ちびの治療がはじまった。

はじめての大学病院に行った日に
ちびの足にはギプスが巻かれた。 


毎週一回病院に行き、まずギプスを切り外す
その後外来のお風呂にいれ、おっぱいをあげ
寝かしつけたら、矯正がはじまる。
その後また、ギプスを巻きおえると帰宅する。            1時の予約だか、午前診が押すので
帰るのは、6時、7時は当たり前。
私に、産後はなかった。

通院は、まだ楽な方だった
当時、外来にいらした看護師さんがとても
優しい方で、
お母さん、わたしがお風呂いれるから
その間でも休んでと。
私のことも、つかれてない?
ごめんね今日は混んでてと、きずかってくれた。
彼女に会うのが楽しみになっていた。

それでも、矯正の痛さからなのか
泣きさけぶちびを目の当たりにして
私は、ごめんね、ごめんね、ごめんね
涙がボロボロこぼれた。

私がちゃんと産んであげれなかったから
私があのとき、こけたから、つわりの時
それに気づかず薬をのんだから。
ちゃんと産んであげれなかった。
五体満足で産んであげれなかった。
ごめん、ごめんね。
せめて、せめて、せめつづけた。
ポジティブになんて絶対なれなかった。

坊やも、ママに甘えたい盛りなのに
病院のため留守にする間、実家の母とお利口さんに
待っていてくれた。


ただひとり、なにもかわらない奴がいた。
夫は、実家の母が来てくれる事を
いい事に、相変わらず
いやもっと、帰りが遅くなっていた。
遅くに、疲れた風もなく、満面の笑みで
ただいま〜と帰ってくる夫を疑う事もなく
私は、おかえりと笑みで返した。
彼が何をしているかもしらずに。


私の心がじわり、じわりと弱って来ていた。
まるで
ボクシングのジャブをもらうように。