大掛かりなリストラと
ブライダルやレストラン部門の
外部委託、ロビーなど利益を生まない
場所の大幅な改装などを打ち出した
カイザー。
大先はそのいずれにも
反発が出来ず、このまま
いいなりか、それとも自主再建の道を
さぐるか。。それを純に聞いた。
「本気でこのホテルの社長になりたかったら
キミに決めてほしい」と大先はいう。
悩む純。
そんなとき、ロビーでいつもの種田典子にあった。
典子は「これ食べて元気出したらは?」
と、お気に入りのアンパンを渡す。
「何かあったんでしょ?暗い顔をしているわ。
ここのアンパンおいしいのよ。」
「ありがとうございます。いただきます。」
すると典子は私の嫌いな二人組みが来たと
いう。
米田と露木だった。
ふたりは純をつれさり、質問をした。
カイザーとの合併の話はどうなっているのか
自分たちはリストラの対象になっているのか
と聞いた。
純は何もきまっていませんという。
「たとえ何かあっても話は出来ません。」
「誰のおかげでここまで来たと思ってるんや。」
ーいいえ、あなたたちにはいじめられました・・・。
「そんなことより社長も交渉に頑張っているので
いまはお仕事をしたほうが良いと思います。」
「おまえ社長秘書になったとたん上目線やないか。」
と米田。
「思ったより世渡り上手何やな」と露木。
「お前みたいな問題児は真っ先にリストラ候補の
はずやろ。」
「まさか、社長と出来てるんやないのか?」
「はあ???」
「そうだったのか、はははは」
「ハーーークション。」
純はあきれた。
「え?純さんと大先社長ができているっていうのですか?」
「なんで、私があんなおっさんとできてるっていうのよ。」
その夜、そんな話を愛にしたら
「そんなことをきにしちゃだめですよ・・」
愛は、じーーっと純の顔を見た。
「とかいって、愛君も私が本当に社長となにもないって
ことを確かめているでしょ・・」
「いやぁ~~
あ、純さん豚マンたべます?」
「いい、お客さんからもらった
アンパンがあるから。」
とおいしそうに食べる純だった。
愛は純の機嫌が直ったことを確認して
笑った。
「愛君もどうしたら良い考えてよ」
「もう、答えは出ています。」
愛は、純がいまのままのオオサキであって
ほしいと願ってるのであれば、このままで
頑張るしかないという。
「でもそれで借金返せずにつぶれたらどうするの?」
「大丈夫です。ホテルマンに不可能はない、
みんなが一丸となって同じ目的にむかえばって
言うじゃないですか。」
純は確かにそうだけどと思うが
おじいのことを思い出しいまさらだけど
ホテルの経営って難しいと思った。
宮古のホテルが気になって電話をした。
するとマリアが出て大変なんだという。
台風でホテルは打撃を受け、キャンセルも
続出して、たちなおるどころか、よけい借金が
増えたので善行は酒ばかり飲んでいるらしい。
おかあさんは信号無視とスピード違反で警察に
つかまり、正は階段から落ちて怪我をした。
剛は家を出て行ったかと思うと
神戸でストーカーまがいのことをして
訴えられたという。
そのストーカーまがいのこととは
ビデオカメラをもって剛が誠を追いかけて
いるのである。
そして動画サイトに「きょうのまことちゃん」、という
題名の動画をあっぷしている。
善行は「こんなに悩むことばかりになってのは
12年前に宮古にきたのが間違いやった」と
いう。
「また、そもそもの間違いはお前の母親と
一緒になったからや」という。
何を言い出すやらと純はあきれるが
「これほどまでに悪いことがおきたら
次はいいことがあるって
えっと、四文字熟語でなんて
いうのだっけ??」
愛はメモに書いた。
「一陽来復」
と。
純は
「そうそう、いちようくるふく
っていうでしょ?」
愛は驚いた。
「あほ、それやったら”いちようらいふく”や。
心配せんでもええ
俺の頭の中には次の手を考えているンや
起死回生、乾坤一擲や。まあ見とれや。
あはははは・・・」
「ちょっとお父ちゃん、へんなこと考えているの
ではないでしょうね?
やめてよ。まったくも~~」
電話は切れていた。
「ったく、ホテルの経営者と言うのは
どいつもこいつも」
翌日純は自分が社長だったらどうするかと
考えていた。
桐野がいたので質問した。
桐野は、つぶすわけにはいかないから
カイザーの案を呑んで合併ね、という。
ロマンや夢で経営は出来ないと。
そういって去っていった。
すると大先社長がすっと現れていった。
「昔はああではなかったけどね。
キミみたいにきらきらしていた。
俺のせい・・か。」
「え??」
「いやいや」
と大先がいこうとすると
ソファにホテルのベーカリーの
袋が合った。
典子だと純は思った
自分が預かりますからといった。
そしたら、典子の言葉を思いだした。
ーはりきってるよね、みんな。
ロビーウエディングから顔が生き生き
しているし、オオサキのロビーは
居心地がいいし
スタッフの人達も話しやすいしー
・・・・・
純は社長にいった。
「もし自分が社長だったら・・・
リストラも、外部委託もしません。
給料は半分にします。
役員は給料カットです。上が
襟を正せば、みんな着いて来てくれるって。
信じたいです。
それだけオオサキを愛してくれてるって。
ホテルマンには不可能はないのです。
みんなで一丸となって同じ目的に
向かえば・・・」
大先は、真剣に聞いているようであり
しかし
立ち上がっていった。
「やっぱり、きらきらしているな。」
「青臭いことを言っているのもわかっています。
現実は厳しいこともわかっています。
でも奇跡を信じてがんばりませんか?」
「ごめん・・・」
「え?」
「もう、合併するって契約してしまったんだ。」
な・・・・なんじゃ、そりゃ・・・・
驚く純だった。
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やっぱり経営者としては向いていない
社長です。
さんざん純にキミが社長だったらどうする?
と、聞いて秘書にまで勝手にさせたくせに
純の意見を待つことなくカイザーの威力に
屈したと、いえます。
純の一生懸命な気持ちは通じてなかったのでしょうか。
とにかく、どうしようもない経営者です。
桐野の生き生きとした気持ちを折ったのは
社長だといいました。
二人の間になにかったのでしょう。
桐野と大先があうわけないです。
善行のやぶれかぶれの状況に
純は宮古の様子も心配です。
なんだか純は裏切られてばかりで、愛が
これからも純さんはいっぱり損をしますと
いいましたが、それは予想なのかそれとも
愛が見ぬいているのかわかりませんが、
純が必死になればなるほど回りはさめていきます。
そして、もうだめだと勝手に結論を出します。
さて、大先は、それでどうなるというのでしょうか。
善行は、もうだめだと結論を出したとしたら
家族はどうなるのでしょうか?
