入院している病院では、冬期はウイルス感染を防ぐために1週間当たりの面会数に制限があった。1回の人数は3人までで週に2回まで。それってちょっと少なくない?しかも個室なのにと思ったけど、どうすることもできない。

友達が連絡くれて、お見舞いに行きたいって言ってくれるけど、週末に夫が息子を連れてやってきてくれる(だろう)と思うと残りはあと1回。実は病院に一番近いのは姉で、夫には頼めない下着関連のものなど姉だと頼みやすい事実もあって、さて誰を優先すればよいのか、と。

 

 

すると抜け道のようなことがありますよ、って教えてくれた看護師がいた。

荷物の受け入れは毎日、しかも面会時間外もやっているので「冷蔵庫に入れたり説明したいものがあるので、届けるだけ病室に行ってもいいですか?」と言えば入れると。

これで姉は毎日のように来てくれたし、夫も会社帰りにちょこっとジュースなど届けてくれて、会話できたのはありがたかった。

 

 

姉は忙しなく

「これは〇〇で買ってきたやつ。美味しいのよ~ 作ったスープはちょっと失敗したけど、ま試してみて。アイスも買ってきたよ。スプーンはうちのだから退院するとき返してね。漫画は笑えるのだけ持ってきたよ。」

などなどまくしたてる。頼んでいないものもたくさん。

全部しまって説明終わると、病室を出なくちゃいけないから

「じゃ、明日は午前中なら来れるよ。遠慮しないでね。」

と言ったあと、涙ぐんでいるのがわかる。私も同じだ。バッグを持つ姉の手を握り

「ありがとう、お姉ちゃん。」

と言うのが精いっぱい。二人でボロボロ泣いた。

 

 

体温と血圧測定は1日3回。血栓予防の注射も続く。

テレビは予想通り、音も画面もうるさくて見ることができない。

みきちゃんは今日も来てくれて雑談に花が咲くけど、実習生なんだし質問とかないの?と聞いたら「趣味はなんですか?」って。

改めて聞かれたらわからないなぁ~と言いながら「もうわかってると思うけど、趣味とは言えないけどおしゃべりが大好き。あとは美味しいものを食べること。作るのも外食も。そうだ旅行もだ。」と。

「じゃぁ元気になって食べ歩きですね!」「そうそう。」

これでいいのかなー。勉強になってるのかなー、と毎日思う。

 

 

先生も朝晩のどちらかに必ず立ち寄って下さる。ありがたい。

お互いだいぶ慣れてきて、冗談めいたような言葉を使って話せる。

先生「お腹への注射が・・・」

私「注射? あれって何のためにやってるんでしたっけ?あぁ血栓予防か。」

「え。今なんて言いましたか?」

「だから血栓予防の注射か、って。ですよね?」

「はい、そうです。でも血栓予防だなんて、看護師としか交わさない言葉で、患者から普通は出てこない言葉なので何を言ってるのか分からなくって。」

「そうなんだ。だって自分の体に何のために注射してるか、って気になるので・・理解できてるは別として。」

 

「そこなんですよねー、ほんと、僕ら医療者としては、こういうことをやります、こういう治療法があります、って説明しても無関心な患者さんが多くて。」

「それは無関心なんじゃなくて、怖くて分からなくなってるとかじゃないの?」

「もちろんそこは理解してますし、差し引いてますけど、大抵の方がどうせ分からないから何でもいい、治してくれるなら何でもいい、みたいな感じなんですよ。」

って。  へー、そうなんだ。ま、私は昔っから理屈っぽいと言われてきたからなぁ、と振り返る。 でも、怖くないのかしら、何も知らずに自分の体に何かされるのって。

 

 

後はこの日、夫がどうしても外せない出張があって、息子は初めて一人留守番。食事はそれなりに用意されているみたいだけど、明日の朝起きられるのか問題発生。そんなことを息子の親友ママで、かつ私の一番仲良しでもあるママに(もちろん私の状況を知っている)LINEで愚痴っていたら「良かったらうちに夕飯食べに来ない?珍しく部活が休みで早く帰る日だからさ。」と!! 息子は不安が楽しみに変わり、お好み焼きパーティーをしてゲームして。本当に生き生きとした報告が入って私も嬉しい。彼女に大感謝。 

翌朝は目覚まし→夫→私→ママ友、の順に起こされたらしい。無事に遅刻せず登校。

 

 

退院したら、元気になったら、お返ししたい人がどんどん増えるなぁって実感した。

そうそう、お見舞いに行きたいと言ってくれた友人たちは、面会回数の少なさに皆「息子くんに譲る!」と言ってくれて「退院したらおうちに呼んでね。」だって。

優しさに感謝。すぐに会いたいよー。

 

 

love yourself.