病院の待合室。
緊張してふたりは待っていた。
「以前にも病院で見てもらったっていってたね
なんて言われたの?」
「統合失調症です。」
「なに?」
「幻覚や幻聴が起こる一種の精神疾患です。」
そういう病気があるのか・・・。
純は「そうだ、終わったら何かおいしいもの食べに行こう」
といいます。
愛は断りますが、だったら私が作るね、何がいいかな~
愛君は何が好き?と聞きます。
「いいです。」
と愛はいうが、どうしてもいえと純が言うので「リンゴとバナナ」
といいます。
純はあきれて「それは料理ではないわ、っていうか
あんた、まるで猿だわね」、といったので
愛は笑います。
純ははっとして愛の顔を見て自分は
なにをしているのだろうかと
疑問に思います。
愛君を笑顔にしてあげたいのに、なぜここにいるのだろうかと。
検査の結果を聞くため、愛は純も一緒にといいます。
知っててほしいからと。
先生は「健康面は大丈夫です。
統合失調症ですね。
お薬を出しますから病気はなおります。また来週きてください」
といいます。
愛は「それはドーパミンを抑制する薬ですね」といった。
医者は驚いてよく知っているねといった。
そんなもの飲んでも治らない、人の本性は
それでも見えるからと愛はいって
「ここにももう来ません。ありがとうございました。帰ります。」
愛は立ち上がって帰ろうとした。
医者は「だったら私の本性を見ることができるのか」
とききます。
愛は振り向いて、その医者の思っているトーンで言った。
「ああ、めんどうくせえ、どうせ統合失調症なんだから
薬もらってとっとと帰れよ。
お前の母親のコネがなかったら診察なんでできなかった
んだぞ。うちは有名で予約の取れにくい病院なんだ、、
なぁ坊主。。。。って。
あれ?
この病院、奥さんの実家の援助で建てたんですね、
だから受付の女性にちょっかいをかけたいけどできない。
・・・ああ、先生、犯罪すれすれのことをやっていますね・・
なんだったらそれ全部、ここででかい声
でばらしましょうか?」
「もう結構です、いい加減にしてください」
先生は部屋から逃げようとした。
愛は大声で言った。
「待ってください。これでわかったでしょ、
本性が見えるってことが。
だったら病気ではないと言えよ。
俺は病気ではないと言えよ!」
純はあわてて愛を止めた。
家に帰って愛はカーテンを閉めるとき
ガラス窓を見ていた。
純は「あれでは本当に病気だと思われるわ。
なんであんなことするの?」
と聞いた。愛は「あれが俺の本性だからですよ。」
いつもの愛ではない、愛はふてくされて座った。
「本当は母みたいに自分以外の人間を否定したり
父みたいに優しい顔して
平気で人をうらぎったりするし。
・・愛なんて迷惑な名前なんだよな。俺には愛なんてないし。
自分以外の人間は全部死ねばいいと思ったり。」
純は私の顔を見て、なにがみえる?と聞いた。
愛はいいんですかと聞いた。
愛は立ち上がって純を見て言った。
「顔がぶれまくっていてドレが本当の顔かわかりません。
ホテルでルールを守れとか言われてビビリまくって
そのへんのつまんないサラリーマンになっています。」
純はそれは職場では大事なことだしといいわけをするが
愛は反論をする。
「なぜそんなことをいうのですか、そういうの一番嫌いだったん
じゃないのですか。社長になりたいからホテルに入ったなんて
威勢のいいこといっておいて・・
そんなのでおじいの魔法の国なんかつくれるわけない
じゃないですか。無理に決まっているでしょ!!!」
純はその迫力に押されて、なによ私がこんなに心配して
いるのに。。と言うのが精一杯。
「あなたが心配しているのは自分のことだ。
本当は俺と付き合って後悔している。
恥ずかしいと思っているでしょ。俺を。
みっともないと思っているでしょ。俺を。」
純は愛をたたいた。
「あんたはやっぱりおかしいわよ、病気よ絶対!!」
愛は「じゃもう止めましょ。」
といって荷物を持ってでていこうとする。
「待ってよ・・・ね??」
「うれしかったんです
病気ではないし信じるって言われたとき。
本当にうれしかった。
自分でも病気かなと思っていたから・・・」
・・・・・・・・・
「あなたといたら自分が思ういやな人間
にならなくてすむと思ったから。
でもそんな考えは甘いって窓に映る自分に言われました。
いや、死んだ純かも・・。
でもそんなこといっても、もう信じないでしょ。
それじゃ、お元気で。」
愛は合鍵を置いた。
・・・・・・
純は何もいえなかった。
「ありがとうございました。」
純は呆然とした。
愛がおいていった絵本「ねむりひめ」。
それを開けてみていたら
「純さんといたら幸せだなっておもって・・」
と、愛のいった言葉を思い出した。
純は泣けて仕方なかった。
「何やってんだろう私
結局
私が北風じゃん!!!」
涙があふれた。
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来た~~~~~~~~ぁあああああ
一番いやなシーンの日が来た。
しかも、これが週末の放送で。続きは来週って
まっていなくてはならない。
しかし、よくしたことでその後の
”まだまにあう「純と愛」”では
総集編をやっててこれからの展開まで
やって・・・ちょっと安心した。さすがNHK!
愛のいってることは全部本当。
先生の心のなかも
純の普通のカップル像を求めていることも
愛を100%信じられなくなっていることも。
全部言い当てられて、不誠実な自分を指摘されて
反論できない。
夏菜さんの演技を見ていて、
確かに「君に届け」の主人公爽子の友人で
あやね役だったんだと思った。(思い出した)
あやねちゃんも純みたいに人に対してお世話を
するタイプ。やさしく励ますタイプだった。
だが化粧が濃くて派手目のヤンキーだったけど(笑)。
つまり姉御タイプの役だった。夏菜さんてそんな
タイプなのかな?
すくなくともあの目力はあまったれたお嬢ちゃんでは
ないみたい。
今回のストーリーではいままでの純の心の
矛盾を一気にトイレの水みたいに
ながしてしまう流れになっていると思った。
ここでリセットである。
愛のような特殊なひとを好きになって
しかも結婚まで考えるとはいちど
リセットして無になって、自分を見つめないと
本当の覚悟も出来ない。
愛はそれを行動に移したのであって
決して終わったわけではない。
二人が自分の心に真実を見出すまで
しばし時間がいるみたいでその間に
回りの状況も変わっていくらしい。
来週は「らぶすとーりー」。
愛がいなくなって純はどうなるのか
楽しみです。
