新しい仕事先二日目で従業員たちから
総スカンをくった純。

つらいよね・・・

で、三日目の朝、行きたくないのか

おなかが痛いとか
熱があるみたいとか

といって、サボろうとするが

愛からダメ出しがでる。

「私はさ、里やがおじいの魔法の国みたいになると
信じているから、
みんなで悪いところ治してがんばりましょうって
言っただけなのに

どこがいけないのかな?」

「今までのやり方があるから戸惑っているだけですよ」

「みんなとっつきにくいっていうか・・」

煮え切らない純に愛は

「お弁当です、純さんの好きなものをいっぱい
いれましたから」

という。

とたんに純は笑顔になって

頑張って行ってみようかなというが

「どんな顔したらいいのかな」

「それはいつも通り笑顔でいいです。

笑顔ですよ。」

「でもさ・・・」

と言っても愛は

いってらっしゃい、というばかりだった。

里やの玄関先で一呼吸置いた純。
ーおじい、愛君の言う通り自分を信じなくてはね。

そういって、おもいっきり

「おはようございます。」と

大きな声でいうけど
内心はドキドキ

すると

「なんだよ、またきたの?あんた。」

と里さんが言ったので

純はびっくりして、「私もうくびですか?」と
聞く。

「あ、社長じゃないのよ。テレビテレビ
主人公のライバルがいいところになったら
現れて邪魔するの。」

「おもしろそうですね。
私も見ようかな・・・」

と言っても里さんはじっと、テレビを見ている。

ーて言うか、私のこともちょっとかまってくれないかな

そばでは天草親子が食事をしている。

「セクシーさん、おはようございます」

というと

「昨日のこと、訂正する気ないから」

ーいきなりそれかよ

純は羽純のところへいって

「ちゅるちゅるちゃん、おはよう

チュルチュルちゃんは彼氏とかいるのかな?」

というと

羽純は、「邪魔」

といった

ー邪魔・・・・あんたは二文字の言葉しか
しゃべらないのかよ

純は厨房の藍田に声をかけた。

「おはようございます、セニョールさん」

というとセニョールはなにもいわないで
食べたものの味を確かめてもどしていた。

そこへ昨日とおなじ紙玉がとんできた。

シロウだった、

広げると「かえれ」とあった。

外の掃除をしながら純は思った。

ーおじい、私はこう見えても傷つきやすいの
ぜんぜん気が付いてもらえないけど。

はぁ~~~~~

とため息をついていると

「あら、あんた・・・」と

いつぞやのおカマさんが声をかけた。

「わたしはねこの近所で琉球舞踊をおしえているのよ。
一度見に来たら?」

と、チラシを見せる。

ちらしの写真は目の前のおかまさんが
女形のかっこうをしている。
金城志道という名前らしい。

「私も宮古出身です。」
というと

「あらぁ~~~~そうなのぉ~~」
と驚いた様子だった

「宮古って美人が多いんで有名なのに
かわいそうねあんたって。」

そういいながら、寒い寒いといって
里やへ入って行った。

ーわるかったな・・

するとどうやら宿を探している人がいるらしく
純は声をかけた。

「あの、ホテルを探していたらうちへ・・・」

といって、びっくりした。

剛だった。

「おねえ???
ここで働いているの?」

純は剛にそばを食べさせた。

「おかみさん、すみません、うちの弟です
お金、ちゃんと払わせますから」

「ああ、いいのよ
気にしなくて。」

といいながらテレビに向かった

剛はしばらく純の家に泊めてほしいというが
純は狭いからダメと断る。

お母ちゃんちに泊まったらというと
剛はお父ちゃんの顔なんか見たくないから
いやだという。

純はお母ちゃんのことが気になると剛に言うが
俺も忙しいという。

「書道なんかで食べていけれるの?」

というと

「あれはやめた。」

「え、またやめたの?」

「俺が本当にやりたいことに近づいたきがするけど
微妙に違うんだな。やっぱり男はスポーツだよ
スポーツ。」

「あんたむかしから苦手だったじゃないの?」

「知ってる?カバディ」
純は知らないというと

知らないの?といってカバディの格好をするが

そこへ羽純が降りてきた。

「わ、きれいな人、だれ?」

「やめときなさい、誠ちゃんはどうしたの?」

誠は剛を振ってバカなミュージシャンとつきあっていると
剛は怒っていた。

ところが
そこへ

なぜか

誠が現れる。

剛もびっくり。純もびっくり。

誠は純にお金を貸してほしいというが
愛にも断られたという。

いいけど、といいながら
やっぱり家に帰ったら?と純は言うが。

「親みたいな説教するやったらもうええわ」
といって帰ろうとする

「あの、誠ちゃん」

と剛が声をかける。

誠が振り向くと、剛と誠の間に
里がいた。

「あ、邪魔だったね・・・」

といって去るが

剛は誠に「幸せなの?」と聞く。

「・・もちろん、・・・じゃ、」といって
出ていく誠だった。

剛は誠ちゃん・・・と名前を呼ぶ。

しかし、振り向いてももらえずがっかりして
どんと座ってそばの続きを食べ始めた。

「いいねぇ~~あんたの家族・・
ドラマチックだね~~~」

といいながら里は二階へいった

羽純は剛に向かって
「失恋」
といって、二階へ上がった

純は「しーっ」というが
剛は泣き崩れた。

一方善行は、受付で出入りの業者の
若いものに説教をかましたらしく
年下の上司に怒られていた。

「いい加減にしてください
なんどいったらわかるのですか」

というが、善行は態度を注意した
だけという。

いつもの4文字熟語で説教をしたらしい。

「嫌なら辞めてもいいが、その年ではどこも
やとってくれませんよ」

という。

善行はすみません、といいつつ
首からかけていたIDカードを
はずして床にたたきつけた。

そのころ、晴海は電車から降りて
家がわからなくなっていた。

駅前にある地図を見ていたら
善行が降りてきた

「どうした?迷子にでもなったか」と聞いた。

「いいえ、この辺・・何があるのかと思って」
と、ごまかしたが

「お父さんはどうして早いんですか?」

「たまには早く帰ってくださいって
いわれたからな」

といって、善行は晴海の荷物をもって歩き始めた。

晴海はついていきながら周囲をきょろきょろしていた。

里やでは剛が泊まることになったらしい。

剛はあの
あかずのまをなんとかしてという。くさいらしい。

純はドアをたたいて、「お客さん、あけて下さったら
なんでもしますから、あけてください」といって
ドアをたたいた。

しばらくして中から声がしてドアが開いた。

あまりのにおいに純と剛は鼻をつまんだ。

中から男が、包丁をくれという

「お料理でもされますか?」と純はドキドキ
しながら聞いた。

「そんなわけないやろ」

というので、それはだめですというと

「ほならおれもでていかん」といって
ドアを閉めた。

「あの、お客さんお客さん」とドアをたたきながら
呼ぶと

「やかましい、向うへ行け」

との返事・・・。

ーおじい、いったいどうしたらいいの?
このひと・・・

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なんでもありの状況になりました。
純の仕事のこと
剛のこと
善行のこと
晴海のこと
誠のこと・・・・

大きな問題がどか~~~んとでてきたようです。

しかし、ここで剛と会ったというのは
純にとってうれしかったかもしれません。

身動きが取れない職場でばかな話ができる相手が
できたということは強いですよね。

善行はとどのつまりは商社に騙されて
こんな仕事ではなく、商社マンの仕事をするものと
思ってそのために
ホテルをうって、夢のサラリーマン生活へ
もどったつもりが、
受付業務だった。しかも商社の
子会社の・・・。
同情はしますが、勝手にホテルを売ったことを思えば
同情しながら笑いますね・・・

ほらみたことか・・・って。

かわいそうなのは晴海で知った人のいない
大阪でどんなにさみしい思いをしていたことか
と思いますが、その影響で?痴呆症になり
かけています。

誠は剛と別れてというより、彼女も人生に迷っています。
この里やを中心にこれだけの純の家族が
どんな人生の展開をしていくでしょうか。

純もはやく、なんとか里やに溶け込めたら
いいのですけど。
純の正義感はなかなか理解されず
どこでも邪魔扱いされます・・・