宮殿広場の外の様子を見にたったギルドンの耳にイノクの声が聞こえました。
アイラブユー
と。
イノクか?
ギルドンは不思議に思いました
あれはイノクだ
何をしているのだろう?
そっちへいこうとしたら門番がでてはなりません
という
ちょっと外へ出なければならない
王様の命令です。儀式の間はだれも外へ出してはならぬと
ギルドンは考えました
何か可笑しい
イノクは
放しなさい!!
お前は何言ってるのだ
こいつめ!!
すると向こうから女官たちのグループがやってきました
役人は、王妃様だ!!
といってイノクの頭を下げさせました
その時女官が 王妃さま、カバンを忘れてきました・・・といったのが聞こえました
王妃様は
私達は時間が無いの、急がなくては
といいました
イノクは
彼の女たちはどこへ急いでいくのかしら
と、思いました
コ内大臣は王様に
王妃さまは宮殿の外へ出られました
と報告しました
世も出ていくぞ
われわれが用意したとおりだ。誰にも気づかれずに行くぞ
はい、王様
イノクは頭を下げている間に役人が油断したので、おもいっきり蹴り上げて、倒していきました
どんな役人でも蹴り上げて、叩きつけて進みました
スグンは、イノクがここにいるって?
と驚きましたが。ありえない~~~といいます。
俺もそれはイノクだと思う。
彼女は特別な合図で私を呼んだ
とにかく彼女がここにいるのは事実だ。しかし、何かが起こるということだ
俺は外へ行く、そして彼女を探す。お前はあたりを注意しろ
俺たちはヨンシのセットした爆弾が爆発したら計画通りに戦う
イニョンたち官軍は火矢の用意をしました
反乱者たちはたぶん爆弾を用意しているはずだ・・やつらが爆死する時にばらばらに叩きつけられるかもしれない
ヨンシたちは行動はじめます
役人達をなぐったり蹴ったりして倒しました
半分爆弾を持って南の門でばくはつさせて俺たちの軍隊を迎えるのだ、そしてもう半分の爆弾は宮殿で使う
急げ
剣の舞にご満悦な王様、行動開始したヨンシたち。いまだに逃げているイノク。
やっとの思いで、役人を振り切ったのですが。
ギルドンに警告をしなければなりません。
その彼はイノクを探しています
どこに隠れたんだろうイノクは??
どこもかも油だらけだわ
何故???
王妃さまらしき人たちが逃げていたわ。なにかあるのかしら
ギルドンを見つけなくては
逃げていて、手を引っ張った男がギルドンでした。
ギルドン!!
本当にイノクか。何をしているのだ?
王様は皆知っているのよ
彼は反乱軍が今日ここに来るのを知っているわ
なんだって?
これみて・・・・
宮殿中油だらけよ
彼はなにもしなかったが・・・
私は王妃さま達やおめかけさんたちが急いで宮殿から逃げ出しているのを見たわ
大変な事が起るようだわ
どう思う?王様は何をする気かしら
やつは俺たちを宮殿に閉じ込めて焼き殺すつもりだ
王様の椅子の隣に屏風が並べられました。
王様を隠すようです。
スグン:あれはなんだ?
マルニョ:王様のトイレね
ええ??
王様はどこでもトイレを持って行くことが出来るのか?
用意して。もうすぐよ
まもなく出てくれることを願うね
だってきまりがわるじゃないか、反乱が始まった時王様がパンツをおろしていたなんて
スグンは用意しろといいました。
その間に・・王様は赤い役人の服に着替えました。そしてコ内大臣とともにその場を逃げ出しました。
誰も気がつきません
うむむ・・マルニョ・・
なに?
これが終わったら俺の彼女にならないか
片方の玉でなにができるの?
ちぇ・・またそんなばかなジョークをいうのか・・・
この計画が終わったら考えるわ
スグンはうれしくってうれしくって
俺は絶対生きて帰るぞ!!そしておまえの心に火をつけるのだ。といいました。
マルニョも嬉しそうです
しかし・・・
卑劣な王様は、役人服で笑いながら抜け出しています。
使えそうな奴とか助けてやりたい奴がいるかと探したがいなかった。どいつもこいつもだ。ところで鍛冶屋はかくまっているか?
はい王様
われわれは彼にチャンフィーの不当性を証言させるために生かしておかなければならない。チャンフィー、いまおまえは私のように狂うだろうよ。おまえは兄を倒した狂人になるのだ。嘘の密文の元に宮殿や活貧党、ホンギルドン宮殿の中の連中を全員焼き殺すのだ。
あはははは・・・・
マチョン山を越えるチャンフィー一行です。
われわれはまもなく町を守っている警備員と戦わなければならない。
私と活貧党は彼らと戦います。あなたはあなたの家来をつれて宮殿に入ってください。和尚が言いました。
ギルドンはというと。
宮殿の内部は油だらけだ
油に火がつけば大火災だ
みんなに逃げるようにいうの?
混乱と騒動でよけい時間がかかる。
王様より早く動かねば
まず、爆弾を用意しているヨンシを止めなければならない。
ヨンシとコムは南門で爆弾を用意している。
彼らを止めれば大丈夫だ
とにかく止めよう
できるか?
うん、やるわ。すばやく走って彼らを止めるわ
わかった、俺は王様を止める
俺たちは寅を捕まえた時と同じように力をあわせよう
うん
ギルドンはにこっと笑って
尊敬している
といいました
ジャイヨ!!
イノクは言いました。
ギルドンはすばやく走り始めました。
イノクも、南門へ走りました。
スグンたちが太鼓を叩いています。
ギルドンはスグンたちの広場に行くと、王様がいないのを知りました。
そして椅子に矢を放ちました。
一方、ヨンシたちは役人を倒して爆弾をセットしました。
ギルドンは宮殿広場で
攻撃しろ!!
と大声で言いました。
マルニョは刀をスグンにわたし、スグンは太鼓の皮をやぶって中から武器を出しました。
皆武器を持って戦いました。
ヤンバンたちは、お酒に入っていた鎮静剤がきいたのか、ふらふらしています。
さてヨンシはついに導火線に火をつけるところまできました。
いざつけようとしたとき、イノクがその火を消しました。
爆弾を破裂できないわよ。王様は私達のことをしって宮殿中に油をまいたわ。
王様は
あはははは・・・・と笑いながら走っています。
ようやく宮殿に出る門のところにきました。
するとそこにギルドンが現れて門にいた警備員を倒しました。
王様は驚きました。
おまえは!!
あんたは狂っていたと思っていた。しかし俺は自分の家を燃やすほど狂っているとは思わなかったです・・・王様
この宮殿、おまえ チャンフィーそして活貧党・・・みんな私の狂気を消すために消えなくてはならない。
あんたは以前王妃の宮殿に火をつけた、そして今あんたは宮殿中まとめて火をつけようとしている
放火がご趣味と見えますね
そうだ
私の狂気は私が王妃の宮殿に火をつけた時に始まった。もしかしたらチャンフィーはこの宮殿が燃えているのをみたら、狂うだろうか?その時もしかしたら、彼は私の狂気が感染するだろう。
王子は決してあんたのように狂うことはない。なぜなら俺が彼を守っているからさ
世間は言う、おまえ(ギルドン)は超能力者だと。
だったらなぜおまえはその力を使って雨をふらさないのだ?
この宮殿は私が門を出るや否や炎に包まれるのだ
門の外ではイニョンと官軍が王様が出てくるのを火矢を用意して待っていました。
ソ大臣は、王様につくべきか、王子につくべきか考えていました。
卑劣なおとこです。
王様につけば、いままでどおり自分の地位は安泰だと計算しました。
王子が、王座につけば、王子の家来たちの危険性を訴えて自分の功績を認めてもらおうといいました。
私の権力は問題ない、大丈夫だ。私は権力者だ。
どちらにしても自分をまもって、権力だけが欲しい男です。
おまえのお金をおまえの口に入れろ
そしてチャンフィーを守るのだ
おまえの父も言った、おまえは私を倒すべきだとな。そしておまえと民がもとめる王様を作れとな。それで私はおまえを止めれなかった。だからおまえの父は悪い奴だった。もなく私はその門を出ておまえ達は全員焼き殺す!!
じっと聞いていたギルドンは大声で言いました。
嵐が来るぞ!!!
王様はぽかんとしました。
民の叫びが雲を呼び、風を呼び、嵐になるのだ。それはあなたの古びた世の宮殿を襲う
。
王様はわけがわからない。
なんだと?
聞こえないのですか。
彼らの叫びを・・・王様
いま・・・町の門にむかって活貧党や多くの民が武器を持ちどんどんと集まっていました。
そしてチャンフィーも到着しました。
宮殿の宴の広場ではスグンたちが役人達をやっつけていました。
町では民衆が、活貧党を助けるのだそして戦うのだ!!と集まっていました。
王様をやっつけてわれわれの王を立てるのだ!!!
そうだそうだ!!!
民衆の渦はどんどん大きくなっていきました。
リュウ大監です。
われわれは王妃と前王を殺した今の王を降ろそう。貧しさと恐怖がはびこる國の民をすくうのだ。そしてわれわれは先王のご意志にのっとり正統的嫡子たる王子を君主にたてよう。
ギルドンです。
彼らは、おまえを追い出すためにここに来る。宮殿から一歩でも出てみろ。あんたの敵によって囲まれるぞ。
王様は。
なぜおまえはどうするというのだ?
ぎるどんは。
この宮殿はおまえの最後の砦だ。そしてわれわれがおまえからここをうばいとるのだ。我々は、それをあなたから取るために、ここに来ました。
王様はついに狂いました。
そして大声を上げました
宮殿に火をつけろ!!!!
宮殿を焼き尽くせ
あのならず者を殺せ
歓声を上げてやってきたのは活貧党たち。
ついに王様は囲まれてしまいました。
あなたの力もここまでです。
王様・・・とギルドンは言いました。
ひざをおって座り込んだ王様はそれでも
宮殿を・・・焼き尽くせ・・・
と声に力もなく言いました
私達は全てを焼く必要がある、新しい世の中を作るのだ。
あはははは・・・・うははははは
宮殿に火をつけろ
宮殿を焼き尽くせ
すでにヨンムン団が宮殿の外にいてイニョンたち官軍をやっつけていました。
ボブヘア君はいいました。
彼らは宮殿を焼こうとした。
彼らを縛り上げて引き離せ
はい、ボス!!
宴の広場は役人達が助けてくれと声を上げていました
あんたは王子の味方だったのかチェ大臣
彼はもはや王様だ
旧勢力はこうして、弾圧されました。
戦いは終わりました
王様は監禁されました。
王様の狂った笑い声が暗闇に響きました。
町では民衆が騒いでいました。
活貧党は古い王様を倒して新しい王様を立てたぞ!!!!
新しい王様は民の味方だ!!!
チャンフィーは宮殿の門をあけて
さきほどまで宴でにぎわっていた広場にはいりました。
活貧党は皆頭を下げて迎えました。
そのなかにイノクがいました。
ギルドンもスグンも、コムもヨンシもマルニョもいました。
みんな喜んでいました。
イノクは離れた所からギルドンを見て頬笑みました。ギルドンもです。
チャンフィーはさきほどまで兄が座っていた王座に向かいました
そこにはリュウ大監やチェ大臣が待っていました。
リュウ大監は四寅剣をもっていました。
そして、先王のご意志に従い、われわれは嫡子王子をわれわれの王としてつかえるものである!!
と大声でいいました。
そして四寅剣をうやうやしくもってチャンフィーの前にひざまつきました。
王子はそれを手にしたとき
リュウ大監は
王様!!!!
といいました。
すると広場中の人たちが
王様~~~~!!!!とひざまずきました。
ギルドンたちはそれをみて
俺たちはなにするのだろう
といいながら
スグンは王様~~とひれふしました
ヨンシもコムもマルニョも
そしてイノクも・・・
しかしギルドンは立ったままでした。
チャンフィーはそれを見ていました
ギルドンもチャンフィーを見ていました
兄王は一人で笑っていました
王座についたチャンフィーにギルドンは言いました。
「民の代表である新しい王様にご挨拶をします。どうか、民の期待を忘れないで下さい。そしてすばらしい王様になってください。全ては今から始まります。王様がすばらしい王様になれば私はあなたのまえにひざまずいて頭を下げます」「私はおまえが尊敬する王様になってやろう。そしてなにごともなくひざまづかせてやる」チャンフィーは静かにいいました。
ギルドンは嬉しそうに笑顔になりました
門では、活貧党とイノクが並んで話をしています。
私達は運がいいわ。勝ったしみんな無事だったし
だって俺たち活貧党だからな
とスグンが言いました。
そしてよっしゃ~~~とこぶしを握ってお互い突き出しました。
しかしイノクは手をひっこめました
なぜだ?おまえは活貧党ではないのか?
だって・・・もう・・・
みんなためいきをつきました
するとコムが
あ、だったら、もっと偉い活貧党で名誉活貧党ってのはどう??
と聞きました
ヨンシが いいかんがえだ、これからおまえは俺たちが危険になったら来るなり、俺たちを助けるなりする名誉活貧党だ
といいました
マルニョは
今 幸せ?
と聞きました
皆ありがとう
よっしゃ、おまえは今から名誉活貧党だ
とスグンが言いました
だいじな立場で俺たちを訪ねて自由に根城に来るんだぞ
みんなあんたが来なくなってから元気がない。俺たちはアンタなしだと食べ物が多すぎるんだ
笑っていたらノ尚宮がやってきました
ここで何をしていますか?
あの・・・その・・
イノクは皆を救ってくれたわ
あなたは大変向こう見ずなことをしました
お爺様が探しておいでです
ですから出かけましょう
わかりました。では、行くね・・・
なんだか寂しそうですが。
スグンは
イノクは王妃さまになるのか・・・
といいました。
なんだか無理矢理連れて行ったみたいだな
とコムが言いました
宮殿の中でギルドンとばったりと会いました。
驚いたようにお互いは見つめあいましたが
しかし
ギルドンは無言で去っていきました
イノクはその後姿を見ていました
チャンフィーはいいました。
おまえは今日ギルドンと一緒に戦ったのか?
イノクはうなずきました
私はおまえが大変な闘いをした事を聞いた
イノクは顔を上げました
私は危険なところにおまえをおいた事を残念に思う、そして怪我をしないで無事にいてくれたことに感謝する
私がどんなに本を読んだとしても、私は間抜けで覚えられないのだけど。
今日は私は何事にも運がよかったわ。
・・・・
私がギルドンと戦った時私は運がいいと思ったわ。寅を捕まえた時でさえ思わなかったけど、そんな事忘れていたわ
・・・
私は忘れないようにしようとしているの
・・・
おまえは私のそばにいると忘れそうになると思うのか?
・・・・
私はいつもおまえにはそばにいて欲しいと思っている。運がよくなるようにそしてもっといい人になるように。しかしおまえは違う方向にいるようにみえる。
チャンフィーはイノクの様子から考えて言った事は本当のことでした。
私が恐れているのは運が悪くて使い物にならない人間になるのではないかと私のような間抜けがなにをしているのかそのことをずっと考えています。
私はすこしでもおまえが恐れることなく、いられるように考えよう
・・・・・・・・・
イノクの心にはいつもギルドンがいるのでした。
チャンフィーにはそれが苦痛の種でした。
続く
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