セクシーの夫はDV男だった。
潜伏先を見つけられたセクシー親子の
もとに夫がやってきた。

そして士郎をつれて部屋にこもった。
警察に通報すると士郎はどうなるか
わからない。

純は里さんのいうとおり説得に部屋の前へ
いく。

「すみません、24時間コンシェルジュの待田純です。
あの私が変わりに身代わりになりますから士郎君を
離して下さい。」

「それでこっちに何の得に成るんだ?」
と部屋の中から返事がした。

「そうですよね、あ、ああのそろそろトイレではないですか?
そこにはありませんので、出てこられたらどうですか?」

「心配するな、さっき窓からした。」

「おなかすいていませんか?
腹が減っては何とかと言いますし
私おいしいもの作りますから」

「うるせーーー!
あっちへいけ。士郎がどうなってもいいのか?」

「すみません、もうしわけありません。」

純は誤りながら、女将さんの元へ戻った。
セクシーは絶望した。

そこへ愛が来た。セールで買い物していてメールの
チェックが遅くなったとのこと。
まるで主婦である。

「あのね、いま・・・」

「大丈夫です。下でチュルチュルちゃんに事情は
全部聞きました。」

ーえ?そんなにしゃべったの、あの子?

というか、愛はあの能力で読んだのかもしれません。
まだ使えるのか。

「いいアイディアないの?」

「今のところ一つしか。
セクシーさんが身代わりになるしかないです。」

部屋の中ではDV男はいらいらしていた。

士郎が批判的な目で見るので、「なんだ?その目は?」

というと、士郎は、丸めた紙を広げた。
そこには「かえれ」とあった。

「てめえはいつも父親をばかにしやがって」

と、士郎を殴ろうとしたとき

部屋がノックされた。

「私だけど」とセクシー。

「あんたの言うとおりにするから

あんたと一緒に行くから。」

という。

男は不審そうにしている。

「開けて」

「とかいって、警察を呼んだんじゃないだろうな?」

「疑うなら確かめれば?」

男は扉を開けた。

そこにはセクシーがいた。

男はセクシーの手を取って部屋の中へ
ひっぱりこんだが・・

実は純がセクシーに化けていて驚く最中に
ほかの従業員たちが士郎を助けて
連れて行った。

「もうやめてください、こんなことは」

と純が言った。

男は廊下に出てセクシーを探そうとした。
「どけ。」
「どきません、奥さんと士郎君を自由にしてください」

と、いうと

「わかったよ、勝手にすると良いんだろ」

そういって、廊下に灯油をまいた。

「なにをするんですか。」

「このぼろホテルと一緒に死んでやるんだよ」

そういってライターに火をつけた。

「どこまで卑怯なの」

とセクシーが絶叫すると

「明日の朝まで時間をやるから
どっちにするか選べ。

俺と一緒に帰るか
このホテルと一緒に俺を焼き殺すか」

「ちょっと待ってください
そんなこと決められません」

と純が言うと

「関係ないやつは黙ってろ」
と怒鳴った。

「これは俺たち夫婦の問題なんだよ、あゆみ。」

といった。

みんな階下におりた。
純は言った。

「セクシーさん、こうなったら警察を呼んだらいいの
では?」

「だめよ、警察が来たとなったらあの男のことだもの
ホテルに火をつけるわよ」

「どうしよう・・・」

「おかみさん、わたしここをやめます。」

「どうするんだよ、あの男と一緒に行くつもり?」

「これ以上女将さんに迷惑をかけるわけ
にはいけません」

「えーーー?」と里さんは驚いた。

「それでいいんですか?セクシーさん。」
と純は言った。「士郎くんがまた殴られたりしたら
どうするんですか。」

「そのときはあいつを殺すから」

純は、「だめです。
母親が刑務所に入って士郎くんが喜びますか?」

「じゃ・・・じゃ・・・どうすればいいのよ」

セクシーは泣き出した。

里さんは純になんとかしてと合図をするが

純もどうしたら良いのかわからない。

愛のもとに行くと・・・
そこに謙次が来た。

「弁護士として助けてくれないかとお願いしました。」
と愛が言った。

「あの、何度も連絡してすみません。」
と愛は父にいった。

「こっちこそ、わるかったな
何度も連絡もらったのに・・。
返事もしなくて。」

純は、里さんたちに謙次を紹介した。
弁護士と聞いて、みんなほっとした。

「まあまあ、ありがとうございます、先生。
セクシーこれでもう大丈夫。」

と里さんが言う。

「すみません、よろしくおねがいします」

「ご希望に添えるように頑張ります」

謙次はドアをたたいた。

「誰だ」

「あの、弁護士の待田謙次と申しますが」

「なんのようだ」

謙次は男が裁判所からセクシーと士郎に接近禁止命令
がでていることを話、警察に通報すれば
逮捕されることを言った。

ところがすでにその期間は切れていた。

「警察を呼びたければ呼べ。
火をつけてやるから」

という。

「そんなことをしたら、奥さんと会えなくなりますよ
それでいいのですか?

このまま出て行ってくれたら奥さんは訴えない
といっています。

その気持ちを汲んだ自由にしてあげてください」

と謙次は言った。

男は昔セクシーと撮ったツーショットの
プリクラをじっと見ていた。

「奥さんを本当に愛しているのなら・・・」

と言った瞬間ドアが開いた。

「先生!!」

純と愛、謙次は驚いた。

「暴力を振るったことは反省しています
もう一度家族で暮らしたいのです
これからは心を入れ替えて
真人間になります。
女房も子供も二度と殴らないと誓います
信じてください、先生。
引き離さないで下さい
お願いします・・・。」

男は謙次にすがってお願いしたので
謙次は引っ込まなければならなくなった。

セクシーはそれで納得したのですか
と、あきれた。

謙次は「二度と暴力は振るわない、
反省していると言ったら
引き離す手立てがなくて。」という。

「・・・もういいです。」

セクシーは男と一緒に出て行くと
いった。

士郎は里さんに預かってほしいという。

純はだめですよ、親子がばらばらになるなんて
と、とめるに必死だった。

愛は、携帯を見ていた。

謙次は「ママならなんとかなる」という。

「どういうこと?」

と里さんが聞くと

愛君のお母さんはもっと優秀な弁護士です。
と純が言った。

「お父さんと違って?
あ、失礼。」

「実際そうだからいいんです」
と、謙次。
ええんかい?

愛は電話したけどでないという。

純は周りのがっかり感に決意した。
多恵子に頼みに行こうと。
そしてつれてこようと。

「それまで待ってください、セクシーさん。」

そういって、出て行った。

待田家では多恵子が調べ物をしていた。
明らかに、疲れている様子である。

誠につれられて、多恵子の部屋に入った純。

「すみません、こんな時間に」

「そう思うなら帰ってくれる?」

「どうしてもお母さん・・にではなく
待田先生にお願いしたいことがありまして」

実は・・・とはなしを始めると

「説明は結構、愛からしつこく聞いてるから」
という。

「すみません、お願いできませんか」
「普段は散々逆らうくせに、自分が困ったら
助けれくれって言うわけ?」

純はもしお母さんがこまったことがあったら
いつでもどこでも飛んできますからというのだが。

「そんなこと永遠にありえないわ。ご心配なく。」

「お願いします。困った人を助けるのが
弁護士の仕事なんじゃないですか」

「弁護士はクライアントを勝たせるのが目的なの
正義とか弱者とかそんなものどうでもいいのよ」

「お願いします。弁護料を払いますから」

「ご覧の通り忙しくてそんな暇はない」

「もしかして・・・自信がないのですか?
解決する。」

多恵子はめがねをはずしていった。

「私を誰だと思っているのよ
簡単に追い出せるわよ、そんなDV男。」

「じゃ、おねがいします。おかあさんのいうこと
何でも聞きます」

「じゃ、愛と別れて。」

「そ、それは・・・できません。それ以外なら」

「ママ助けてあげたら?これだけいってんやから。」と
誠(がいたんや)。

多恵子はため息をついていった。

「本当になんでもする?」

「はい。」

「じゃ、雨やませて」

「は?」

「こんなに降っているし、出かけたくないし」

「は?」

「雨がやんだら助けたあげるわよ。
DV男に困っているあんたの同僚を。」

「わかりました。」

「ちょっと本気なん?純さん」

「明日の朝まで必ず雨をやませてみせます」

「楽しみにしているわ」

と多恵子は去っていった。

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なんでもするって、晴乞いもするの????純  。
待田純の辞書に無理はないというけど・・・。

驚いた。

しかし、久しぶりの多恵子の純いじめ。

弁護士だけに言い分に筋が通っていると
おもいますね。

単なる嫌がらせではなく、です。

しかし、雨をやませるってのは
嫌がらせですね。

天は純に味方をするのか???