つづき









にんじん農家の少女とにんじん狂のウサギのお話



「誰がウサギだ!ふざけてんのか!!」

「きゃあ!」

ウサギ耳・・メルヘンチックにもほどがあるそれを見て叫んでしまった私に
ウサギ耳のお兄さんは怒りをあらわにして怒鳴り散らした

(これは夢じゃない、私はこんな夢は見ない!)

普通なら夢で終わらしたい話もこれでは終われない
がたがたと震えながらもウサギ耳のお兄さんを見上げれば

カチ

「え?」

「俺をウサギ扱いして許せねぇ、悪いがあんたには死んでもらうぜ」

こめかみにあたるそれは、あまりにも馴染みがなく瞬時には理解することが出来なかった
仄かに香る火薬のような匂いはきっと、そう昔ではない間に使ったことがあるのだろう

「け、拳銃!ま、まって私は怪しいものじゃ」

ない!と手をブンブンと振る
こういう場面に出くわしたとき、たいていこの行動を取った人物は死ぬ。
いわば死亡フラグのような行為だったが、動かずにはいられなかった

「どう考えたって怪しいだろうよ!だから死・・・ん?」

「どう考えても怪しくないでしょ!だから、え?」

こめかみに当てられていたはずの拳銃がふいにおろされる
何があったんだとウサギ耳のお兄さんの視線をたどれば・・

「お前それ」

「何?これ?にんじんですけど」

それはてっきり役に立たないと思っていたにんじんだった

(何でにんじん?嫌そんなことどうでもいいか)

助かったのならにんじんでもなんでもいい
幸いなことにウサギ耳のお兄さんはこれ以上私を撃つ気はないようだった

「あんたなんでにんじんなんて持ってんだよ」

「何でって、うちがにんじん農家で収穫の手伝いをしてたから」

本当は違う
これはうちのにんじんに間違いはないが、私にもなぜ今にんじんを持っているのかはわからないのだ

「うまそうだな」

さっきとは打って変わって目をキラキラさせるウサギ耳のお兄さん
それはもちろんにんじんに向けられている

「たべます・・か?」

「いいのか!」

「いいですよ、」

使い道なんて他にない
何よりあんなキラキラした瞳を向けられたら


(ことわれないもんね)

「それじゃあ、どこか」

さすがにこのままでは失礼だ
そう思いどこか台所を借りようとしたその時だった

「あ、おい」

「?」

「あのよ・・その」

急に呼び止められて、そのまま向かい合わせに向き合う

不思議そうに頭を傾げてみれば・・・

「さっきは悪かったな、その撃とうとして」

「!!」

耳を垂れ下げて、悲しそうにあやまるウサギ耳のお兄さん
その姿は

(か、可愛い!!)

「いいですよ、もうそれよりにんじん好きなんですか」

「にんじんは嫌いだぜ、俺がすきなのはにんじん料理だからな」

「にんじん料理って・・」

変わらないじゃん・と笑いながら屋敷の中へと向かっていく

にんじん農家で育った私と、にんじん狂のウサギ耳のお兄さんの物語は
こうして始まろうとしていた。


END



最後飽きて適当です(ノ_-。)
ついでにこの話はつづきません


完璧な小ネタでしたがここまでお付き合いいただいた皆様
ありがとうございました!!