宇宙から宇宙はどう見える?~人工衛星を徹底解説!~

2015/06/07

講師

JAXA 第一技術部門GOSAT-2 プロジェクトチーム

藤平 耕一氏(31)

講演内容

1.地球はどう見える?

2.未来の衛星は?

3.衛星はどう作るの?

4SDS-4、小型衛星について

5.クイズ

6.質疑応答

7.感想



1.地球はどう見える?

 宇宙はどんな場所か、暗いか寒いか近いのかなどの解説。



2.未来の衛星は?

 いま活躍している日本の衛星、ひまわり、だいち、いぶき、しずく、GPS衛星などを紹介。

 同じ目的の衛星をたくさん打ち上げて活用すると、今の生活環境が便利になるというお話。



3.衛星はどう作るの?

 小型衛星(SDS-4)の製作過程を動画をつかいながら、任務を決めるところから完成品をつくるまでを解説。

①実施すべきミッション!

・アンテナを地球に向けて、船から発する電波信号を受信する

②実現可能を検討する!

・自由に姿勢を変更できる

③必要な機能を描く!

・姿勢制御系/・電源系/・データ処理系/・通信系/・熱_構造系/・推進系

④試作する!

・過程:3DPC内)→ダンボール(小型ならでは)→モックアップ(木材)→試験機→フライト機

⑤みんなで確かめる!

⑥フライトモデル(実機)を試す!

⑦宇宙に打ち上げる!

 種子島宇宙センターから、水循環変動観測衛星「しずく」らと共に宇宙へ

2012/05/18 AM 1:39

⑧宇宙で動かして使う!(ミッション内容)

・宇宙から大海原の船をおう

・空気のない宇宙で熱を流す

・原子状酸素に負けない毛布

・小さな宇宙ゴミ測定器



4SDS-4、小型衛星について

・制作現場の雰囲気は、真剣だけど和気あいあいとした仲の良いメンバー。

 (メンバーの身体でSDS-4の文字を作り、記念写真。)

・姿勢は3軸回転には、スタートラッカーの情報が必要。

 スピン安定式では姿勢を好きに動かせなかったが、3軸回転では側面にもカメラなど搭載し利用できる幅がひろがった。

・小型衛星の運用期間は、1年として制作する。

 しかし、寿命を超えても長期的なデータ計測の用途があるため、運用は継続されている。

「衛星の寿命 = バッテリーの寿命」なことがほとんどである。

・小型衛星の形が四角をしているのは、メイン衛星(SDS-4でいえば”しずく”)を乗せた状態からの空きスペースの情報が四方型でおりてくる。

 そのため効率を考え、大きな衛星を造ろうと思ったら四角の小型衛星が完成する。

・太陽センサや太陽電池パドルがついてる面の板は、少しだけ浮かしてつくってある。

 常に太陽面に向けているので熱をもつ、その熱をなるべく内部に伝えないため。

・太陽電池パドルを展開したことを確認するためにカメラをつけた。

 (裏話:「定期的に地球の写真を撮らせたい。」という理由もあったが、とうぜん上司には伝えなかった。)

・常に太陽の方向に太陽電池が向くように、太陽光センサや3軸回転は常に可動している。

SDS-4は姿勢(顔の向き)を動かすことができるが移動(宇宙の中で”はやぶさ”などの探査機が、

のイオンエンジンを使って航行)はできない。


・そして一番伝えたい内容は、「宇宙に不思議な面は多いが、身近で怖くない。」とのメッセージでした!!



5.クイズ(答えは、下にあります。)

①宇宙はどこからだと思いますか?

②宇宙飛行士 星出彰彦さんがAXAで、新しく作った部活は何?

③「宇宙飛行士に1番必要なモノは何?」って質問に、星出さんは何と即答した?

④若田光一さんが宇宙飛行士の中で、1番宇宙に放ったモノは何?

(2問回答して、筑波宇宙センターのロゴ入り付箋紙をゲットしました。)



6.質疑応答

Q:怒られたりする事はありますか?

A:怒られることは、しょっちゅうです。

 1番応えたのは入社したてに先輩から「書類を書け」と支持があり、完璧のモノを提出したつもりが、

「書き方が違う。しかも、提出期限ギリギリになって完成じゃないモノを持ってくるな。」

「解らなければ、こまめに聞いてきて確認しにしろ。」

「いつまでも、学生気分が抜けていない!!」

と怒られました。

 入社したばかりの時に思い込みで書いて、提出期限近くまで掛けて完璧だと思うモノを提出した時に云われた言葉なので応えたのを覚えいています。


Q:小型衛生でもデブリの問題はありますか?

A:あります。10 cm³以上のデブリのほとんどは、NASAの方で位置と起動を計測しています。

※月に1回くらいは、「衛生と衝突する可能性がある。」っとNASAから通知がくる。


Q:趣味のアヒル集めって何ですか?

A:仕事などで海外に行くと、その土地の特色をもった「お風呂に入れるようなアヒル」がいるので集めています。


Q:宇宙人はいると思いますか?

A:居ると思います。この広い宇宙のなかで、地球だけじゃないと思います。

Q:太陽系ではどうですか?

A:難しいんじゃないかと思います()

(銀河系も聞いとくべきだったかも。笑)

JAXA職員での、「宇宙人は、いるorいない討論。」(藤平耕一氏より)

5050

国立天文台職員での、「宇宙人は、いるorいない討論。」(渡辺潤一氏より)

90:10

(天文学者的には確率の世界。)



7.感想

 講師はJAXA職員さんで、しかも衛星に興味を持つきっかけをくれたラジオのパーソナリティ!!

今回、できる限りSDS-4の予習をして講演に参加しました。


 イベント後は藤平さんに、いくつも質問をしすごく楽しかったです。

浅知恵なので疑問がたくさん浮かんだ状態での参加だったので、解らないでいた箇所の付箋を外していくようで快感でした。


 衛星が移動することを説明する時に、まず最初にスプレー缶という言葉をつかいイメージをもたせていました。 「エンジン」や「スラスタ」の単語は使わずに説明していて驚いたので、とても印象にのこった場面です。

 前日の宇宙教育指導セミナーで学んだ「身のまわりの現象を宇宙へつなぐ」の最高の実例をみることができました。私自身も、子供の目線からの宇宙を意識し、実践していきたいです。


 今回の講演は小学生も参加している中で、大人が熱中して前のめりで参加してしまいました。反省してます。

 しかし、講演を通して子供伝えるための勉強もできたので、今後のボラ活動に生かしていきたいです。


[SDS-4のクリアファイルに書かれていた言葉]

Way up hign.

Looming over our heads.

~高みに、我らの頭上に立ち現れる。~

訳:ケドルスキー氏



・クイズの答え

①上空100 km以上

②ラグビー

(藤平さんは、野球とバスケを欠兼部。)

③チームワーク

CubeSat【超小型衛星】


おすすめ文献

夢をあきらめなければ宇宙にだって行ける

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(クイズ②、③について語られています。)


ふくい地域ニュース:日刊県民福井から:中日新聞(CHUNICHI Web)

児童科学館で人工衛星の役割詳しくJAXA職員が解説:

http://www.chunichi.co.jp/kenmin-fukui/article/local/CK2015060802000198.html