純と愛3
自宅で
どんよりしている純。
「奇跡が起こらないかな
連絡は今日までか。」
と、携帯をじっとみている純。
就職の内定がでる最終日だ。
そこへかかってきたのは
母からだった
「面接の結果はどうだった?」
「心配しないで」
「やっぱり、落ちたのね」
「だれや?純だったらおちても
うちでは雇わないからな」
そういわれて純はだれが
おとうちゃんのホテルなんか
といったとたん電話が切れた。
どんよりとしている純は
おおさきプラザホテルの前に来て
見上げていた。
「そうだ、くやしいからここに泊まってやろう」と
思った。
従業員の様子をみながら
フロントの様子とか
ベルボーイの働き具合とか
いちいちみていた。
部屋に案内されたら
寒いときは?
スリッパは?
とわざわざ聞いた。
聞かないとボーイは
言わない。
聞く前に言えよな・・・
バスタブせまいな~~~
うそ、ルームサービスは夜の12時で終わりかよ
携帯は黙ったままだった・・・
ホテル内を見学した。
案内表示もわかりにくいし
・・
気になるのは面接の連絡だけだった。
エレベータを降りて廊下にいくと
向うの端の部屋からいつぞやの青年が
出てきた。
「あいつだ。」
と隠れようとしたら
携帯が鳴った
ああああ、とあわてて携帯をだすと
落としてしまった。
その騒動で青年にばれてしまった。
しかも 鳴ったのは・・・
「すみません、鳴ったのは
僕の携帯です・・・。」
唖然とする純・・・
「あんたここに泊まっているの?」
「はい、あなたに会うために・・」
「・・・・?」
「でもお金がなくなってチェックアウトしようとしたら
あなたにあえてよかった~~~。」
「ストーカーだ。都会は怖いよ~~~」
純はホテル内をにげまくった
すると
おばあさんが階段でよろよろしていたので
おぶって結婚式場までつれていった。
おおきにといわれたが
あの青年がおばあさんのうでをつかんだ
「返してください」
「え?」
「財布返してください」
「あんた、なにをいっているの?」
「財布を確認してください」
純がカバンの中を見ると
「財布がない・・・」
おばあさんは青年を突き飛ばして
素早く走って逃げたが
追いかけた純は階段からおちる
「最悪、
内定は来ないし
騙されるし
あしをくじくし
あああ!!もう=======(怒)」
「動かないでください。」
あの青年が手当てをしてくれた。
おじいを思い出した。
「これで大丈夫ですか?」
「う、うんありがとう」
青年は純のとなりにすわった。
純は、
「あのさ・・・」と尋ねた。
「はい」
「なんでさっきの人がすりだと分かったの?」
・・・・・
「見えるんです」
「はい??みえる??なにが??」
「その人の本性みたいなものが・・・」
「?」
「さっきのおばあさん、あなたにおんぶされているとき
めがつりあがって下品な顔をしていたので
若いときうらぎられたりひどいめにあってきたみたいで。」
純は不思議そうな顔をした、そんなのが
わかるのかいな?
すると
純の携帯が鳴った
おおさき・・人事部・・
純はあわてて携帯に出た。
「はい!!!
・・・・・え??
本当ですか!
このホテルで働かせてもらえるのですか。
狩野純死ぬきで頑張ります」
「じゅ・・んっていうんだ・・」青年はつぶやいた
純は大喜びだった。
奇跡がおきたぁ~~~~~~~
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大喜びの純とちがって青年は
純という名前に反応していた。
ますます謎です。
おばあさんの腕をつかんで
「返してください。」
といった風間君のセリフ。
毅然としてかっこよかった。
一瞬、王子様に見えたわ。
