第16話 コンクールまであと○日
審議委員会にチェ新市長がカンマエの解雇を
提案したという。
チェ新市長にあいにきた
カンマエとカン前市長。
みんないまどきは新しい市長に
ごまをすりにお土産を持って
やってきますから
忙しいんですね。
と、カン前市長。
それにしても待たされているカンマエだった。
そこに
前の客と一緒にチェ新市長があらわれた。
「では先生、例の件よろしく
おねがいします」
そういって客は帰った。
もう昼時か、食事にでも行こうか
と新市長がいったものだから
カン前市長は待ってください
われわれはここでずっと待っていました。
カンマエは
約束は11時半だった。30分も待たせた上に
たいした用事でもなさそうだ・・・
といった
チェ新市長は
あなたを解任するという
議案が出ていますよ
といった
解任?先生を?
カン前市長は愕いた
勝手に私の市響をどうするきだ?
といった。
審議委員会が決めることです。
私は市長が勝手に首に出来る
人間ではありません
チェ新市長は
側近に聞いた
おい、あの末端公務員は
なにものだ?
そしてカンマエに向かって
就任式で演奏でもして
首をつなぐんだな
といった
カンマエは笑いながら帰ろうとした
カン前市長は
先生、何か反論をされたらどうですか?
反論?反論とは人間にしか通じませんよ
あ、そうですね
解任案など必要ないと伝えてください
私から止めます
人間に私から伝えておきます
カンマエが去った後
カン前市長はチェ新市長に
むかっていった
聞いたか?
チェ新市長は不機嫌な顔をした
カンマエは指揮者室で
パク先輩に辞任の話をした
市長にこれを届けてくれと
書類を渡したが
パク先輩は動かない
何だ?
ご存知ですか?
市響の給料が遅れています
先生は明言されました
時間外手当まできっちりと
支給すると
金の問題は私がなんとかしよう
片付きしだい辞任する
先生が辞めたら市響は解散です
そうだ、わたしあっての市響だ
かっこいいですね
自分だけですがね
そういってパク先輩は礼をして去って
いった。
市響のメンバーは解散したら
また仕事を探さなければいけない。
ヒョン夫人は夫の後をつけていた。
浮気の相手を確認するためだ
しかし、どうもうまくいかない
近くの店でパンを買って
食べようと思ったが
100ウォン足りなかった
パンは既に破られて
一口食べていた
後のお金は会費用だし
困ったわ~~
すると見知らぬ1人の年老いた足の悪い女性が
100ウォンを払ってくれた
ありがとう
といってパンを食べながら
店の外に出た
後からその女性がでてきて
歩いていいく
荷物を持つわといって
しばらく一緒に歩きながら
話をした
あそこに主人がいますので
ここで、ありがとう
そういって
女性はさっていった
池のそばで
寝ていた男性はまさしく
ヒョン夫人の夫だった
浮気のあいては
年も若くない
ふけた感じの
足の悪い女性だった
ヒョン夫人はショックだった。
マウス楽団の練習。
気が沈んでいるヒョン夫人に
ゴヌは
叔母さんしっかりしてといった
ヨンギさん、80小節でしっかりタンギング
してください
もう三回目だよ
ヒョン夫人は携帯を触っていた
頭を使わないと練習しても無駄だ
「あなた今どこにいるの?」と夫人は
メールを打った
ジュヒさんそれはエレキバイオリンか?
ここはクラブではないですよ
そこまでいわなくても
腰を振って踊りたいのですか?
こいつ・・・
ヨンギが立ち上がった
口が悪いぞ
「いつまで俺がひっぱらないと
いけないんだ?
ラメ入りの服を着て
二人でキャバレーにいけばいんだ」
「またキャバレーか
いいかげんにしろ」
「囲碁を打っている」
と、ヒョン夫人にご主人から返信が。
「ま、いい。
今日はお前に免じて我慢してやる
10分休憩しよう」
「休んでいる場合ではない
さっさと座れ。」
「いい気に成りやがってこのやろう」
ヨンギはゴヌにくってかかった
「いつも俺ばかりにおしつけて
ばかりではないか」
「はなせ、今度こそ言わせてもらう」
そこでヒョン夫人が泣き出した
雰囲気がますますわるくなり
休憩に入った
練習場の外で
ヒョン夫人はルミに話をしていた
ご主人の浮気を泣きながら
話していた
しかし
ルミは学校へ行くことにした
ヨンギはゴヌを見て
吐くのはがまんしてやるといった
ルミはゴヌにいった
学校へ行くわ
ああ、
こんなこというと
喜ぶかどうか・・・
あなたカンマエみたい
サンキュー、ほめ言葉だろ
それもいやな面ばかり似ている
あなたが天才かどうかわからないけど
私はあなたの人をひきつけるところが
好きだった
みんなをまとめようと目標を決めて
説明してくれだでしょ
いまはなぜ?
強くなれといわれた
それに
このチャンスをのがたしたら
先はない
ルミの学校。
作曲の講義で
バッハの平均律クラヴィーア
を主旋律に、即興で対旋律の
曲を乗せていく
練習があった
先生は、ルミをさして
やってみてといった
ルミは伴奏のイメージを膨らませて
カンマエとの思い出を
ピアノで弾いた。
先生は、まあまあだね
といいながら
キミの彼氏は、いじわるだねと
いった
ルミは、はっとした
席に戻ったルミは携帯をみた
パク先輩からで
「カンマエが辞任するそうだ」とあった。
ルミは驚いて指揮者室を訪ねた
「何のようだ?」
「辞任するそうですね。」
「決まったら挨拶のメールを送る。」
「先生のアドレスは消去しました。」
「恥ずかしくないですか?
それにもともと利己的だし」
「チェ市長の頭には芸術はない。」
「音楽が政治に勝てるわけがない。」
「いいわけです
その自覚はありますか?」
「勝ち目のない戦をしろと
いうのか
満身創痍の私を見たいのか。」
「いいえ」
「では?」
「でも逃げる姿はもっと見たくない。
ご自分で選んで作った市響を
捨てて逃げるのですか?
無責任です。
そうはいっても満身創痍になった
先生を見たくないし
最後まで堂々としてほしい
私が好きだった先生は
そうでした。」
ルミは礼をして去って行った
カンマエは翌日チェ市長を訪ねた
市長は、就任式で演奏をしてくれたら
予算を立てましょう。給料も払いましょう。
今まで受けたことのない
最高の待遇を約束します
私の側近になってほしいです
お互い協力しあいましょう
「マイウエイ」いい曲ですね。
チェ市長が好きな曲だった
市長は演奏してくれるものと
思って喜んだ
練習室で
カンマエは団員にいった
来週の就任式で演奏をします
2曲のうち1曲は
マイウエイ
市長の愛唱歌だ
それと愛国歌
それから・・・・・
先生どういうことですか?
新しい市響に
生まれ変わるということです
そういって練習室をさっていった
どういうことだ?
あまたでもぶつけたかしら?
パク先輩はカンマエを追いかけた
先生俺が言いたかったのは
公演のことではなく
ここにいる限り就任式には公演する
では、止めてください
おもいきり泥をかぶってやる。
パク先輩は唖然とした・・・・
その話はゴヌたちにも届いた
就任式で公演すると。
1曲がマイウエイだ
ええ??
直前になってできないって
いうのでは?
先生も人間だ。
やって悪い分けないさ
保身になることもある
とゴヌは言った
ついにカンマエまでけなすのか?
先生だって保身に走る、嫉妬もする
そういってゴヌはペンを捨てて
でていった
パク先輩の家では
お金に困っていた
来週までに家のお金を払わないと
追い出すといわれた
そこにパク先輩が帰ってきた
奥様は寝たふりをした
ゴヌはカンマエの話をパク先輩に
聞いた
人が変えあったみたいになった
とにかく練習はしないという
なぜだかわからないそうだ
ゴヌも愕いた
食事後カンマエは市長と握手
をしてさっていった
車で着たので送ります
就任式の公演は?
練習もしてないとか?
どけ。
先生にはがっかりです
俺は生意気かもしれませんが
遠くから見守ろうと思った
傷だらけに成れといわれた
苦渋の決断だ
だったら断ってください
おまえはこどもだ
そういって去っていった
カンマエは実直で頑固で
音楽一筋の音楽家と思っていた
ヨンギやルミたちは
どうしたことかと
話をした
さて
市長の就任式がやってきた
前市長はさんざんいやみをいって
席に着いた
ところが
演奏するにも
楽譜もない
練習もしてない
どうなるのかわからない
係長は愕いて
カンマエを探した。
カンマエはルミの言葉を
思い出していた
先生が逃げる姿は見たくない
でも
満身創痍も見たくない
堂々としていてほしい
そこに宅急便が来た
中身は
ゴヌたちの寄せ書きだった
市長と握手をしたら手に噛み付きます
ヨンギ
先生素敵アイラブユー~~
もっと素敵でいてください~~ジュヒ
私は学校で番長だったのよ
市長に頭を下げたら
子分をつれて乱入するわよ
ハ・イドウン
最近気分も憂鬱だし
お酒でも飲んで酔っ払って押しかけましょうか?
ヒョン
市長に屈したらトーベンを見てあげません
獣医
私は先生の決断を信じます
ルミ
*******
そこに係長が来た
団員が楽譜がないとか
これを配ってください
はい、わかりました
早く準備してください
楽団に楽譜を配ると
みんな
あっけにとられた
それは
4・33
という曲??・・・
みんなにっと笑った
これは4分33秒という
演奏の時間がテーマになっている
ジョンケージが作曲した。
第4楽章まである
さて・・・
市長の就任演説が終わった。
そして
公演が始まった
ゴヌは会場に入った
マウス楽団の団員たちは
テレビを見ていた
チェ市長は就任式の
公演の曲目を聞いた
側近は、ジョン・ケージの
4.33です。
第4楽章まであってきわめて
哲学的な曲だとか
といった
カン前市長と
係長は生きた心地がしなかった
チェ市長はごきげんだった。
カンマエが現れた
カンマエは譜面台に譜面を置き
時計も置いた
そして
指揮棒を振り下ろして
そのまま
止まった
あれ?
ヨンギは愕いた
みんな何事と思っていた
市長はなんだあれは?
と聞いた
側近はあるいて
ステージにいき
先生と声をかけると
しっ、といわれた
チェ市長もステージに上ると
カンマエを見た
やがて
カンマエは指揮棒をおろした
第1楽章が終わりました
というと
チェ市長は
え??ええ・・
と、わけのわからない顔をした
4分33秒
じっとして会場内の音を音楽として感じるというのが
この楽曲の特徴です
皆さんもそうですよ
せきをしようと携帯に出ようと
その音が音楽です
それを楽しめばいいのです
第一楽章の間何を感じましたか?
不安?嫉妬それとも醜い利己心?
それこそあなたの音楽であり本性です。
マイウエイもこの調子でしましょうか?
チェ市長はかんかんに怒っていた
やじや怒号がとんだ
それも音楽である
カンマエは第二楽章といって指揮棒をふって止めて
そのまま動かなかった
なるほどそうきたか
ヨンギや団員たちは喜んだ
先生が傷だらけになったら今の言葉を
こうかいするかもしれない
それでも堂々としてほしい
ルミの言葉がカンマエの心に
響いた
ルミは
満身創痍になれというのか
涙が出た
練習の時間になった
倉庫にいたルミにゴヌはいった
死ぬほど心配させて
昨日も会いに行って
腹を割って話をしたのに
何も教えてくれなかった
今度は何を言われたの?
子供だって
そりゃ、そうでしょ
昨日はわけがわからなかったけど
今日の公演を見て納得した
・・・はぁ~~
早く年を取りたい・・・
つぶやくようにいった
練習は厳しく、一時を回っていた
ゴヌはヨンギにいった
「先輩この間はごめん。もう
怒らないから」
「いきなり誤られたら俺は・・降参してしまう」
「仲直りだ」
みんな笑顔になった
先輩にまかせるよ、練習やめる?
それとも続ける?
みんな疲れているからな・・・
ってちょっと待て
どこがいけないんだ・
333小節からは諦めるしかないって
思っている
118小節も・・
それにレターGのところも
落ちるのか?
獣医が聞いた
ゴヌは・・・
答えられなかった
そしてルミに
(早く突っ込めよ)と
サインを送った
ルミはそれに気がついて
どこくらい時間があれば
マスターできるの?
と聞いた
一時間半・・・
あ、そうだここも・・・
おい・・ヨンギが立ち上がった
だったら二時間
出なければ三時間・・
いいですか?
するとイドウンが
もちろんよ
最後のチャンスだし
合格圏に入るにはね
二日間練習時間を前後
一時間づつ増やして・・・
二時間でもいいよ
オッケー??いいよね??(イドウン)
最後なんだし(獣医)
最後だし
徹夜だ
そうだ、みんなでオールナイトだ
ゴヌは
ありがとう
では
88小節から死ぬ覚悟でやりましょう
イエッサー!!!
遅くまで練習の音が響いた
公演の当日となった
ヒョン夫人は知り合いの奥様から
夫の浮気の相手は碁会所の受付の
人だとわかった
夫人はその話を夫にした
獣医はバスを借りて
楽器もメンバーも乗せていく
ことした
メンバーが集まり始めた
ヨンギとイドウンはガビョンさんの家に
いっていた
ガビョンさんの息子さんが帰ってきていた
ガビョンさんは家にいない
もしかしてオーボエがうまくふけなくて
飛び出しのかもと
いった
イドウンは探しに飛び出した
息子さん夫婦と4人で探しはじめた
息子さんたちは交番に届けに行った
どこに行くのか???
早く来いというゴヌの
電話に
探し事が大事と
電話を切った
ヒョン夫人は
なぜあの人と浮気をしたのかと
聞いた
会社を辞めて虚勢を張っていたけど
死にたいほどつらかった
そんな時話を聞いてくれたのが
あの人だったという
なぜ私ではないの?
俺に興味ないだろう・
そんな妻がいるわけないでしょ
私がチェロを始めたのもあなたに
みてもらいたかったからよ
私もあなたと話がしたかった
ヒョン夫人にもゴヌの携帯がなっていた
なぜ電話に出ないのかな??
カンマエは公演の用意をしていた
係長は先生を首にする話を会議でしていると
いった
早く首にしてほしいね。泥まみれにならないうちに。
ところでゴヌは?
まだですが
出番まで後40分です。
カンマエは不安になった
しかしですよ
本番だというのに
浮気の話なんか終わってからしてほしいですね
ガビョンさんのことも
終わってからにしてほしいですね
みんなに迷惑をかけることなど
なぜ頭にないのでしょうかね???
仲直りしたヒョン夫人は
愕いて立ち上がった
早く急いで・・・
代役を立てて
お前たちだけでも生き延びろ
カンマエはアドバイスをした
見捨てるわけには行かない
早く行かないと
指揮者として決断して
待つのか
それとも
置いていくか
ゴヌは悩んだ
今までのつらい練習は
なんのため
でも仲間がいたから
ここまでこれた
ルミは心配そうに見ていた
見捨てられない
一緒に行く
それでいい
場所はどこ?
おばさんは途中で
落ち合うって
バスは叔母さんを拾った
イドウンとヨンギさんが
問題だった
あと
36分
駅で二人はガビョンさんを探していた
すると
オーボエの音がした
雑踏の中の片隅で
ガビョンさんは
オーボエを吹いていた
あのときのように
1人で吹いていた
イドウンは涙が出た
ガビョンさんは
二人に気がついたが
演奏を続けた
イドウンとヨンギは
ゴヌたちとおちあった。
あと15分
しかし大渋滞で
バスが動かない
では
降りて
走りましょう
とゴヌがいった
果たして間に合うか?
楽器を持って走るメンバー
やり方は違うが
彼らは帰れらのやり方がある
カンマエはそういった
お互いが助け合いながら
手をとって
走った。
やがて
会場に着いたが・・・・・。
第16話終わり
