上司と桐野に怒られているとき
純は「だったらこんなホテル辞めます」と
叫んだがその自殺的な言葉をかきけすかの
ようにお皿が割れる音がした。
その方向を見るとひとりの青年が割ったらしい。
青年をみて純は驚いた
「あんたなぜここにいるの??」
あのストーカーのような男だった。
桐野は純の手を引いてでていった
「犬は主人を選べないのよ。
ここで働くならここのルールに従うべきよ。
お客さんではないのよ、お客様よ
ルールは守りましょうね
自分が一番正しいと思っているのは
成長をやめたことになるのよ。」
そういわれて
純は呆然とした
ロッカー室で
同僚の千佳ちゃんに
「おかしいよね」と
いうが
千佳ちゃんは
「ええ加減にしてよ
迷惑なのよ」
と、怒鳴った
「あんたのおかげで帰るのが遅くなったのよ
かんべんしてよ。」
と、切れた。
そして取ってつけたように笑顔で
お疲れ様といって千佳ちゃんは帰って行った
朝、自宅に帰りながら子供のころを思い出した。
うまれつき、頼まれるといやと言えず
そのきになって
損ばかりして・・・
ホテルつぎたいと大学に行ったのに
お父さんからどうせ嫁に行くんやし
と、拒否されるし
おじい・・・・と
祖父の思い出にひたっていた。
自宅に帰っても
寝ることもできず
電話で起こされた
母だった。
「純どうしよう
剛が家出をするっていうのよ
予備校にもいってなくてね
大学に行かないって
どうしよう純・・・」
「おかあちゃんは剛に甘いのよ」
純に薄情だといいながら
電話を切った母。
剛は家を出ていく
腹がたって眠れない~~~
過去の思い出に浸る純だった
優しい祖父がいつもいた。
「純、おまえはずっとそのままでいいからな。」
おじいはそう言っていた。
え???
どこかで聞いたぞ
あ、
あの男だ!!!
「あなたはそのままでいてください、じゅじゅんさん」
純はホテルの厨房に行った
仕事が終わったらしく
青年が出てきた
「ちょっと!!!」
青年は驚いた
人が来ない大きな会場みたいな
ところに行った。
ドアを閉めて純は言った。
「あのさ
一応お礼を言おうとおもってね
こんなホテル辞めてやるといおうとしたら
あんたが都合よく皿を割ってくれて
なまえ聞いてなかったけど・・。」
青年は純に近づいた。
制服の名前のプレートが見えた。
待田愛とある。
「まちだあい?男なのにめずらしいね」
「愛とかいていとしとよみます
あいちゃんとよばれますが。」
「ここで働いていたんだ。」
「いいえ
あなたがここで働くというので。」
「え?
私に会いに?」
純はぞっとした
「いえ、ストーカーではなくて
やはりあなたしかいなくて・・」
そして純の顔を見て
「やっぱり大丈夫だ。」
といった。
「あの、
人の本性がわかるといってたけど
それわかるように説明して。」
「人の顔を見ると裏の顔が見えるんです」
「それで、この間のおばあの正体もわかったってわけ?」
「信じる信じないは自由です。
できるだけ人の顔を見ないようにしています」
「それで下を向いてあるいているのね」
「はい。」
「・・・」
「でもあなたはそんなよけいなものがみえないのです。
いまみているそのままでいてほしくて
こんなのはじめてです。
どうかそのままでいてください。」
「あの
いとしくんだっけ
私は運命は自分で選ぶものと思っているから」
純は話についていけれず
だめだめ~~~~
おじい~~やっぱりだめ~~~
純は逃げ出した。
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謎に満ちた男です。
ルールがいくらおかしくても
守らないといけないということは
純にとってつらいことでもあり
納得できないことでもあります。
しかし、大きなホテルになればなるほど
従業員も多くてルールを作ってそれを守らないと
大きな集団は整然としないのでしょう。
この辺の主人公の未熟さと怖いもの知らずさ
がいいなぁ~~と思います。
