その夜、キスの後をゆびでなぞっていたジョンウォンに携帯がなった。
ちゃんと帰った?
ヒウォンだった。
帰ったわ。
来週の水曜日、パーティをやろう。
水曜日?
その日は・・・ウンギュの大会の日だ。
俺たちの再出発の日だ。
8時に来い、絶対だぞ。
そういって携帯をきった。
ふとあのお気に入りのベースが売り切れたのを見た。
それぞれに時間はたっていく。
ウンギュは練習に、ジョンウォンは悩み、ヒウォンは立ち直りたいと思っていた。
そして、ウンギュの屋上には言葉の看板がぶら下がった。
「明日来るよね」
ウンギュからジョンウォンへだった。
ジョンウォンは悩んだ。
大会の日。
ドレミファソラシド
とバンド名を呼ばれてウンギュたちは舞台に立った。
シン・ウンギュ作詞作曲「待つ時間」
どうぞ!!!
大きな声援とともに舞台に立った。
「♪そっと目を閉じると ゆっくり浮かんでくる
あれほど忘れたかった
君にささげた僕の歌
ウンギュはそっと会場を見てジョンウォンを探した。
♪覚えているだろ
♪二人で過ごした
♪あの幸せな時間を
ジョンウォンの姿が見えた。
ウンギュはうれしくなった。
♪待つことしかできない僕
♪何も言うことができない僕
ジョンウォンは涙で聞いていた
♪君を見つめるだけで涙がこみ上げてくる
♪愛さずにはいられない
♪忘れるより痛みにたえるほうが
♪ずっとたやすいのに、もう戻ってはくれないの?
ジョンウォンはペンダントをはずした。
そして会場を去った・・。
ウンギュは彼女の姿を探したがいなかった
♪何も言わずに君を見送るしかなかった
ウンギュに不安が横切る
彼女は去ったのか?
♪あの場所で再び僕はたちすくむ
ヒウォンの部屋のドアを開けた。
遅かったな。
テーブルにケーキが載っていた。
ヒウォンあんたが好きよ
でも・・・
何も言うな
ウンギュの記憶なら俺が消してやる
ヒウォン!
再出発の日だ。ローソクにあかりを
♪再びめぐってきたけれど
♪待つことしかできない僕
♪何も言うことができない僕
♪君を見つめるだけで涙がこみ上げてくる
屋上に書かれたジョンウォンのメッセージ「ごめん」
♪愛さすにはいられない
寂しく見るウンギュ
♪忘れるより痛みに耐えるほうが
♪ずっとたやすいのに
♪もう戻ってはくれないの?
・・・・・・・・
学校でジョンウォンはやけになって明るく振舞う
ナリがやってきた。
「先輩を振ったの?」
それがどうした?
あきれた。賞金で海へ行くってはしゃいでいたのに
あんたと行けばいい
二度と先輩に近づかないで
ナリは去っていった
ヒウォンのお母さんを見舞った帰りのこと。
彼は自分の前では笑わないジョンウォンをおかしく思った
ウンギュはラストライブをするという。
プロになる道が開けたのだ。
ジョンウォンは知らなかった。
今でもあいつが好きだという。3年間俺を支えてくれた。
仲直りしたい、でもお前だけは絶対に渡さない
一緒にウンギュに会おう
ドレミバンドのためにもう一度引きたい
二人でウンギュの家を訪ねた。
空回りの会話だった。
友情と恋の板ばさみ。
去っていったのはなぜ?
しかもヒウォンの元などへ。
ウンギュは悲しかった。
彼女はそれで幸せなんだろうか?
ウンギュの部屋に入ったヒウォンはウンギュに声をかける。
ウンギュはたったまま窓の外を見ていた。
ジョンウォンも一緒だ。
それを聞いてふと振り向く、が
ジョンウォンをまっすぐ見れない。彼女もウンギュを見れない。
ヒウォンは「食ってないのか?ピザを買ってきて正解だったな。」
という。
コップがないのに気がつきとりに下りていく。
ウンギュはジョンウォンを見て
「ハッピーか?」
と聞く。
ジョンウォンは話そうとしたが「吹っ切り方を考えていた」という。
寂しそうな姿だった。
なんとかして
君を忘れたいけど
難しいな。
ごめん。でもヒウォンのそばにいてあげないと
君は僕なしでも平気?
ジョンウォンは首を振る。
「でも・・・」
「なにもいうな。ライブくるよな。来いよ。絶対に。」
ヒウォンが戻ってきたので話は途切れた。
ウンギュは荷物をヒウォンに渡す
これは?
あけてみろ
それはあの日ヒウォンがほしがっていたベースギターだった。
あのソルドアウトはウンギュだった。
練習に行こう!
プロデビューするんだってな。
ああ・・
レコーディングはいつだ?
ライブの後でも・・
そんな会話をしていた。
さて
ドレミファソラシドバンドのラストライブ。
大勢のファンが駆けつけた。
舞台のまん前にジョンウォンがいた。
「今日はみんなを泣かせよう」
ウンギュが言うと会場は盛り上がった。
♪夏の終わりの夜
♪思い出作りのたびで
Go!!
ウンギュはジョンウォンとの思い出をたどりながら歌った。
♪何も言わずに君を見送るしかなかった
♪あの場所で僕は立ちすくむ
♪少しずつ遠ざかっていく君を見つめながら涙が出た
♪こうして冷たい季節が再びめぐってきたけど
♪待つことしかできない僕
♪君を見つめるだけで涙がこみ上げてくる
♪愛さずにいられない
♪戻ってはくれないの?
♪君がいるだけで晴れやかな気分になる
♪My love
♪いつもそばに・・
♪どんなことでも I do
♪だけど絶対離しはしない。
♪いつでもそばにいるよ
楽しんでいるかい?
次の曲が最後になります。
♪僕の大切な猫がどこかに行ってしまった
泣きながら探したよ
記憶は薄れ選択のときが迫る
お願い帰ってきて、涙を拭いて僕を見て
君の帰りを待っている
話したいことがたくさんあるんだ
記憶を手繰り寄せて僕を思い出して
一度でいいから
君だけを愛している
これからもずっと
だから今僕に声をかけて
君と海に行きたかった
君との約束を守りたかった
君だけを守ると神様に誓ったのに
ドレ・・・・・
ウンギュは気持ちがいっぱいになった。
歌えなくなって後ろを見た。
泣きそうになってすみませんといった
声が・・声がでない
泣きながらウンギュは涙を拭いてギターを置いた
そして舞台を降りて
ジョンウォンのところに行った
ジョンウォン・・・
返事して
でないと話せない
はい・・・
小さな声だった
ウンギュは抱きしめるようにジョンウォンに近づいていった
好きになって・・・
・・・ごめん
もう恋なんかするのはよそうーーーとジョンウォンがいった。
ウンギュはペンダントをはずして
「ジョンウォンと君が持つウンギュが離れ離れにならないよう
一緒にいられるように持っていて。海にも行けよ。
ウンギュが一緒に行きたがっていたから・・」
ジョンウォンはそれを手のひらに握り締めた
ウンギュは去っていく。
ついていこうとしたジョウォンをヒウォンが引き止めた
お願いいかせて
だめだ
バンドのメンバーも一緒にいかせてあげてというが
何も知らないくせにと、ヒウォンはいった。
こいつを失ったら・・・・・・・
また笑わせてくれるといったじゃないか
そばにいてくれるんだろ?
それでもウンギュを追いかけようとするジョンウォンを
ヒウォンはとめた。
行くな
俺が立ち直ったらお前を行かせてやる
約束する・・
ジョンウォンは泣き崩れてしまった
こんな悲しい別れがあるのだろうか。
続く~~♪
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ラストライブでジョンウォンの前で歌った歌は全部ウンギュの
気持ち。
「君の帰りを待っている
話したいことがたくさんあるんだ
記憶を手繰り寄せて僕を思い出して・・」
ついにつらくなって歌えなくなったウンギュ。
それをどんな気持ちで聞いていたのかヒウォンとジョンウオン。
会場を去るウンギュ。
こんなことになるなんて、「もう・・恋を・・するのはよそう」
ジョンウォンにとってつらい思いしかないのでしょうか。
