愛の家から帰りのバスの中
愛は一言も話さず、ねむりひめを
かかえたままだった。
「大丈夫?ごめんね」

「何で純さんがあやまるんですか」

バスを降りた二人。
「やっぱさ、だめだね、私が決めると
ろくなことがおきないっちゅーか・・・」

「・・・わかれましょ。
お試し期間は終了、契約は解除ってことで。」

そういって愛は去っていこうとした。

その後ろから純はおいかけて
「ちょっとなんでそうなるのよ」
といって愛を引き止めたが
愛はその手を振り払って逃げた。

純は追いかけたけど
逃げ足の速さは毎度のことで
しっかり逃げられてしまった。

ホテルでは純は仲のよさそうなカップルを見て
「いいなぁ~~みんなしあわせそうで・・」

と、落ち込む。

そんな時携帯が鳴った。

「まさか愛とか・・・なんだお兄ちゃんか。」

正は那覇でこれからお見合いと言う。
相手の女性の写真を見てきれいだったから
一度は会ってみようかな、という気持ちらしいが。

純はマリアさんの伝言を伝えた。
「もう連絡は出来ません。さよなら」と。

しかし、正は
なんでわざわざ純に電話を??

仕事中、水野が話しかけてきた。
「元気ないね。もしや、愛と別かれたとか」
水野は二人は合わないから分かれたほうが
いいと思っている。
「水野さんはなんのために生きているのですか?」
純は愛の今までの八年間をはなした。

きっと明日が来るのが怖くて
誰とも話も出来なくて
苦しんできたのでは、という。

その頃愛は、大阪の繁華街を歩いていた。
誰とも顔を合わせることもなく。
店のガラスに映った自分の顔を見ては
何かが見えるのか、怒ったり泣いたり笑ったり
していた。

ひとりでいるインターネットカフェ。
そこへ誠から電話があった。

「もう帰ってこないの?」という誠におかあさんの本性を
語った。愛を怒鳴っていたお母さんの顔は傷だらけで
ぼろぼろに疲れていた。辛そうに泣き叫んでいた。
「だからこれ以上苦しめたくなかったんだ。」
誠はじっと聞いていた。
そして、愛は「誠、おかあさんのこと、よろしくな」といって
電話を切った。

愛は身支度をしてインターネットカフェの滞在費の清算をした。

カフェを出て愛はさまよいながら、橋の上に来た。
川が流れている。
橋の欄干の上に乗った。目を瞑った。

「まさか死のうと思ってないよね」

純だった。

「なんで??」

かたっぱしからネットカフェを探したという。
ちょうど、探しているときに愛を見つけて
ストーカーをしていたらしい。

愛はじっと純を見た。
純は手を出して「つれてって」といった。

行き先は弟純のお墓。

愛を引っ張りながらお墓を探した。
愛が立ち止まった。
「ここ?」
「はい・・・」

「愛君言ったよね。何のために生きているのかわからないって。
それはきっと私と、二人で生きていくためだよ。
私はそう思う。ことに決めた。純君いいよねそう思っても
愛君はいきてていいよね。しあわせになっていいよね。
許してくれるよね。」

愛は泣いていた。

「ほら。。いいって!!」

「勝手に決めないで下さい。」

純は立ち上がった。
愛を見た。

「僕は・・・僕はあなたのことが好きです。
これから、これから僕はきっと
自分のことよりも、あなたを愛します。」

じっと見つめる純に愛は絵本の
「ねむりひめ」を渡した。
その本の中に王子様がお姫様にいうせりふがあって
其れをそのまま言ったそうだ。

それが愛の返事だった。

なんじゃそれ・・・(純)
純は愛を抱きしめて
よし、今度こそ行くぞ(純)
「目を閉じて・・・早く!」

こうして二人は三度目の正直で
初チューができました!!

純の部屋のベット上で
朝の光の中ふたりは守りあうように
寄り添って寝ていました・・・とさ。

おじい、大丈夫。負けないよ。
邪魔するやつはどこからでも
かかってこいって
かんじ!!(純)

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今日が土曜日で有働とイノッチの感想を
聞くことが出来なくて残念。

以前、純がこんな感じで、橋の欄干の上に座って
自殺をほのめかしたことがあったけど
それをじっとみていたのが愛。

今度は純がストーカーをして
愛を救ったってことは、二人がこれから
どんなことにも苦しみながらも
守りあっていくという暗示か、って

思いますね。

とりあえず、よかったよかった。