善行と離婚するといった晴海。
善行にホテルを建て直す気がないのなら
仕方がないと言う。
「そのかわりに純と社長を代わってください。
私たちで借金を返すから」と言う。
それを聞いて善行は怒って居なくなった。
家族であとかたづけをしながら
本当に善行と別れるのかと
純は聞いた。
もう少し考えたほうがいいと、正はいう。
「正は反対ね?」
「そうじゃないけど、家族で働いても借金を
ペイできる保証はないし・・・」
「そんな弱気なこと言わないでよ、長男でしょ?」
「おれはおかあさんがもっと苦労するのじゃないかと
心配なんだ」
晴海は心配する必要はないし、純を支えてほしいという。
正は純がボスってのはいまいちぴんと来ないというので
剛は正が社長になって責任を負えばいいのでは?というが
正はその点は俺はそんなこと言ってないといって逃げた。
逃げるついでにお前は親が離婚しても良いのかときく。
剛はおかあちゃんがよかったらそれでいいのでは、と
これも逃げのひと言。
「純は?」というと「娘として親が離婚するってのはどうかな
分かれてほしくないし・・複雑というし、」
「マリアは?」と聞くと、「お母さんの意見に賛成」という。
「マリアは本当の娘じゃないから無責任なんだ」と正に言われて
逆上する。
純は母にもう善行を愛してないのかというと
私はこうするしかないという。
正は善行に電話をかけてみようとして電話をするがでない。
でないといいながら、去っていった。
愛は「大丈夫ですか?」と純に聞いた。
「まさか自分の親がわかれるなんて・・
思考が停止したわ。」
「とりあえず今出来るホテルの債権をがん
ばりませんか?」
と愛は言う。
それから、純は再建計画の計画書をもって
借金を待ってもらうようにお願いした。
地元の人にもホテルに来てほしいというと
善行の評判は悪い。
宮古を馬鹿にしているという。
正もあれからむかついているし。
善行は電話に出ないし・・
まさか自殺????・・・・とか。
純は不安になった。
そこに愛が早く来てくださいと
純と晴海を呼びに来た。
ビーチに行くと
白い着物を着た善行が海に入ろうとしている。
善行は泳げない。
「自分の借金ぐらい自分の命で返すから」という。
純と晴海は止めようと必死で叫んだ。
愛は「お父さんは本気で死ぬ気なんてありません。」
というと
善行は「あほか、本気じゃい」
といったら、深みにはまって本当におぼれかけた。
愛が海に飛び込んで助けた。
善行は夢を見た。ここに来た当初のことだった。
誰も自分を見てくれなかった。
おじいを中心に回っていた。
なにもかも、おじいが中心だった。
おれはこの一家の主だと
思っても、おじいにはかなわない。
だったら・・とホテル経営を引き受けたのだった。
そうすれば、家族の中心にいられる。
「気がつきましたか?いまお母さんを呼んできます。」
「いかんでええ、あいつの顔なんか見たくない。
お前の顔もや。」
そういうと愛は晴海は本当に離婚しようと思っていないと
いった。
離婚というと善行は考え直してくれるのではないかと
思っていったらしい。そして家族と共にやり直してくれるのでは
と思ったので言ったと愛は説明した。
「あいつ、ほんとにそう思って言ってるのか・・?」
善行は起き上がって愛を見て、はっとして
めをそらした。
「お前は人間の本性がわかるというけど信じたわけではないぞ。」
「わかっています。」
「じゃ、俺を見るな」
「おねがいします、純さんと一緒にホテルを建て直して
くれませんか?」
「そんなこといってもあいつはやることなすこと俺のことが気に
いらへんのや。
あいつはおじいにはにこにこするけど
俺のひざにはこなかった。」
愛は純は本当は善行に愛されたいと思っているといった。
「純さんはお父さんがこのホテルを大事にしないのがいや
なんです。このホテルは純さんにとってかけがえのない
存在なのです。
そんな純さんの気持ちわかってくれませんか?
お願いします・・・・・」
と愛は善行に頭を下げた。
「・・・・おい、お前はいったいなにもんじゃい。
男の癖に、女房を従えて生きていくと言うプライド
はないのか?」
愛にとってそんなプライドなど必要ないものとおもったらしい。
それは純がお客様から感謝されたとき太陽のような
明るい笑顔になるのをみて、この人の心が折れないように
一生支えて生きたいと思ったと言う。
「以前、男として身の丈以上のことをして女性にかっこつけて
みせたいと思うことはあって失敗したけど、
そんなことをするのだったら
女性に尽くしたほうがいいと思いませんか?
このまま意地張ってお母さんや純さんを失ってもいいのですか?」
善行は考え込んだ。
その夜サザンアイランドには地元の人が集まって
にぎやかだった。
おじいの声が入ったテープが見つかったと
晴海が披露をした。
みんななつかしそうにおじいの話をしていたので
喜んだ。
例の純のハピーバースディの歌が入っていた。
その音痴さとかわいらしさにみんな笑った。
「気持ち良いね。ここは。」
「おじいの作ったホテルが戻ってきたね。」
暖かい雰囲気だった。
そこに善行が来た。
そして、みんなに
「きてくださってありがとうございます、
これからもサザンアイランドを
宜しくお願いします」と言った。
純は驚き喜んだ。
おじい、良かった・・・やっとおとうちゃんが
わかってくれたよ・・・
しかし
愛は・・・・・・??
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おぼれる善行を助けた愛。
正や剛よりずっと頼りになる。
が・・善行は口を挟むなとか
顔を見るなとか、愛には厳しい。
人の顔もまともに見られない
学歴もない
仕事もない
将来のビジョンもない
そういったのは善行だが、愛には
そんな善行のあたりまえを超える
哲学を持っていた。
純の笑顔を守りたいから、純を支えたい。
それが女性に尽くすことにした理由。
愛からみれば善行は男としてカッコをつけようとして
身の丈以上のことをしているということなのだ
ろう。
善行は男は妻を従えて家族を守っていくことと
思っている。
それは間違っていない。しかし、あまりにもそれに
執着すると、力以上のことをしようとして失敗する。
だから、女性を立てるところは立てるべしと
愛は言いたいのだろう。
そうすれば、女性の力ももっと発揮できるし
純がいい例でもある。
愛の人生哲学・・・・・深いです・・・・・。
