去年の今日を振り返る。
お骨になった夫を抱きしめて
窓をみていた。
ずっと見ていた。
このなかにいるのは
本当に夫なのだろうか?
私が動くと
骨壺は
かたん、と音をたてた。
夫もこの景色を見ているのだろうか?
見ることができるのだろうか。
夫が愛した風景。
空と海が窓いっぱいに広がる。
行き交う車。船。
この景色のどこかに
夫はいるのだろうか。
いる、って思うのは私の心を穏やかにするための
強くいえば
騙すための
方便なのかな。
でも、いる、と思いたいし、
思うし、
どうなんだろうね。
ああ、とか、
おお、とか
言ってほしいよ。