変なこと言っても大丈夫
アリス高崎
ブログ担当Nです
ある日突然急にグループトークをやることになりました
急にグループトークをやることになったんだけど、実は…実は…その日僕はあまりグループトークをやりたくありませんでした
何故かと言うと…
なぜかと言うのは、
その理由を伝える前に、
なぜ急にグループトークをやることになったかと申しますと、
これがびっくり! 世界情勢とつながっているわけです。
今、世界的な半導体不足になっているけど
それでその影響でアリスでいつも行っている作業の1部が回ってこなくなっちゃったんです。
それである日のある時間が、大幅にぽっかり何もやることなく、時間が空いてしまったんです。
何にもやることがない状態で、みんなをそのままにしておくわけにはいかないので、
その日の朝の職員ミーティングで突然、グループトークをやることが決まりました。
それで、どうして僕がそれにあまり乗り気になれなかったかと言うと…
最近、新しくアリスに入ってきたばっかりのメンバーが何人かいたからです。
その人たちがまだ場の雰囲気に馴染めていないなぁと思ったので、
その中で全員でワイワイやるようなグループトークをやった場合、
うまく馴染めなくて違和感や疎外感を感じてしまうリスクがあったので、
そんなリスクを犯してまでグループトークをやりたくなかったんです…
でも他にやることがなかったので、グループトークをやるしかないな…と思いました。
やるからには、誰もそれによって
「こぼれること」
がないようにしなければなりません。
朝の段階で、事前に気になるメンバーの人たち何人かに声かけをして、
その日の調子や、どの辺のラインだったら話が成立しそうかなどを、なんとかなんとかこっそり探っていました。
「この辺の話のラインでグループトークをやれば、誰もこぼれないでやっていけるんじゃないのかな、」
という目星が大体ついてきました。
すごい大雑把に目星だけをつけて
リスクを負いながらの一か八かのスタートです!
「じゃあ、この時間は今から急遽だけどグループトークをやりますね!」
みんなにそう伝えました。
「今からみんなでグループトークをやるんだけど、大切なことを伝えますよ。
大切なことです!!」
みんな「なんだろう?」と、こちらを見ました。
でも笑っている人もいます。
それは何故か?
こういうこと言う時は、大抵その後に、僕は『くだらないこと』を言うからです
「今日のグループトークの目標です!
今日グループトークで目標にする事はこれです!」
そう言って僕はホワイトボードに今日のグループトークの目指すところを書き記しました、
「どれだけくだらないことを話し合えるか!」
そのようにホワイトボードに書き記しました。
「これが今日の目標です!
『くだらないこと』って別に面白いことを喋んなくてもいいんですよ。
面白いことをしゃべるんじゃなくて、
しゃべっても、しやべんなくてもどっちでもいいような、
人生に何のプラスにもならないようなことを
ダラダラとしゃべれるかどうかをやってみましょう!
それが目標です!」
僕が大げさに、実に大げさに、高らかにそのように目標を掲げると
「くだらない話しって…どういう意味ですか?」
と、もうそこからシンプルな素直の質問が出てきました。
「関西弁で言うと『しょうもない話』っていうやつだよ。」
と1人のメンバーが説明をしてくれると、
この言葉は腑に落ちたようで、
「あーそういう感じね、」
と納得の声が聞こえてきました。
「でも何について話していいかわからないでしょうから、僕の方でテーマを出しますね、」
そこで先ほどから練りに練って考えていた、
この日の朝のみんなの状態と、新しく入ったメンバーの状態からして、
『これなら誰もこぼれ落ちないだろう』
と考えたテーマを発表しました
「好きなキャラクターについて話し合いましょう!」
これが僕がその日考えた、練りに練ったこの日のみんなの
『だれもこぼれないだろう』
と思われるテーマでした。
そこからみんながそれぞれに自分の好きなキャラクターをいろいろ話してくれました
サンリオとか、ディズニーのキャラクターとか、いろいろ名前が出てきました。
アニメのキャラクターの名前とかも出てきて、
僕の知っているものもあれば、全然知らないものもあったので、
そーゆーそれぞれのキャラクターについて、
知っている人達から、僕のような全然そういうのを知らない人間に向かっての説明をして貰いました。
そんなふうにして、それぞれの好きなキャラクターを発表していって貰いました。
「新日本プロレス!!」
突然そんな発言が出てきました…
「それはプロレスの団体名であって、キャラクターではないでしょう…」
と僕は言ったものの、
とっても面白く突飛な意見で、みんなも大笑いしてたので
「新日本プロレスがキャラクターの名前として成立するかどうかはよくわかんないけど、
面白いからそういうのもありにしましょう!」
僕はホワイトボードに
『新日本プロレス』
と書きました。
次に隣にいた50代の男性に尋ねてみました。
「好きなキャラクターって何かありますか?」
50代の男性が好きなキャラクターって、なかなか浮かびそうにないですよね、
「ジャイアント馬場」
そんな答えが返ってきました…
「う〜ん…ジャイアント馬場かぁ…これはキャラクターかなぁ…?…まぁキャラクターといえばキャラクターかもしれないから…まぁ、これもOKにしましょう!」
と僕が言うと、続けざまに
「ジャイアント猪木!」
と言う発言が別の人から出てきました。
アントニオ猪木とジャイアント馬場がコンガラがってますね…
もう、そもそもそんな人物はいないのだから…これもキャラクターとして成立していいのかどうか…
こんなふうにして話がぐちゃぐちゃになっていきました。
でもそれで良いわけです!
だってこの日の目標は
『くだらない話をする』
ことだから。
「アンパンマン」
実にシンプルで可愛らしいそんな答えを次にいただきました。
「あーアンパンマン!」
みんなからこぼれるようにそんな共感の声が聞こえてきました。
「あー、アンパンマン!
いいですね。」
と僕も共感の言葉を伝えた後、続けて皆に問いました
「ところで、アンパンマンの敵は誰ですか?」
問いかけをしました、
「バイキンマンだよ」
「バイキンマンはどんな攻撃を仕掛けてくるんですか?」
「えーっとね、ばい菌を振りまいてくるんだよ」
そんなふうにいろいろバイキンマンの攻撃についてみんなが説明してきてくれました。
「じゃあ、ちょっとここから真面目な話になるんだけど、
ちょっとみんな真剣に考えてもらいたいんだけど…」
そうみんなに僕は訴えました。
先ほども申しましたように、
このようなことを言う時は、
大抵その後に僕はいつも『くだらないこと』を言います。
「アンパンマンがバイキンマンの攻撃に負けないで勝ち続けていくためにはどうしたらいいんでしょうかね?
ちょっとそれをみんなで真剣に考えませんか、」
みんなに向かってそう問いかけました
こんなことを大の大人に向かって問いかけて話し合いましょうってのは、
ばかばかしいでしょう、
ばかばかしいけど、
それでいいんです
だってその日の目標は、
『どれだけくだらない話ができるか』
ですから。
「愛です!」
このばかばかしい問いかけに、実に深遠な答えが返ってきました
「え!アンパンマンが勝ち続ける最大の方法は
『愛し続けること』
なの?!」
そう問い返すと
「はい!」
とシンプルな答えが返ってきました。
そしてまた、そこから様々に話が脱線していき、
いろんな話がごちゃまぜになりながら、1時間のグループトークが終りました。
おそらくその日、目標にして掲げた
『どれだけくだらない話ができるか』
という目標は、けっこう達成できたんじゃないのかなぁと思いました。
そしてそれ以上に僕の個人的な 『影の目標』 であった、
『新しく入ってきた人たちも、誰も取り残されないようなおしゃべり会』
が達成できたんじゃないのかなぁ…と密かに実感していました。
グループトークが終わって、その日の1日が終わり、
帰り際に、1人のメンバーが、僕の近くにやってきて話しかけてきてくれました。
その人は、先ほどから申しています最近入ってきた、うまく話し合いに入れるかどうか心配していたメンバーの1人です、
「あのぅ…またグループトークやってもらいたいんですけど…」
びっくりしました!
「こぼれ落ちないように」
と願うようにして行ったグループトークでしたけど、
「こぼれ落ちない」
どころか、
「またやってもらいたい」
と申し出をもらえるなんて❗️
「…あの…びっくりしたんです…
…どんな発言しても…誰も馬鹿にしないんだなって…
ちゃんとそれを話題にしてもらえるんだなって…
びっくりしたんです
今まで、ちょっと変なこと言ったら…必ず馬鹿にされて…嫌な思いさせられて…
…だから自分が言ってることが…
…変なことだったらどうしよう…
って考えちゃうと…
なんにも言えなくなっちゃってたんだけど…
……
どんな変なこと言っても、
誰も馬鹿にしないで、みんなで一緒にそのことを話題にしてもらえてるから……びっくりしたんです。」
あーうれしい!!
この言葉に含まれる実感、
それを実現したかったんです!
そうです!
それを実現したかったのです!
「話の内容が有用であるかどうか」
とか
「未来に向かって役立つかどうか」
とか
「意味があるかないか」
とか
そういうことじゃなく、
「なに話しても馬鹿にされないんだなぁ…変なこと言っても…大丈夫なんだなぁ…」
っていう理屈を超えた 『安心の感覚』 を感じてもらって、
その 『安心の感覚』 をその人の 『根っこ』 にしてもらいたいというのが最大の狙いなわけです。
「…だからまた…グループトークをやってもらいたいんですけど…」
小さな声でそう伝えてきてくれました。
いっぱい変なことを言いあって
いっぱい変なことを受け入れあって
あぁ、ここなら…
○ も ✕ もなく、
たとえ変なこと言っても大丈夫!
そんな安心の感覚の芽を芽吹かせていってもらいたいなぁ