チャペル前で鉢合わせした
両家の両親。

もちろん結婚式だなんて
しらない。

善行は融資の話で来た。
こんなやつは娘と思っていない。

というし

多恵子は大事な話があると
おっしゃいましたよね、総支配人

と、怒りを込めて言う。

総支配人は「いいえ、社長が
どうしてもこちらにご案内するようにと
いわれましたので。」と答えると

多恵子はいきなりチャペルのドアを開けた。

チャペルの中の一同は驚く。
剛はビデオカメラを回し
誠は顔を隠すようにそむける。

愛は、びっくりした。
多恵子は、「こんなみっともないもの
見るに堪えないわ!」

といって、振り向いて帰ろうとする

と、善行に思いっきりぶつかった。

大騒ぎになった。

「痛いじゃないですか!」

「変なこと言わんといてください。
ぶつかってきたのはそっちじゃないですか」

社長曰く

「とにかく式にだけでも出てもらえないですか?

娘さんも息子さんも口には出さないけど
本当はご両親に出てほしいと思っているはずだし」

善行は、これはうちの問題だから。
社長さんには関係ない。失礼すると言って
去って行こうとした

社長は、「残念だな
融資の話もなしになりますけど

いいんですか?」

善行が戻ってきた。

金のために来たんかよ(純)

多恵子は大先にいった。
「人の貴重な時間を奪わないでくださいますか?
忙しいので」、といって帰ろうとした。

「そんなこと言わないでください先生。
最近私抜きで総支配人と話を頻繁にされていますね。」

「それは・・・・」

桐野は、別室でお互いの自己紹介をしてはどうかと
提案する。

そうだね、と社長。

おじい、いったいどうなるのか?
考えただけでも

怖い!!!

長いテーブルの奥に二人すわり、
両側にはそれぞれの家族が座っている。

重い空気が流れた。

そこへ那覇から正夫婦が来た。
「いやぁ~~遅れちゃって~~~」

相変わらず明るい。

さすがの正もただならぬ様子にたじろぐが。
「TPO的には言ってはどうかと思うけど
おれたち籍入れたから」という。

晴海はそうなの?
といい、
善行は勝手にせい!
という。

多恵子は「話を戻して要点を整理しましょう。」

という。

二人に向かって話し始めた。

「あなたたちは

将来の見通しもないまま
親への反発から

単なる激情的に結婚を決め
勝手に式をやろうとした。

でも、やっぱり親が出ないのは

世間的にまずいと思いここのホテルの
社長さんに頼んで
だまし討ちのように私たちを呼び出し
自分たちの結婚を認め

かつ・・・」

ドンとテーブルを叩く。

「祝福してもらおうとしている。

それでいいわね!!!」

「すげーーーーー弁護士みたい。」と剛。

「弁護士やから・・・。」と誠。

純は「流れ的にはあっていますが
気持ち的には」

「私の答えはこうよ。

あなたたちを祝福するつもりは

一切

ない!!

浦島太郎みたいにせいぜい今を楽しみなさい。
いずれ玉手箱を開いて
自分たちの下らぬ夢にきずくから。

あなたたちの未来は・・・

暗い・・・・・・。

いいえ

未来なんて

ないっ!!!

わかったら愛のために別れなさい!

あなたのためにこの子の将来を台無しにするき?
あなたはいずれここのホテルの社長になるとか
いいふらしているらしいけど

絶対無理、あなたはそんな器の人間では

ないっ!!!」

くそ~~~~
何か言い返さないと(純)

純と多恵子の一騎打ち。

「要点を整理しますと」

「はぁ?」

「私は愛君をあいしていますから

なにがあっても彼と分かれる気はありません。
愛君の一生を台無しにしたらお母さんより
わたしのほうがずっとつらいのでそんなこと
命を懸けてさせません。

このホテルの社長になれるかどうか
わかりませんが、理想と希望ぐらいは持ち
づづけたいと思います。
そんな権利はあると思います。
・・・と

いま決めました。

以上ですっ!!!」

そういって純は座った

愛も座った。

「何を一人でだらだらとしゃべってんねん。

今度は俺の番や、この男にちょっと
言いたいことがある。」

と善行がたった。

「今のおれの本性がわかるか?いうてみい。
おまえがうちで言うたことを訂正せい。

ほら訂正せい!!!」

「お父さん辞めて」

と純が言うと

善行はおまえはだまっとれといって
純を突き飛ばした。

純は倒れた。

愛は立ち上がって善行の所へ行った。

愛と善行の一騎打ち。

「この間いったはずです。

僕のことはどんなふうに行ってもいいですが
純さんを傷つけるのだけは許さないって。」

「なぐるんか?
親を殴るんか?(こういう時には親子というのは?)
やってみい!」

「いや、それは・・・」たじろぐ愛。

「お父さん辞めて」

「お前は黙っとれ」

「おい、お前はあれか?おしめさまを守る
おもちゃの兵隊になったきか?(お姫様を守る
王子様では?)
お前はこいつと一緒になるというが
こいつはどんな奴かわかっているのか?」

「・・・」
善行は純は人一倍思い込みが強くて
それゆえに人に迷惑をかけていくといった。
「自分の行動や言葉で自分を縛って行く。
自縄自縛や。それで苦しむんや。おまえは
そのことわかってんのか?」

愛は
「何があっても僕が純さんを守りますから」

というが

「仕事もない学歴もない、未来へのビジョンもない
人の顔も、ようみいひんお前に何ができるんや?

いうてみい!」善行は怒りにまかせて一気に言った。

その父の言葉に、純は動物園での一件を思い出した。

あの時の 怒ったお父さんと今怒っているお父さんが
一緒に見えた。

「いうてみい!!」

「おいしい料理をつくります。
疲れたときはマッサージもします。
愚痴があれば徹夜で聞きます。
リクエストがあれば踊ったり歌ったりします。
寒いときは太陽になります。
暑いときは扇風機になります。
あの、、あの・・・
最後のほう自分でもなにいってるのかわからなく
なりましたが一つ言えるのは

純さんの夢をかなえることが僕の夢です
それからいつかお父さんに認めてもらうことです
と、最後のは、たったいま決めました

以上です・・・。」
そういって愛は座った。

誠は

「あははは…」と笑って拍手をした。

マリアも拍手をした。

「不愉快や!
帰るぞ

剛、帰るぞ」

「え??」

善行が剛を追い立てると

剛は助けてよ誠ちゃん~~~と
誠のそばへいった。

「来るな、お前はしょんべんくさいんや」

「帰るわよ、誠!!」

と多恵子がいう。

「いうたやろ?

私は弁護士にならへんて!!!」

多恵子は誠を叩いた。

「いたい!!

何するのよ。」

善行は剛を誠から引き離そうと
すると
多恵子とぶつかった

「二度もなにするのよ」

「そっちやろが!!」

マリアは「生まれる~~~って
叫べば仲良くなるかな」というし

善行は多恵子に「人の息子に向かって
くさいとは何事や」というし

両家が合い乱れて
大騒動になった。

純は愛に聞いた。

「いま、どんなふうに見える?」

「はっきりいって怪獣大決戦みたいな」

そして

残った懸案事項について愛は言った。

「僕は純さんと呼びます。」純だと弟とかぶるという。
「じゃ、わたしは愛君ね。」

「それから指輪は高くて無理なので」
といって

あの宮古でひろったIとJのサンゴでペンダント
を作って渡した。
「全部愛君に決めてもらったね。」

というと

愛は、「純さんはもっと大きなことを決めてください。
これから僕たちが人生の岐路に立った時
どうするのか決めるのは純さんです。

僕はそれに従います。」

「・・・

わかった。」

純はペンダントを置いた愛の
手のひらに自分の手を置いて
誓うように言った。

おじい、このごろ思うけど
私たちダメな人間が地球とか
自然を目の前にして誇れものはなにかなって

それは一生愛し合っていくことじゃないかな。

純と愛は一大決意で
その夜区役所に婚姻届を出しに行った。

「これからは待田純として
幸せになりたいから・・・

いいわね?」

愛はうなずいた。
「もちろん」

純の胸にはIのペンダント。
愛の胸にはJのペンダントが・・

暗い役所のフロア。
ほのかに明るい
夜間受付の窓口で
係員さんがきたので
書類を提出すると

「御苦労さんです・・」

といって速やかに受け取って

速やかに窓口のガラス窓を閉めた。

「え?」
思ってたよりはあっさりしていたので
拍子抜けの二人。

そして引っ越し。

「あ!!!!」

荷物をほどいていると
急に愛が立ち上がった

「なに???

びっくりした・・・。」

「まだありました。決めなくてはいけないこと。」

「・・・?」

「新婚旅行はどうしましょう?」

「それは

当分

無理・・・」

「そうですよね。」

たなの上におかれた小さな写真は
二人の結婚式の写真。

「純さん、雪ってみたことあります?」

「・・?

ある・・」

といって二人は笑った。

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おめでとうございます。

やっと、こぎつけた小さなゴール。

大反対の中、よくぞ堂々と自分の意見を
いえました、偉い!!

この決意の固さがこれからの彼らには
必要なことです。

いろんなこと・・あるもの・・・。

ふつうに祝福されて結婚しても
苦労があるというのに。

親が勘当した二人にはどれほどの
苦労があるかと。

しかし、普通は結婚したら親に頼らない
はずですよね。

本来の結婚の在り方とも思います。

火種は様々です。
総支配人の動きがおかしい。
彼に多恵子が付いているのは。。なぜ?
善行と晴海の夫婦危機は?
サザンアイランドの命運は?

今回、誠ちゃんが多恵子に叩かれるシーンが
ありましたが、あれは本当にたたいたとのことです。

昨日の美鈴をたたく父親のシーンでは
あきらかにお芝居というのがわかりますが。

岡本玲さんは思いっきり叩いてくださいと
言ったとか。それですごい音がしました。

そのあと氷で冷やしたって。
女優さんですね。

短いですが・・今日はこれで。