ミケのお話。
猫は犬と違って、人間の近くにべったりとはべらないのが特徴です。いつも自由に動いています。犬はかってにお散歩が許されないので、人間の手を煩わせますが、猫は、血統書つきでもないかぎり、自由にうろうろしています。
さて、うちのミケは大人の猫ですが、4キロほどの小柄な猫です。
その猫のお話です。
ミケは狩が大好きです。主に、雀・・・・こうもり・・・・やもり・・・・・などを取ります。
夜明けにバタバタという羽の音と、ピーピーという声に、むすめは目を覚ましました。
部屋の外にミケの気配が・・しかも雀をくわえているらしい、と気がつきました。「ドアを開けたら、雀を持って入る」。むすめはひたすら寝たふりをしました。
ドアを開けることが出来ないミケは、大好きなむすめに獲物を見てもらおうと思ったのですが、寝ているらしいと感じたようです。
バタバタと騒ぐ雀と、ドアの外で遊んでいました。ピーピーという声とバタバタという音と、猫のそれを追いかける動作を娘は想像したようです。
やがて、ぴーーーーーーー!!という声とともに、ドアの外は静かになりました。
断末魔の声を聞いて、娘はまた眠りにつきました。
さて・・・・・午前6時。起きてきたわたしは、近眼ではありますが、どうも・・・・・黒い物体が廊下に転がっていることに気がつき、それがすずめの死体であり・・・・ミケの仕業であることに、確信したのです。
もちろん、すずめの死体の処理は、主人でした。
