「教えてあげます、生きる希望と言うやつを。」

といったものの

さて???

どうすればいいのか?

アパートで
愛と考えているとき

愛が「外に出たら楽しいことが
待っていると思わせたらいいのですが」

という。

そこで純はひらめいた。

作戦1:有名人に会おう、
    愛、物まね編
開かずの間の前。

「だめですよ・・
物まねはあの時は練習したから」

「いいからいいから。
有名人だったら会いたいと思うでしょ。
あ、田中邦衛だ~~」

「こいつ純って言うんだよ、
純っていうんだよぉ~~~・・」

反応なし
「だめですよ、無理ですよ」

「あ、北島康介だ。」
「やべ、チョー気持ちいい
今は何もいえねぇ~~
自分泳ぐの大好きっす
金メダリストっす」

反応なし

「純さん、だめですったら・・」

「あ、AKBだぁ~~」

「あ、・・・?
AKBったらグループじゃないですか
こんな・・」

「漫才やったらよそでやれ」

「すみません・・・・・」二人そろって礼をした。

作戦2

純は大きななべにカレーを作って
ドアの前に置いた。

「今度は食欲に訴えるつもりですか?」
「日本にカレーの嫌いな人なんて
いないからさ。

風、風・・・」
愛は携帯扇風機で風を起こして
ドアにむかってカレーのにおいを
送る。

「天野さん~~~うちの旦那の作ったカレー
むちゃくっちゃ、おいしいですよぉ~~~」

「俺はカレーが嫌いやぁ~~」

作戦3

「なんですか、今度は秋刀魚ですか?」

開かずの間のドアの前。

ひちりんに秋刀魚を並べて
煙を出す。

「人間が本当に生きたいと思うのは
自分の命が危なくなった時でしょ」

そういって、愛にうちわを渡して
ふたりで、火をあおった。

「今回は明らかに違うような・・・」と愛。

そういいながら、純とふたりで
ひち燐を扇いで
煙を出して

「火事だぁ~~~~~~~~~~~」
「逃げろ~~~~~~~~~~」

と叫ぶ・・・

「天野さんが出来てくるはずなんだけど」

出てきたのはほかの宿泊者のみ。
大騒動で幕となった。

階下でカレーを振舞う、愛。

純は、ううううーーーーーん・・・・

とうなっていた。

里さんはカレーを食べながら
「どうしたの?」と聞いた

「なんだか自分がやったことのあまりの
ひどさに落ち込んでいるようです。」

と愛が解説する。

「社長、元気出しなさいよ
あんたのチャレンジ精神嫌いじゃないよ
わたし・・」

「じゃ、女将さんはどんなときに生きる希望を
持ちましたか?」

「もちろん、いいドラマを見たときよ。

泉ピン子がおしんを奉公に出さないために
凍りつく川に入って流産をするシーンなんか
何回みたことか

おしーん、くるんでねぇ~~~」

ーだめだ、全然参考にならない

「師匠、師匠はどんなときに生きる希望を
もちましたか?」

「いやだぁ~~そんなぁ~~あんた
男に目覚めたときにきまってんじゃないのぉ
ばかぁん、いやぁん」(琉球舞踊の師匠)

ーこれもだめだ。参考にならない

「あ、あのセニョールさんは?」

「自分はここにいるだけでいいんで・・・。」

そこでジュースの音が聞こえた。

「チュルチュルちゃんはどんなときに生きる
希望を持ったりするかな?」
と聞くと

ややあって、

「皆無」

と答えた。

ー皆無ってまったくないの?若いのに。

純はがっかりした。

愛は善行に電話して聞いてみたら
どうかという。
純は不思議に思ったら、心を閉ざしている
感じが天野さんと似ているからと言う。

善行は「いそがしいんや、はよ用件を言え」
とせかし、純の生きる希望をどんなときに
もったか?いつ人生はすばらしいと思ったか
と言う質問には答えられず、
「中野君ちょっと待っててナ。今いそがしいんや、
ほな切るで。」といってきった。

その善行、職探し中らしく公園にいた。

純は晴海に電話をした。

お父ちゃんの様子おかしくないかなと
聞くと、いつもどおり会社へいったけど
という。

だったらいいけど、といいながら
純は晴海に質問があるという。
すると晴海は純に引っ越してきてほしいと
いうのだった。愛も一緒に。
純は「どうしたの、体の調子でも悪いの?」
と聞くが、晴海は母親が娘と暮らしたい
っていってどこがおかしいのかと怒って切る。

晴海は家庭の医学書を見ていた。
アルツハイマー認知症と言うページだった。

愛は純にどうだったかと聞く。
愛の家も大変そうで、どうやら
謙次パパが家政婦さんと家で浮気していて
その現場を多恵子に見られて
離婚騒動の渦中。
誠は二股をかけられていて
どうしても分かれたくないと
泣きついていると言う。

はあ・・・・・・・・
と二人はため息をついた。

「みんな生きる希望どころじゃないね。」
「う・・・ん・・・」

「あのさぁ~
私いい方法を考えたんだけど」
と里さんは言った。

『風が吹いたら桶屋が儲かる作戦』

風が吹いたらほこりが目に入って
間はわすれたが、ねずみが桶をかじって
桶屋が儲かるというものらしい。
つまり、人間関係の連鎖です。
天野さんが必要とされていることを
訴えるということらしい。

で、二人はまた開かずの間の前にいった。

純は天野さんがその部屋から出てこないと
地球が滅亡すると訴えたのだった。

「言うてる意味がわからん~~~~~」

「天野さんが部屋を出て外を歩いているとする
信号待ちでとなりにいた、男の子が
ボールをころがしてそれを追いかけたとする
すると車に惹かれそうになった、が
天野さんがその子を救うのです。
よかったぁ、助かったぁ~~」

「それのどこが地球を救うんや」

「天野さんが救った子供が大きくなって
自分も人を救うような人間になりたいと
思って地球を侵略してきた宇宙人と
地球防衛軍として戦って地球を救うんです。」

「もう、ええから、帰れ!」

純、撃沈・・・

愛が、代わって話をする。
「天野さん、地球防衛軍でなくてもいいんです。
もしかしたらその子は地球温暖化を
解決する偉大な科学者になるかもしれない。
もしかしたらその子はがんの治療法を発見する
偉大な名医になるかもしれない。
もしかしたら、僕たちみたいなただの平凡な
男になるかもしれません。
その子が好きな人とであって平凡な家庭を作るかも
しれない・・・

その可能性をつぶしていいんですか?」

ドアが開いた。

やったと思った

お小水の入れ物を出して、

「ほかしとけ。

俺は他人がどうなろうとも知らん」

といってドアを閉めた。

この作戦もだめだった。

純は考え込んだ。
落ち込んだ。

そこにセクシーがかたづけをしていたので
セクシーに生きる希望を聞くと
そんなのきまっているでしょといって
士郎をつれて去っていった。

「あ、士郎君か・・・」

愛は、そこで天野さんの娘さんのことを
思い出した。
娘さんに説得してもらおう。
が、連絡先はわからない。
純は結婚をするというから
大阪中のホテルと結婚式場に天野さんと言うお嫁さんが
いるかどうか聞けばわかるといって
早速タウンページをめくり始めた。

愛は、「無理ですよ、いくつあると思っている
のですか」というが、純は「待田純の
辞書には無理と言う言葉はないのよ」
といった。
愛は「そうですね」、といっしょになって
探そうとした。

里さんは、盛り上がっているところ悪いけど
といって、こんなこともあろうかと思って
娘さんの勤務先を聞いていたと言う。

純は驚いた。

ある大きな会社だった。

そこで受付をしている天野さんに
お願いがいありますといって
話を持ち込んだ。

開かずの間の前に純は立った。

「天野さん、実は娘さんに会って
お父さんにあってほしいとたのんだ
のです。」

ドアが開いた

「なんやとう??」

「でも、だめでした」

「あたりまえや・・・」

「このままでいいんですか?」

「やかましい・・・・」
そういってなんどもやかましいと
いいながらドアに頭をごんごんとぶつけた。

そして飛び出していこうとした

「どこへ行くのですか?」

電車にでも飛び込んで死ぬという

やめてくださいと純が言うが

純はとめようとして天野と
とっくみあいになる。

「べつにええやんか、お前の言うとおり
出てきたんやから」

天野は純を突き飛ばした。

純はどこかに体をぶつけたらしく
うずくまった。

天野はその様子を見て
「いったいなんなんや、お前は」

という。

純は「明日の朝まで待ってください」
といった。

「それまでに生きる希望がわかなかったら
電車に飛び込もうが
なにをしようが
かまいませんから・・
お願いします。」

天野は
「あああああああああ・・・・・」

と奇声をあげて部屋の中に
駆け込んでドアを閉めた。

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今回は純と愛夫婦漫才がみれました。

愛の物まねは以前、カイザーオオサキで、
善行をおどかすために愛がおじいのものまねを
したことがありました。

それで純は愛がものまねができると思って
田中邦衛、北島康介をだしたのです。
愛はうまいですね・・・・(笑)

カレー作戦は納得ですが、天野さんは
カレーが嫌いだったとは。

それから、煙でいぶすって・・・
これ・・・火災報知機が作動しませんか?

地球防衛軍の話も・・

漫才です・・・いいぞ、純と愛。

人は人とつながっているという話。
これはいい話です。

どこかで知らない間に誰かのためになっている。
また、知らない間に誰かに支えられている。
そんないい話・・・天野さんはそれでも
応答しませんでした。

が・・・・

娘さんの話でついにドアが開き、本人が廊下に
出てきました。これは・・・純、すごい、と思いましたね。

里さんの「おしん」話・・・。
実は見たことがないので、見た人にとっては
うれしいエピソードではないでしょうか。