ついに、マリアさんは勇気を連れて
離婚となった。

純が「本当にこれでいいの?
いつか言ったよね。家族を大切に
しない人は信じないって。」とマリアにいた。

「関係ないでしょ。
あなたはもう赤の他人なんだし・・」

そういってマリアさんは出て行った。

ため息をついて椅子に座る正に
純は言った。

「いいのこのままで、取り返しのつかないことに
なるよ。
いまならまだ間に合うよ

マリアさんのコト連れ戻してよ

大体何考えているのよ。父親になりたく
なかったなんて・・・。
勇気に恥ずかしくないの、そんなコトいって。」

とたたみかえけていうと正は切れて怒鳴った。

「うるさいよ、おまえは!」

その勢いに飲まれて言葉を失う純は
正を見つめるだけだった。

「このさいだからいっとくけど
おまえのこと、妹だけど
かわいいと思ったことも、好きだと思ったことも
幸せになってほしいと思ったことも一度もないから。」

ーなんじゃそりゃ?

「これはおれの人生なんだよ。

お前なんかが二度と口出しするな。」

最後は、つぶやくように言い捨てて
出て行った。

正~~と善行は呼んだが答えない。

落ち着け正~といったが、もういない。

「おかあちゃん・・・
おかあちゃんどうにかしてよ」

と純が言うと

晴海はパニックになった。

「ちょっと待ってよ。考えているから。」

「どうするのよこんなになって。」

「あんたは自分が正しいと思ってひとを
攻めたり、せかしたりするのは
悪いくせだよ。」

と、はき捨てるようにいって出て行った。

ーなんでおかあちゃんにまでそんなこと
言われなくては、いけないの

純は善行を見た。

ーあんたに期待するのは何だけど・・・

「おれもな、いろいろ大変なんや。
大変何や・・・ちょっとトイレな・・・。」

と言って逃げた。

純は参ってしまった。

愛は純をはげまそうとした。

翌日、純は
「マリアさん、離婚届出したのかな」
と、考えていた。

一晩中、メールを打っていたが
返事がない。

「もう、知らないあの二人、おにいちゃんには
ひどいこと言われるし
マリアさんにも他人とか言われちゃうし。」

里やでは純は元気がない。

一晩中、メールを打った送信履歴を見て
ため息をついた。

「どうしたの?社長。ため息ついて。」

「女将さんは、離婚しそうになった二人を
仲直りさせる方法を知っていますか?」

「知ってるわよ。っていうか、そんなドラマがあったわね。
なんだっけ???」

里さんは考え込んだ。

「別に良いんじゃないの?別れたいなら別れれば。」

とセクシーが言った。

「生まれたばかりの姪がかわいそうで」

「父親なんかいなくても子供は立派に育つわよ」

「・・セクシーさんはわかれたんですか?
士郎君のお父さんと。」

「二度と聞かないでそんなこと。」

セクシーは激怒して、士郎を連れて部屋に戻っていった。

「え?すみません・・・」

純の無神経さ丸出しですね・・・。

「チュルチュルちゃんはさ、お父さんとお母さん
仲がいいの?」

と聞く。

彼女は振り向いて、

「嫌悪」といって
さっていく。

「嫌悪?」

「あの子沖縄の家族と絶縁状態なのよ
いま」と里さん。

「セニョールさんは、おくさんいらっしゃらないの
ですか?」

「は?」

「ずっと独身よ。いい人がいたら紹介してよ。」と、里さん。

「そんな滅相もない・・・」とセニョール。

「ちょっと、社長、あんたどうでもいいけど
何で私に聞かないの?」

「師匠には・・・師匠に聞いても参考にならないかな
って思って。」

「ちょっと失礼ねあんた。私たちは便利なんだから
使わないとソンよ。」

「では、何かいいアイディアが?」

「そんなものないわよ」

「ないんですか?
ないんならいわないでくださいよ。だから。」

「っていうかさ、そもそも結婚なんか
するのが間違いなのよ。」

師匠は、沖縄が離婚率が高いことを説明した。
それはなぜかというと女性が強くて
男がいなくてもなんとかするという県民性らしい。
「だから大丈夫よ、あんたの兄嫁さんも」

という。

すると里さんがおもいだしたらしい。

「結局、別れた・・・ていうか自殺しちゃうの
奥さんが・・・」

「なんてこと~~~~~。やっぱ無理何かな。
私なんかが兄とはいえ、よその夫婦をどうにかしようと
するなんて間違っているのかな・・」

「あら、待田純の辞書に無理はないのではないの?」

「そうですけど、いいアイディアがうかばないんですもの」

「それでも何とかしようと思い続けることが大切なんじゃ
ないの?

たとえ向こうが出なくても電話し続けると
気持ちが伝わるし
今まさに馬鹿なことをしようとしていて
あんたが電話したことで思いとどまるかも
しれないでしょ???」と里さん。名言。

師匠が言った。

「おんなが諦めたら世界は終わるのよ。」
と、名言。

役所にマリアさんがいた。

「あの離婚届はこちらですか?」

「はい、お預かりします。」

といって、確認のため待たされた。

その間に純から携帯に電話が
はいる。

それを見るマリアだが・・・。

何とかしないと、と思っても
どうしようもないみたいだ。

勇気の顔をじっと見た。

マリアは係員に、何かを言おうとした。

「あの・・・」

「はい、結構です。」

手続きが終わった。

純はマリアさんが出ることを祈って
電話をしていた。

マリアさんは何度も勇気の顔を見た。

そして正にメールした。

「離婚届けを出しました。さよなら、マリア」

とあった。
那覇でそれをみた正。

那覇の家にはなんと浮気相手が一緒にいた。

「もしかして奥さんなの?」
と、甘えながら言う。

「そろそろ行こうか?もういいでしょ。」

「まだ良いじゃん。
こんな家だったんだ。正のイメージと違うな。」

「結構すみやすかったけどね。いつもきれいにして
くれてたから。」

「私と結婚していたらもっと素敵な家にしていたのに。
正の事ももっと幸せにするし。」

「じゃ、・・・結婚しようか?」

「え?」

「・・離婚したんだ、俺。」

そのころ、マリアは、相変わらずなり続けるケータイを
みていた。
また・・・純からだ。

出て・・・と純は祈っていた。

マリアは勇気に泣きながら言った。

「本当に独りぼっちになったわ・・・
ごめんね、勇気・・・。」

と、マリアは泣きじゃくった。

そして、勇気を抱いた。

その足は歩道から
トラックが来る車道に下りた・・・

里やでは、大きな音がして、士郎の
トラックのおもちゃが転がった。

純はいやな感じがしてみていた。

そこへ純の携帯がなった。

母からの携帯は

「純、大変よ・・・マリアさんが・・・」

純は、里やを飛び出した。

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マリアさん~~いくらなんでも
勇気ちゃんまで連れてあの世に行くことないでしょう?

しかし、父親になりたくなかったという正には
預けられないし。

沖縄の女性は強いのではないのかな?師匠の話
だとね。

無事でありますように・・・・・・

正の気持ちはイラッとします。

無責任だろ
男ってのは、ここぞって言うときには腹をくくる
ものではないのでしょうかね?

赤ん坊が出来たのだって、あんたの責任。
で、なぜ父親になりたくなかったって言うのだろうかね??

生む生まないは女性の選択権があるというけど
女性が産むとなったら、そりゃ・・・・・・・あとあと認知問題が
あるかも。

それから、里さんの名言。
「思い続けているコトが大事。」

師匠の名言。
「女が諦めたら、世界は終わるのよ。」

純ちゃん、情熱だけで突っ走っても
回りを振り回すだけになるから。

セクシーさんやチュルチュルちゃんに言ったことは
ちょっと、無神経。

師匠にも失礼なことをいったし、セニョールさんにも。

不完全な男と不完全な女がどうのという
トルストイの言葉そのままの純でした。