私なんかがどれだけ頑張っても
世界は一ミリもかわらないのよ・・

善行にひどいことを言われて
傷ついた純はその足で大阪に
帰ってきた。

「おかえりなさい」

「ただいま・・・」

力なく帰ってきた純。

「早かったのですね。
てっきり那覇に泊まってくるものと
思っていました。」

純は電話の時とうって変わって
落ち込んでいる。

「なにかあったのですか?」

「私なんか生まれてこなければよかった
のに」

「どうしたんですか?
勇気ちゃんが生まれたときはあんなに
うれしそうだったのに」

「なんでもわたしのせいよ。
総理大臣がくるくる変わるのも
世界で戦争がなくならないのも」

「そんな

被害妄想みたいなこと言わないでください」

「愛君がいけないんだよ。

愛君が那覇に行けっていうから

お前が家族の幸せを台無しにするとか
お前なんか岩でも食ってろとか

そんなこと言われて

どうしたいいのかわかんないよ。」

「純さんは出会った時みたいに
そのままでいてください・・」

「そのままでいられる人間なんか
いないんだよ

私はあの時の私ではないのよ。

今ずっと頭の中にひな祭りの歌がながれていて

女なんかに生まれてくるんじゃなかったって思っている

この世界には夢や希望なんかないってあきらめているの。

私はね

お父ちゃんが死んだって絶対泣かない。

ううん、逆にうれしいかも。
あんなやついなくなったほうが」

愛は純の背中に向かって
聞いていたけど
思わず
純の肩に手をやり振り向かせて

頬を殴った。

「なにするの?」

「人として間違っている気がしたので・・」

純は立ち上がって
出ていこうとして、とめる愛の手を振り切った。

「純さん・・」

純が出ていくドアの閉まった音が
響いた。

町はクリスマス。
にぎわっている。

純はその中をオオサキに行った。

そこにはかつての同僚たちが働いていた。

池内も、新井も

そして
千香と桐野がいた。

「待田さん、どうしているでしょうね」と
千香が言う。

「彼女のことだから、戦っているわよ
魔法の国を守るためにね。」

「何があってもめげないですものね。」

「そうね。私たちもがんばらないと」

「はい」

「じゃよろしく」

そんな会話を聞いていた純。

帰ろうとして人にぶつかった。

水野だった。

「おおおお・・・」と水野。
「ああ・・・」と純。

その頃内職をしながら愛は
寒気を感じた。

「なんだ?この悪寒は・・
嫌な予感がする・・・」

愛は純が心配で電話してみようかなと思うが
でもなんて言ったらいいのわからない。
すると携帯が鳴った。
あわてて携帯をみると
父親より電話。
出るのをやめようと思ったけど
やはり出た。

父は誠がどこにいるのかと聞いた。
「誠なら宮古島にいるのではないですか」

「いやそれが、宮古で知り合った自称ミュージシャン
とかいう男と横浜ですんでいるみたいなんだ。
この間生活費を送ってくれと連絡があったんや。」

「ほっといたらどうですか?
もう子供じゃないんだし」

「そんなこというなよ
家族だろ?

ああ正月ぐらいうちに帰ってこないか?
純さんも一緒に」

「え?」

「かあさんのことも心配やねん。」

多恵子は怒りっぽくなって
薬も多くなったらしい

愛は父に質問をした。
どうして母と結婚したのかと

謙次はつきあったからにきまっとるやろ
という。

ちょっと、謙次パパのいる場所は・・・・・

「じゃ、なぜ浮気をするのですか」と
愛は聞いた。

謙次パパの横にどうやら女がいるらしい。

「ちょっと待って。いま大事な話中だから。」と
彼女と小声で話をしている。

そこは・・・なんと

愛が浮気をしようとしたラブホではないですか。

笑いました・・・

父が愛人とのやり取りを聞く愛だった。

「お母さんのこと、愛してないのですか?」

「そんなことはないけど。
あいつが何を考えているのわからないのだよ
どうやったらあいつをしあわせにできるんか
どうやったら昔のあいつにもどってもらえるんか

わからない」

と父の答えだった。

そのころ、純は水野と飲んでいた。

「私は何にもできませんが
お酒だけは強いんです」

と泥酔していた。

にぎやかなお店で
純はつぶやいた。

「私なんか友達はいないし
家族には見放されるし

もう死にたいよ。そんな勇気もないし。」

「そんなこと言わずに今まで通り頑張ってよ」

と水野はいうが・・

自分のやっていることはみんな間違っているからと
純は言う。

「トルストイはいっているよ
この世に正しい人間はいない
正しくなろうとし続ける人間がいるだけだって
それにさ、おじいの魔法の国が消えてそのうえに
君まで消えたらおじいは悲しむだろうね」

「いいな、水野さんは私の心の声を聴かなくても
私の気持ち全部わかってくれるんだから

私水野さんと付き合えばよかったかも。ははは。」

「そんなこというと・・・」

水野は純の顔に手をそえて

「誘惑しちゃうよ・・・・」
といったが。

その水野、場所代わってあるホテルにいた。

誰かがシャワーをしている音がする。

突然、純の携帯が鳴った。

純の携帯??????なぜそこにある?

水野は携帯に出ると愛からだった。

愛は水野が出たので驚いた。

「なんで水野君が?」
「さっきまでずっと一緒だったから」

「うちの妻に代わってください」

「え?もう帰ってんじゃないの?」

「とぼけないでください、今どこにいるんですか?」

「実はさ、帰りたくないて言うから
じゃ泊まっていく?って話になってね。
だから今ホテルでシャワーを浴びています。
あなたの妻。」

「どういう意味ですか?それ」

「どういう意味って子供じゃないんだから
わかるだろ?」

愛はすごい勢いで家を片付けて
戸締りをして
水野がいるホテルへ、向かった。

にぎわう街を

どいて
どいて
と、走り抜けて・・・・

純さん・・・純さん・・・と

つぶやきながホテルの廊下を走り

水野の部屋についた。

ドア開けた水野は

「あははは…お見事!

さすがだね・・・」

鏡に映った女性が後ろ向きに座っていたので
愛は、走って行き「純さん」といって
手にふれると

「え?」

といった彼女は

見知らぬ人!

「え?」

愛は驚いた。

「ごめんごめん
携帯取りに来いというのも
しゃくだからさ。
いや、今日こそ行けると思ったけどね
見事に振られました。」

そういって水野は愛に携帯を渡した。
一緒に飲んでいて純は携帯を忘れて
帰ったのだった。

「じゃ、純さんはどこに?」

水野は真顔で

本当に知らないんだという

「電車で帰るって言って一時間前に
わかれたけど」

愛は混乱した。

「てかさ、
お前たち大丈夫か?」

愛は水野を突き飛ばして部屋を出て行った

「だれあの人?」

と彼女は言った

「どうでもいいでしょ。今日は楽しいクリスマス。
カモン~~」

といって水野は・・(省略)

町は賑やか。

でも純はいない

どこへいったんですか??
純さん・・・・

愛は純を探した。

***************

今日は、楽しかったです。

純と愛が崖っぷちだというのに?

純が言ったお父ちゃんが死んでも
悲しくないという話は
人の死に対して深い思いをもっている
愛を怒らせました。

ホテルの客でどうしようもないガキを
怒ったときと同じかもしれません。

「二度と弟に死ねなんていうじゃないぞ」

あの時も幼い兄を平手打ちしました。

いうたらあかんこというたから
純はたたかれたのよ。

謙次パパの曰く多恵子は昔はあんな
風ではなかったと。
そうか、お見合い結婚かと思ったら
恋愛結婚だったのか・・・意外・・・

「どうしたら幸せにしてやれるのか、わからない」
そういう謙次パパの言葉はそのまま愛の気持ち
ではないのかと思う。

なぜ浮気をするのか?
妻の気持ちがわからなくなったから
それも愛には思い当たることで。

行ったラブホも親子とも同じところ・・・
これは偶然か。
セットの関係かも?単なるジョークかも。

しかし、人の顔をまともに見れない
愛が人でいっぱいの街を走るとは・・・
思いもがけないシーンでした。
愛(あい)は病(超能力)を超える。(苦しい)

今、家政婦のミタの再放送をみているけど
同じ遊川さんの脚本ですよね。

家政婦は放送中はあまり興味なかったし
かなり話題になったドラマですが
それでも興味なかったです。

いま何気に見ていると
要素的に純と愛に似ているのですね。
まず、子供たちの名前に意味があること。
子供は基本的に兄弟がたくさんいること。
家族の絆。過去の不幸な出来事。
夫婦の愛憎。
超能力の持ち主かと思うほど完璧なミタと
超能力者の愛。
ミタも愛もかなり不幸な出来事で
そうなったという流れ。

まだあるかもしれないけど、気が付いたことは
そんなこと。

なんだ、今気が付いたのって言われそうだけど
見なかったから仕方ないでしょ・・・。

純と愛もそうだけどミタもおなじく兄弟って
いいですね・・・。
めんどうくさい弟とかあてにならない兄とか
あるけど、やっぱり一人っ子の私にとったら
いいなぁ~~楽しそう~~って思います。

だってね、結婚すると家族が増えるでしょ。
勇気ちゃんは愛にとっても姪っ子ですよ。
マリアと愛も兄弟ですよ。
愛は狩野家の両親には嫌われている存在ですが
兄と弟にはそうではないですよね。
しかも初めて狩野家を訪問した愛に
マリアさんは「愛君もいらっしゃい、入って」と
やさしく声をかけましたね。
兄弟っていいですよね。
これを見て少子化に歯止めがきいたらいいですが。

どうやら純が動き始めましたね。
このままうつ状態でいるわけがないし
明日は今年最後の放送。

ハッピーなドラマ展開を大期待します。