手術の前日、カンファレンスがあった。
Dr.K、第1助手の先生、インターン
麻酔医。
こちら側は、夫と、ちびをおんぶした私。
Dr.Kは、いつもの様に、穏やかで優しく
説明してくださるが、
私がわかったのは、
アキレスけんを、Z形にきりのばし。
足の甲の、骨の並びをもとの正常な位置にもどし、
固定する。
ただし、足の骨の並びは、開けてみないと
わからない。
骨まで触る事がなければ、4時間
骨をさわるなら6時間位と考えています。
という、くだりだけ。
あとは、難しくて、わからない。
と言うより、今私の背中で、スヤスヤ寝息を
立てている、息子が
こんなちいさな、ちいさな赤ちゃんが
明日
両親も受けた事もない手術という試練に
立ち向かうのかと思うと、説明が
耳に、入ってこない。
私の耳に入ってくる音は
ちびの寝息だけ。
やりきれない。
変わってやりたい。
神様、私は、もう30年以上、好きなだけ
歩いて、走って、踊って
もう、いいです。
どうか、どうか、わたしの足とこの子の足を
取り替えてください。
私は、もう、一生歩けなくても
絶対、絶対、絶対、弱音は吐きません。
どうか、どうか、今取り替えて
明日の手術を受けなくていいと言ってください。
私は、カンファレンスのあいだ、
ずっと、神様に、亡くなった、父と、義父に
頼み続けていた。
お願いしますは、何回言えば
叶いますか?
だれか教えて、何日眠らないでも
お願いしつづけるから。