マリアは正のあまりの
だらしなさに勇気を正に預けて
出て行った。
正はマリアを追いかけていった。

その日、二人とも戻ってこなかった。

勇気は純がつれて帰った。

なかなか泣き止まないので愛が
代わりに抱っこすると泣き止んだ。

「なんでよ~~~」
と純はふてくされた

愛は

「やっぱりいいですね、あかちゃんは。
裏表がなくて・・勇気ぃ~~」

純は勇気を覗き込んで「私たちも
生まれてきたときはこんな透き通った
目をしていたのかな」
といった。

「そうですね・・・・」

そこへ来客のピンポンがなった。
「勇気パパとママが帰ってきた
かもしれないよ・・」と

純が出ると、この間越してきた
山田さんだった。

「あの、ご主人はいらっしゃいますか?」

「あのなにか?」

「お醤油をおかりしたもので」

「そうですか、私が受け取りますので
わざわざすみませんでした。」

「あ、純さんどいてください。」

愛が出た。

「わざわざありがとうございます・・」

と挨拶をすると

山田さんは、勇気を見てかわいいと
いった。

「じゃ、わたしはこれで・・・」

「おやすみなさい・・・」

愛は勇気にきれいなお姉さんかえって
いったよ、といった

家の中に入ると純がにらんでいた。

「山田さんといると楽しそうだなと
思って・・・」

「別に鼻の下なんてのびてないですよ。」

「目じりが下がってますから」

「・・・それはいつも下がっていますから」

「いつも以上に下がっていますから」

と純は勇気のミルクを造りながら言った。

「本来はこういう顔なんだよ、勇気」

翌朝、里やにいくとそこに晴海が
きていた。

里さんと話しをしていた。

「亡くなった旦那さんは宮古なんですか?
知っているかも、わたし・・」

と晴海が話をしている。

純が到着すると遅かったねと言った。

純は驚いて「よくわかったね」といった。

「大正区は有名だから沖縄の人が多いから」といい

「それよりただしとマリアさんをなかなおり
させないと」、という。

「正が浮気をやめて、マリアさんに謝ったら
いいのだから」と。
「正しにくるようにと連絡もしてある」と言う。

正が到着した。
純を見てばつ悪そうだったけど、晴海には
「なにかよう?」と聞いた。

晴海は、座ってといって
マリアさんとはどうなったのかと聞いた。

正は、「あれからマリアは見つからないし
電話しても出ないし・・・」という。

純はあきれていると、「しょうがないだろ、
まったくノーアイディアなんだから」と
正は居直った。

晴海は「マリアさんは私が呼んでおくから」と
いって、正にいますぐ浮気相手のところに
言って分かれてくるように指示した。
「それが終わったらマリアさんに誓いなさいよ
もう二度と浮気なんかしないって。」

純は
「そうだよ、おにいちゃん、心から謝れば
マリアさんだってわかってくるから」

正は、「わるいのはこっちサイドなのか」と聞いた。

晴海はテーブルをドンとたたいて
「いいから、さっさと行きなさい」
と命令した。

正は立ち上がって出かけた。

その頃マリアはとある公園にいた。

夫婦で赤ちゃんを連れている
家族の様子をうらやましそうに見ていた。

勇気と同じくらいの赤ん坊だった。
ふと、勇気もあんなかんじで抱いていたなと
手を見た。

その視線の向こうに、ベンチに座っている善行がいた。

ミドルジョブという雑誌を見ながら
疲れたように、ため息をついている。

声をかけようとしたら晴海から電話が来た。

晴海のマンションに到着したマリア。
ぎこちなく、言われたまま入った。

純と愛、勇気が来ていた。

「お父さんも帰ってくるしみんなで
おいしいものを食べようと思ってさ。」

と晴海が言った。

「勇気、お母さんが帰ってきたよ。」

と愛は言った。

「ごめんね愛君めいわくをかけて」
とマリアが言うと

「勇気ちゃんはかわいいし
大丈夫です。ママに抱っこしてもらおうか

ね??」

といってマリアに渡した。

「よかったね、ママが良いね」

そこへ善行が帰ってきた。

「なんだ?
敵も味方もそろっているな
なんのことや?」

「メール見てないのですか?
今日は久しぶりにみんなで
ご飯を食べようと送ったのに。」

と晴海が言うと

「今は忙しくて、メール見る暇なんかない。

お、きとったんか。」
といって勇気を見た。

「抱かしてもらったら?お父ちゃん」

と純が言うと

「いま、機嫌が良いから
そっとしたほうがいい」と

椅子に座った。

「素直じゃないんだから」と純。

「二人は顔を見たらけんかするのね」
と晴海はいった。

晴海がうれしそうなので純がどうしたの
ときくと、みんなが集まるのがうれしいと
いう。

ところで剛君はどこへいったのでしょうか。
どうやらまた旅に出ているらしく愛の携帯に
動画がきていたそうです。
なんだか、フラダンスを
しているようすで・・・
今の時代必要なのはアロハの精神だと
いう。

食事の支度がすんでも正は現れない。

遅いなとみんなが待っていた。

善行は「相手の女と分かれられなかったの
かな」という。

相変わらず無神経な男である。

「マリアさんの前で言わないでよ」と
純が言うと

「料理が冷めてまうから
いうてんねん。」

「じゃ、先に食べましょう。」と
晴海が言った。

・・・おいしそうなんだけど・・・

一口食べたみんなはおかしな顔をした。
晴海は「何かヘンですか?」
といって、一口食べた。
そして、はっとした。

そのとき、ピンポンがなった。

愛が「僕が出ます。お兄さんと思いますから」

といって席をはずした。

純は、「おかあちゃん、もしかして塩と
砂糖と間違えた?」と聞いた。

「ちがうさ、お父さんの体のことを考えて
ちょっと味を薄くしているだけさ。」

と、晴海は言う。

「足りなかったらかければいいでしょ?」

と、気を悪くした晴海はテーブルの塩を
ばんばんかけた。

「ああ、かけすぎ、かけすぎ
そんなにかけたら・・・」

「おいしくないって言ったのはあんたたちでしょ。」

純と晴海で塩をとりあいになった。

「なにしているの?」と正が入ってきた。

「どうだったの?」
と晴海が聞いた。

マリアはじっと正を見た。

「分かれようと言ったら死ぬとか言われて・・」

「それで?」と純。

「じゃ、死ねともいえないし、」

「なに、分かれてないの?」

「しかたないだろ・・・

マリアにあいにいくというと
一緒に大阪に行くとかいいだして
とめるのかなりハードだったんだぞ。」

黙って聞いていたマリアは
「もういい、」といって、書類を出した。

「これにサインして。」

それは離婚届だった。

「わたしはサインしている。慰謝料も養育費も
いらないから。その女と結婚すればいいじゃない。」

「俺はマインド的には分かれたつもりだし。」

マリアは泣き出した勇気をあやしながら、たちあがった。

「結局あなたは何にも代わっていない。
子供が生まれて父親になったら少しは
変わるかなと思ったら、
いつもまでたっても何にも決められないし
トラブルからは逃げようとするし
お父さんこういう男なんだっけ?」

「え?優柔不断・・かな?」

「あなたみたいな優柔不断な男は
勇気にもよくないし・・分かれてください。」

「マリアさんおちついて」と晴海。

「これは私とただしの問題です」

「これはな、・・」

「お父さんは黙っていて。

別に良いんじゃないの?
父親になりたくなかったんだから
あなた・・。」

正は黙っていたが
「わかった。」といってサインをした。

みんなが騒ぐ中、「これはマリアと俺の問題だ。」
といってサインをした。

「おとうさん、おかあさん、純ちゃん、愛君

短い間だったけどお世話になりました、さよならです。」

純はマリアをとめたかった。
「本当にこのままでいいの?
いつかいったよね、家族を大事にしない人を信じないって。
わたし、その言葉、今でもずっと心に残って
いるんだよ。」

「関係ないでしょ。あなたはもう、赤の他人なんだし・・」

そういってマリアは出て行った。

残された家族は、みんな言葉が出ず、
うつむくだけだった。

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とんでもない結果です。

マリアさんは結構熱血なので
これも雨が降って地固まる

だったらいいですけどね。

隣の山田さんは何者?
待田家になにをもたらすものなのか?
晴海の認知症疑惑。善行の失業問題。
そして、正とマリアの離婚・・・狩野家は
まだまだ大騒動の渦中です。