根城ではホンギルドンとチャンフィーが話し合いをしていた
「俺はヤンバンたちが王に反対して立ち上がろうとしていることを聞いたんだ」
「やつらは王様が山の入口に火をつける用意をした事にいまだに問題視している」
「あの四寅剣の密文はすっかり大きな餌になったな」
「これからこの國の王がどのようにして時期王を決断をするだろうか。この場合、私が王になる理由だ。王子に生まれたから王になるのではない。」
「そのとおりだ。おまえは今の王より最も現実的であるからだ。」
「現実的な選択肢?おまえは私が嫡子であることだけで王座を狙うのなら私を支えなかったのではないか?」
「おまえは本当に王様にむいている。信頼を裏切るなよ。」
チャンフィーはなんだか安心したのか話を変えた。
「お前はお前の父親がこの世を守るために命を捨てることができることを知っている。彼は自分の命と引き換えにお前を逮捕するかもしれない。そうなったらどうする?」
ギルドンは考え込んだ。
するとスグンが来た。
ギルドン、お客様だ。
スグンはとうしていいのかどうなのか、わからないな~~といった表情で、一人の男を連れてきた
ホン大臣であった
ギルドンは驚いた
チャンフィーは警戒した
スグンが言った
目が見えないそうだ と。
ギルドンもチャンフィーも驚いた
ギルドン、そこにいるのか?
私はここにいます・・
ホン大臣は声のするほうへ顔を向けた
宮殿では王様が独り言を言っていた
如何にしてホンギルドンを捕まえようか?
あの日ホン大臣が言った
あなたの役に立たない部下を殺して下さい・・・
もし私がホン大臣を殺したら・・いいや、それはできない
ホン大臣は違う、彼ではない
そう王様はつぶやいた
さてこちらホン大臣
「私は王様をお守りするために命を差し上げるつもりだ。」
「俺は王が作ったこの世界を壊すつもりです、父上」
「お前は息子ではないぞ、ギルドン。それは私がお守りする王様の世だからだ。それは国法だからいくらお前が息子でも変えることは出来ない。」
「俺が作る世では法律を変えるつもりです。なにがどうなろうとも邪魔しないで下さい」
「それは私の作ってきた世の中では許されない事だった。
私がお前を訪ねてきた理由だがおまえが思い通りの世を作った時息子として墓にやって来い。しかし、できなかったらなら、来るではない。」
ホン大臣はゆっくり立ち上がった。
そして人の気配を感じてそちらをみた
「お前の隣にいるお方が王子か?」
「・・・・そうです」
ホン大臣はチャンフィーがいる方向へ顔を向けた
チャンフィーは表情をこわばらせた。
幼い時宮殿ごと焼き殺される事件があったが、ホン大臣はあのときの首謀者である。
「ギルドン、おまえはお前の力の限りを尽くして最後までお前の王をお守りしろ」
「もちろんそうします。」
チャンフィーはギルドンの顔をそっとみた
さて盲目となったホン大臣は全ての罪をかぶって自らの口を封じることで王様を守ることにした
多くのヤンバンたちが四寅剣の密文について調査を訴えている以上、王様の立場が悪い。
これで王様が先の王子と王妃を殺したとなればヤンバンたちの気持ちは離れていくだろう
。
すべてがホン大臣のしわざだということになればホン大臣が死ねばホン大臣の責任として丸く収まり王様を守ることになるのである。
もはや見たいものなどない
あの日、すばらしいものを見ることができたので満足だ
山火事の場面で王様に挑むギルドンを見たことだ
王様はホン大臣の決断に断腸の思いでホン大臣に刑罰を言い渡した
ホン大臣を服毒死にせよ
そして、最後の忠臣の死をなげいた
その死の極みにホン大臣は見えない目でギルドンを探した。
あの子はここにいて私を見ているはずだ
そしてその思い通り、ギルドンの気配をかんじた
刑場でギルドンは涙をこらえて民衆の中にたっていた。
それをチャンフィーが見てた。
またギルドンもチャンフィーを見た。
いや、チャンフィーはもうひとりイノクの存在に気がついた
ギルドンを見つめるイノクを見た。
それに気がついたギルドンはイノクを見つめた。
彼らの間にははいれない。チャンフィーは思った。
空き家でギルドンとイノクは会った。
アンタには謝れないし、泣くなともいえない。
ギルドンは黙って聞いていた。
私は、リュイノクなの・・・
これからはそばにいられない
遠くで見守っているわ
だって
あんたを見ていたいから
イノクは黙っているギルドンのそばによって
あの時つけた傷に手を当てた。
そばにいてあげれないけど
わすれないわ・・・
どうか元気でいてね
ギルドンは涙を一杯にためながら
イノクの手を握った。
イノクはその手をほどいて去っていこうとした
ギルドンは思い余ってイノクの肩を抱き寄せて
抱きしめたのです。
・・・・
気持ちとはうらはらな運命にどうしようもない
二人だった。
・・
そして去っていったギルドンをおもって
たたずむイノクは
間抜け・・・・
と、つぶやいた。
誰に向かっていったのでしょうか??
ヨンムン団ではノ尚宮がチャンフィーに
ヤンバンを味方につける話をします。
挙兵していよいよ天下を取るのですが
その相談です。
しかしチャンフィーにとってヤンバンたちは
かつて自分達、王妃と王子を殺そうとした連中
であることにこだわります。
ノ尚宮は分かっていることではあるけれど
王座奪還のためには、敵をも味方につける
要求をします。
だが・・・
チャンフィーはギルドンへのこだわりがあります。
彼らと手を結べばホンギルドンとは終わりだ
王子・・・・
この国では民の支持だけでは王になれません。
民が望む王にナルですって??
ですが、民の望む王とはホンギルドンであるならば
王座を譲りますか?
民の望む王はホンギルドンです
しかしそれは民の幻想にすぎません。
彼への抑止力として支配層とも手を結ぶべきです。
・・・・・
ノ尚宮の言葉にチャンフィーは悩んだ。
その脚は自然とイノクの部屋に向った。
イノクは寝ていた。
そのそばに座ったチャンフィーだった。
顔の前に手をやって寝ていることを確かめたが
イノクは寝言でギルドンの名前を呼んた
おまえはいつもギルドンを見ている・・
イノクが寝ている場所でチャンフィーはつぶやいた
あの者にこれほどまで傷つけられてもおまえにとって唯一の人なのか
民衆が求める王はホンギルドンです・・ノ尚宮がいったことも頭をよぎった
イノクがうなされながらもギルドンの名前をつぶやく
チャンフィーはどこにも自分の思いを受け止めてもらえる場所が無いのを寂しく思った。
イノク・・どうか、一度でいいから私を見てくれ
そういってイノクにキスをした。
一方ギルドンはイノクからもらった巾着をみていた。
そしてそれを火鉢にくべて燃やしたのだった
第20話おわり

