解決できないと
おっしゃるのでしょうか。

永遠の愛なんて存在しない

多恵子が最後に言った言葉です。

しかし、私たちは永遠の愛を信じて生きていますよね。
純と愛もそれを信じていますが・・・
信じきれますか?人生の最後まで・・・。