ナパでの葡萄造りの歴史は、他のエリアと同じように、宣教師が葡萄の苗を持ち込んだことにより始まりました。

 

1839年に起業家のGeorge Calvert Yountさんがワイン生産のための葡萄栽培を開始(後のナパの地名Yountvilleの由来)。1861年に、チャールズ・クリュグ(Charles Krug)さんがナパで初めての商業用ワイナリーを設立(Charlesさんは、1857年にカリフォルニアで初となるワイナリーを設立したアゴストン・ハラジー(Agoston Haraszthy)さんの元でワイン造りを学ぶ)。

 

その後、第一次ワイナリーブームが起こり、1889年にはナパには140以上のワイナリーが出現。

 

1920~1933年の米国の禁酒法により、多くのワイナリーが営業停止に追い込まれましたが、その後再びワイナリー数が増え続け、2022年現在は600を超えるワイナリーが存在していると言われています。

 

ナパのワインを世界的に有名にしたのは1976年のパリの審判。イギリスのワイン商スティーヴン・スパリュア(Steven Spurrier)さんが、ナパのワインの品質の高さに着目し、「アメリカ建国200周年」のイベントにかけ、格付けフランスワインと無名カリフォルニアワインのブラインド・テイスティング対決のイベントをパリで開催します。パリの一流のワイン専門家を集めたイベントで、結果は白ワイン・赤ワインの両カテゴリーにおいてナパワインが一番となり、各メディアはそれを大きく取り上げました。

 

その”大事件”をきっかけにナパワインの輸出が盛んになりました。1978年には、米・仏を代表する有名ワインメーカーが「オーパスワン」を設立。ナパ全体のワイン品質が更に向上していきます。

 

2000年代に入ると「カリフォルニアカルトワイン」という希少価値が高く取引額が$1000を超える高級ワインに注目が集まります。現在一番高額で取引されているのはスクリーミング・イーグル(Screaming Eagle)で、2022年現在の平均取引価格は$4,742です。

 

(マップのダウンロード:こちらから

 

 

ナパのおすすめワイナリー10軒:

 

 

Opus One Winery
7900 St Helena Hwy, 

Oakville, CA 94562

ナパを代表するプレミアムワイナリー。ワイン好きなら一度は足を運びたいワイナリー。フランスの5大シャトーの1つ、「シャトー・ムートン・ロートシルト」のオーナーとして知られるバロン・フィリップ・ド・ロートシルトさんと米国の有名なワイン醸造家ロバート・モンダヴィさんによるジョイント・ベンチャーにより設立された。名前の由来は、ラテン語を語源とした音楽用語「作品番号1番」。ラベルには、2人の横顔と署名が印刷されている。右を向いているのがフィリップさん、左を向いているのがロバートさん。(*2004年にモンダヴィグループは権利をコンステレーショングループに売却している)

 

 

Robert Mondavi Winery

7801 St Helena Hwy, 

Napa, CA 94558

ロバート・モンダヴィさんが1966年設立したワイナリー。ロバートさんは技術革新と戦略的なマーケティング戦略でカリフォルニア・ワインを世界的に認知されるレベルに高めた第一人者である(Wiki抜粋)。その影響力とカリフォルニアワイン文化の発展への貢献から、後に「カリフォルニアワインの父」と称される。モンダヴィ・ワインのラベルにもなっているテイスティングルームはぜひ一度訪問することをおすすめしたい。車も駐車しやすく、ナパ旅行の重要なフォトスポットともなっている。

 

 

Kenzo Estate Winery

3200 Monticello Rd, 

Napa, CA 94558

大手ゲーム会社カプコンのCEO辻本憲三さんが2010年に設立したワイナリー。「日本の職人魂が表れたナパスタイル」と言われるように、繊細さと自由さが混在する、非常にユニークで奥深いワインに定評がある。設立時にカルトワインの女王と言われる有名醸造家ハイジ・バレットさんをコンサルタントに迎えたことが話題になった。現在の醸造家チームもリート揃い。オーパスワンのチームが研修に訪れるという逸話もあるとのこと。日本人なら一度は訪れたいワイナリー。

 

 

Grgich Hills Estate

1829 St Helena Hwy, 

Rutherford, CA 94573

カリフォルニアの真髄とも言える老舗。1976年の「パリの審判」の勝者ワイン「Chateau Montelena」の当時の醸造責任者であったMike Grgichさんが独立し1977年に設立したワイナリー。彼のワインは、常に業界のパイオニアとして国内外で高く評価され、高品質の代名詞となっている。ソーヴィニョン・ブラン品種を樽熟成させた「Fume Blanc」は華やかでフルーティーで特におすすめしたい。

 

 

Joseph Phelps

200 Taplin Road St. 

Helena, CA 94574

建設会社の経営者として成功し、起業家でもあったジョセフ・フェルプスさんが1973年に設立したワイナリー。1974年から開始したボルドー品種数種類をブレンドした赤ワイン「Insignia」で最もよく知られている。2022年にLVMHグループに買収されたが、昔ながらのワイン造り、伝統を守っている。様々なテイスティング・プログラムを提供しているが、ぜひ試していただきたいのは「Insignia Blending」。参加者がワインのブレンドを実際に行えるもので、バランスの良いワインに仕上げるのは非常に難しいということを改めて理解できる貴重な体験ができる。

 

 

Far Niente Winery

1350 Acacia Dr, 

Oakville, CA 94562

ゴールドラッシュの流れとともに、ナパに移り住んだJohn Bensonさんが1885年に設立した、エリアでも非常に歴史の長い老舗ワイナリー(現在のオーナーはGil Nickelさん)。現在、ワイナリーの建物は、歴史的建造物に指定されている。ファー・ニエンテという名前は、イタリア語のフレーズのDolce far nienteという言葉の far niente 部分を引用したもので、英訳ではDelicious idleness、日本語に意訳すると、「ありのままの」または「真似のできない」という意味があるとのこと。

 

 

Domaine Carneros

1240 Duhig Rd, 

Napa, CA 94559

老舗のシャンパーニュメーカー「テタンジェ」がカーネロスに設立したワイナリー。高級スパークリングワインとピノ・ノワール品種を主体とするスティルワインを生産する。ワイナリーのシャトーは、ナパのランドマーク的な存在で、カーネロスのなだらかな丘陵を見渡しながら、素敵なパティオでワインを試飲できる。

 

 

Darioush

4240 Silverado Trail, 

Napa, CA 94558

1970年の後半に、イランから米国に移住してきたDarioush Khalediさんは、LAでスーパーマーケットの経営に成功し、ワイン好きが高じて、1997年にナパにワイナリーを設立。「モダンなボルドー」をテーマとしたユニークで高品質なワインは一躍業界の注目の的となった。日本版リメイク映画「サイドウェイズ」のロケ地でもあり、フォトジェニックな建築が話題を集めている。非常に生産量の少ない最高級ワイン「Darius II」も要チェック。

 

Frog's Leap Winery

8815 Conn Creek Rd, 

Rutherford, CA 94573

フロッグス・リープは、1981年にカエルの養殖場として知られていたミル・クリークで、オーナー&醸造家のジョン・ウィリアムスさんとラリー・ターリーさん(ターリーワインセラーズ)が共同経営でスタートしたワイナリー。ジョンさんのワインキャリアは老舗ワイナリー「スタッグス・リープ」からスタートしたことから尊敬を込めて名前の一部を採用。サステナビリティ農業のパイオニア的存在。

 

 

Alpha-Omega Winery

1155 Mee Ln, 

St Helena, CA 94574

2006年に弁護士のロビン・バジェットさんと国際的ホテルインテリアデザイナーのエリック・スクラーニさんが設立したブティックワイナリー。オーパスワンの隣に位置するワイナリーで、天候や土壌などの条件はほぼオーパスワンと同じだが、比較的リーズナブルな価格設定。ミッシェル・ローランさんやアンディ・エリクソンさんなど、著名なワインコンサルタントを起用していることでも有名。