朝になると、となりに愛がいない。
部屋のどこにもいない。
そこへ突然ドアが開いて愛が
帰ってきた。
「どこへ行ってたの?」
「天気が良いのでさんぽです。」
あれから愛は純の顔をまともに見ない。
それは、純の顔がぶれている
から・・と純は思った。

職場でもお客様と接することが
できない。
怖くて話が出来ない。
デスクワークをしている純の元に
水野がくる。
大丈夫?といいながら
あまり心配かけさせないでくれ。
「純に何かあったらと思うと
仕事も手につかない。」
そういって
頭をぽんぽんとたたいていった。

昼休み、剛から電話があった。
今、那覇にいるそうだ。
ビデオで動画をアップすることに夢中に
なっている。
「ビデオアーティストっていうの
俺にあっているかも・・」とうれしそうにいう。

そして、あれから誰に何を言われても自分を貫く
純をみなおした、という。

純たちの結婚式のビデオもサイトにアップして
いるというのでチェックすると
多恵子に言い返していた場面があった。
「・・・愛君の一生を台無しに私がするって
いいますが、そうなったらお母さんよりわたしの
ほうが辛いのでそんなことは命に代えても
させません・・」とまっすぐにいう純がいた。

ちょっと前のことなのに、自分のことじゃないような
期がするのは・・なぜ?と純は思った。
正に電話すると剛のサイトは見たよといってた。
「これを見たらおにいちゃんたちは元気かなって
思って電話したのよ。」
兄夫婦の仲むつまじい様子が伺えた。
仲が良くて良いねというと。
すると「何言っているんだよお前と愛君には負けるよ。
やっぱりお前たちは最高だよ。」という。

愛はその頃弟純の墓参りに来ていた。
お墓にそっとねむり姫の絵本を供えた。

そこへ誠が来た。
驚くふたり。
「誠、おかあさんに司法試験を止めたら
将来どうするんだといわれて、答えられなくて
おちこんで純のところへ来たんだ。」
「愛ちゃん、私の心を読まんといてくれる。
そっちは今日はなんだかくさいよ。
純さん、ストーカーにあったんだって。
この前ママがホテルで純さんに会ってひどいことを
言ったみたい。私が司法試験止めるって言ったのも
純さんのせいやって。」
愛はため息をついた。
「あの人が普通の人みたいに臭くなったら愛ちゃんの
せいやから。また待田純って人が不幸になっても
いいの?」
愛は、純の墓を見上げた。

仕事が終わって水野が純を送っていくというが、
やっぱり純は断った。
すると、水野が純に愛と一緒にいてはいけない
別れたほうがいいという。
彼もまたストーカーみたいになっていた。

無理やり純を連れて行こうとしたとき

「止めてください。」
愛が現われた。
「何しているんだお前は?」
と水野が聞くと
「これから毎日純さんを迎えにこようと
思ってきたら思わぬ状況に・・・・・」

「お前に純が守れるのかよ」

「がんばります」

「だったらやってみろよ
俺にかったら信じてやる。」

「ちょっと止めてよ」と純が言うが
愛は大丈夫ですという。

愛はボクシングの格好をした。

「高校の頃から気に入らなかった
お前さえいなければ一番とれたはずだし
純だって俺と付き合っていたはずだ。」

といって、愛を投げ飛ばした。

愛は倒れながらも純に言った。
「あなたはこれからもっと大変になことがあるし
損をすることもある。そんなときはあなたの盾に
なって僕があなたを守りますから
ずっとそのままでいてください。」

「何1人でもりあがっているんだよ!」と
水野が愛に襲い掛かったとたん
水野に愛の一撃がはいった。
水野は倒れた。

「大丈夫ですか?」
と水野に言うと水野は愛の肩をたたいて去っていった。

愛は純にいった。

「僕はまっすぐにあなたを見ていたいのです。
あなたが見れなくなるのは辛いです。
だから、胸を張ってください
胸をはれ待田純
そのために待田愛は生きているんだから」

といって愛は笑った。

その朝、そっとベットを抜けて
外へ行く愛がいた。
マラソンをして、
公園の鉄棒で懸垂をして
シャドーボクシングをして

それを

純は見ていた。

「毎日何しているのかと思ったら
こういうこと。」

「すみません強くなりますから、俺。」

そういって愛は走っていった。

職場であのカップルが相変わらず
けんかをしていた。

「もういいわよ。キャンセルよ」

と新婦が言う。

純は悩んだが、「いい加減にしなさい
どれほど自分たちがめぐまれているのか
わからないの。
世の中には好きな人と一緒になれなくて
辛い思いをしているひともいるのよ。」

そこへ桐野が通りかかった。

「いつまでうだうだ言っているのよ。
問題点は何?」

「じゃ、相談に乗ってくれるのですか?」

二人はやったぁ~と喜んだ。

桐野はそれを見て微笑んだ。
はじめてみましたね、笑った顔。

純は私も自分に負けることはやめる
と思った。勇気を失うことは自分を失う
ことだ。

ファイトとかかれたお弁当

おいしいお弁当に・・・

ただいま~~と帰ったら

お帰りなさい、と愛がいて
ぴかぴかの靴・・・

「ありがとう~」

愛の背中で寝るときの

ぽかぽかのぬくもりがあれば

どんなに辛いことがあっても

乗り越えられるから・・

そう、純は思った。

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愛が強くなろうとしています。
世捨て人だったのに。見事です。
いつもうつむいていたのに。。。

愛は人を守るということはどんなこと
か・・・・考えました。

自分が強くならないと守れないと
結論しました。

純がソンばかりするだろうと予想しています。
まっすぐに生きるということはそういうことです。
だから愛は純を守ろうと思ったのですね。

お墓にねむり姫をお供えしたのはなぜ?
きっとなんとか自分が変わりたいと
思ったのでは?いつまでも眠り姫に支配されている
(多恵子に支配されている)愛でなく、とにかく愛は
強くなりたいのです。

で、ここで驚くのは朝のトレーニングをするって
うつむいてばかりの愛とは違っていることです。

それから、誠も人生どうするか?を考えます。

ばらばらと思っていた兄弟は純をほめて
応援してくれます。

どんどん変わっていきますね。

桐野・・・いつもならよけいなことしないの
というが、純の立ち直りをほほえましく
見ているとは・・・変わりました。

イケメン水野に立ち向かう愛。
一撃が水野にはいりました。
愛、強くなったね。

やっぱり水野じゃないの?
とは、もはや思えませんね。