愛しの母君に捧げる小夜曲

愛しの母君に捧げる小夜曲

2012年10月22日、母から卵巣がんであると告知される。
1人暮らしをしている私は全てを放りだして母の元に帰る事を決心。

そんな母と娘のひっそり闘病備忘録in香港。

御閲覧ありがとございます。

こちらは香港にて卵巣がんの母を支える娘視点の日記基備忘録です。

III期もしくはIV期だと思っていたら、奇跡的に明細胞腺がんのIc期でした。現在TC療法中。


私自身の闘病日記では無いので、客観的な解釈や心情吐露などを綴っています。

もし闘病中の方で不快に思われる表現がありましたらすいません。

あと場所が場所なので、気分転換に軽く地域情報も紹介できたらな、

と思ってますが、なかなか増えません…。


今日も日本じゃない土地で言葉も満足に話せない母子が奮闘してるんだなぁ、と

どこか記憶の片隅にでも置いて頂けたら幸せ。

Amebaでブログを始めよう!

雪が降ったり寒波が襲ったりと、寒さまっただ中な日本とは反対に、

もうそろそろ春かな?というくらい昼間が暖かい香港からお送りします。


おかげで治療中の母も身体があんまり冷えなくて助かってる…と思いきや、

気温が15度以上でも寒がってるので、この時期に治療されてる方はさぞかし大変かと思います(_ _;)

身体が冷えると免疫力も下がるって言いますから、元気な方もお気をつけあそばせ…><



さてさて。

母のケモ4クール目も10日を過ぎたので、金曜日に血液検査に行ってきた。

確かケモ投与時は3600くらいあった気がするけど、一番下がってるだろう今日はどうなってるかな…?

と、身構えてたが、思っていたよりも悪くなかった。


白血球数が2600と基準値の半分に迫る勢いだけど、まぁこれくらいの下がり方なら。

赤血球の方も意外と下がっておらず、4クール目を手こずらせた血小板も思ったほど悪くない。

全体的に基準値の半分くらいになってるかなーと思っていただけに、結構良い結果でした(^∇^)


で、いつもならCBCの結果だけなのだが、

母が看護師さんに吐いた事を言ったからなのか、今日は検査項目が増えていた。

血中タンパクの値とか、肝数値とか、尿素とか…。

余談ですが、日本だと尿素窒素(BUN)で測る事が多いけど、こっちだと尿素(Urea)単体で測るみたい。


何でこれらを測ったのか、詳しい説明は何も聞いてないけど(母が聞いたのかもしれないが)、

手術した後、退院する前に測ったっきりだったので、まぁ丁度いいのかな?(笑)


なので、早速帰ってその時の結果と比べてみると、

退院前は血中タンパクが基準値以下だったのに、今は基準値の真ん中になっていた。

という事は、栄養状態は良好という事で(笑)

そう母に伝えたら「あれだけ食べてればそうだろー!」と一言。

そうだけどね、数値で見ると安心するんだよw


他の項目も基準値以内で特に退院後と大きく変わった所は無かったけど、

1つだけ、ガンマGT(ガンマGTP)という肝臓の項目の1つが、なんと基準値の2倍以上に!Σ(゚д゚;)

看護師さんから説明無かったから、多分副作用か何かで、重大な事ではないんだろうけど…。


と、思って調べたところ、副作用の肝障害だろうと言う事で落ち着いた。

相変わらず母はこういう検査のこまかい結果に無頓着なので、

「肝臓がちょっとダメージ受けてるから、お酒は駄目だよ」と言ったら、

「分かってるよ!だから飲んでないじゃん!(´・ω・)」と。


そうだけど…たまに飲みたそうにスーパーで見てるじゃないあなた…( ´(ェ)`)



4日くらい前に副作用で吐いてしまった母だったが、

次の日から徐々に良くなり、今はもう食欲が復活しました\(^^)/

2、3日くらい続くものだと思っていたので、想像以上に回復が早くて一安心。

でも1日で結構体重が落ちたから、まだちゃんと脂肪とか筋肉が付いてないんだなーと実感した。


良くなった母と「なんで今回いきなり副作用が来たんだろうねー」と話してる時に、

「いつもケモの後の排尿には薬の匂いがするけど、今回はしなかった」と言っていた。

そういえば、いつもはケモの後に1日2Lの水を飲んでいたけど、

今回は1Lくらいしか飲んでなかったような…。


個人差によるところもあるんだろうけども、

もしかしたら薬が体内に長く残っていたせいで副作用が出ちゃったのかな、と思ったり。



さてさて。

前にオリーブオイルの効能を書きとめた日記に反響があって嬉しかったので(←)、

今日も我が家で実践してる、些細な食の選び方を書いてみようと思います。

前回の時と同様、鵜呑みにはしないで、自分で真偽のほどを調べてみて下さいね^^


母が退院する前、ネットで「がん・食事」と検索した事がある。

そうして出てきた情報には「ベジタリアンはがんになりにくい」と言ってる一方で、

「がん患者は肉を食べた方がいい」とか結構真逆な情報が出てきたり、

しかもそのどちらにも賛否両論あって、結局何を食べたらいいんだ!となった事があった。


まぁ最終的に「おいしく食べられればなんでもいいかなぁ」と思った結果、

今の我が家の食卓には、野菜も魚も肉も並べられている。

ただし、その比率は野菜・果物>魚>肉


菜食主義者はがんになりにくい、という情報は科学的根拠はあれども、その差異は十数パーセントで、

野菜を通常量以上摂取してもがんを減らす効果は確認できない、というのが最近の総説らしい。


じゃあ野菜食べても意味ないの?となるかもしれないが、赤太字でかなり強調してる通り、

そこが勘違いしやすいところで、通常以上の摂取は効果が無いだけ。

つまり野菜を通常量取ればがんを減らす効果は期待できるとの事。

ちなみにWHOが推奨している1日の野菜・果物の摂取量は400gだそうです


実際はがんというよりも生活習慣病の予防ががんの予防に繋がるらしいのだけど、

そこら辺の細かい話が気になる方は、

私よりももっと分かりやすい説明をしてるブログがあるので、調べてみる事をオススメします。


そして魚。

一口に魚と言っても色んな種類があるけど、我が家でよく並ぶ魚は、サケ、サンマ、鯖など。

つまり、脂っこい=魚油が沢山含まれている魚をよく食べている。

脂っこい肉は敬遠されがちだし、前回の食用油の件で「油」に対する不信感も高まりつつあるのだけど、

魚に関して言うとその逆で、魚油はむしろ歓迎するべき油なのだ。


何が歓迎するべきかと言うと、魚油に含まれているDHAEPAという成分。

俗に「魚を食べたら頭が良くなる!」と言われる由縁になっている成分だけども、

実はこのDHA/EPAが、科学的にがん治療に役立つとされているものなのだ。


よくネット上で見かける、

「がんに対する食事療法はありませんか?」「ありません(即答)」と言う押し問答。

確かにがんに効く食べ物なんて無いのは分かってるけど、多分こういう質問は、

少しでも家で治療の手助けになる食べ物はないですか?」という意図なんだと思う。

実際、私もそれを知りたかった。


そこで調べてみると、なんてことは無い。

がんを治す食事はないけど、がん治療を手伝う食事はある、という事だった。


(以下はさらっと説明したものなので、詳しい働きや作用機序ははしょってます)


DHAはがん細胞が増える速度を遅くしたり転移を抑えたり

がん細胞に細胞の死(アポトーシス)を引き起こしたりするらしい。

これはがん細胞の種類にもよるので、一概に全てのがんに有効というわけではないが、

多くのがん細胞でこういう報告が出ているそうだ。


そしてEPAには炎症を抑える働きがあるという。

炎症というのは、異物が入ってきたり、自己修復する時に身体が起こす反応の事。

傷口が赤く腫れたり、熱をもったりするのは、炎症を起こしているからです。


なんでそんな炎症を抑える働きがあるEPAががんに有効なのかと言うと、

実はがん細胞は身体の中で炎症を起こして、自分が増えやすい環境を整えているらしいのだ。

つまりEPAが炎症を抑える→がん細胞が増えにくい環境にする事ができるという事。


まとめると、DHA/EPAはがん細胞を弱めてくれるので、

抗がん剤ががん細胞を叩く手助けをしてくれる!という事です。


それじゃあDHA/EPAを沢山取れば大丈夫!というわけでもなく、

相対的にオメガ6系の油を控えないと効果は無いらしい。

しかも魚油はあくまでも油

食べ過ぎたらコレステロールもあがるし、酸化しやすいので、摂取には色々と注意が必要。

あとEPAは血を固めにくくする作用もあるので、

血小板が少ない抗がん剤治療中の摂取は気をつけないといけない

ちなみにDHA/EPAは1日1g~2g取れば、がんの再発予防に良いそうです。


そして最後に、肉。

こいつは食べるべきなのか食べたらいけないのか、色んな意見が出ているけど、

控えるのはソーセージなどの加工肉と、赤身の肉。つまり、牛肉と豚肉。

牛肉と豚肉はがんを促進することがあるそうなので、多量摂取は禁物。

鶏肉はがんを促進する科学的根拠はないので、体力が必要なケモの最中には有効だそうで。



なので、参考までにうちの食卓の比率を改めて書くと、

野菜・果物(計400g)>魚(鯖・鮭・秋刀魚等)>肉(鶏肉>豚・牛肉)となります。

食べちゃいけない物はケモ中なので生野菜・生魚くらい。

控える=食べちゃ駄目!というわけでは無いので、豚肉も牛肉も食べてます。

冬に嬉しいしゃぶしゃぶで豚も牛も食べちゃいけないなんて殺生すぎる…。


色々と調べて分かったのは、がんを治す食べ物も無いけど、がんになる食べ物も無い、という事。

なんでも過剰摂取すれば身体に悪いのは当然という事ですね(^_^;)


今回は長くなりましたが、かなり色々とはしょってます。

物語で言うと、全5話中の2話くらいしか紹介できていません。

もう少し詳しく知りたいな、とか、自分で調べてみようかな、と思えるきっかけになれば幸いです^^



最後に、ここまで見てくれた方にハートをプレゼント!\(^^)/

こんなに天気がよくて真っ青な空は珍しいんですよー♪

これで未加工、天然の青さなのだから、空は偉大!



愛しの母君に捧げる小夜曲



4回目の抗がん剤を投与してから3日目。

これまで食欲旺盛で脱毛以外の副作用所見を見せてなかった母が、とうとう、吐いた。


思えば昨日の夕ご飯の時もなんとなーく食欲が無かった。

夕方におやつを食べてたから、そのせいでお腹が空いてないのかな?と、

2人とも全く気にしてなかったのだが、今朝になって「風邪引いたかもしれない」と不調を訴え出し。

一応朝に栄養食を飲む元気はあったので、寝てれば良くなるだろうと思い、

再びベッドにもぐった母に対してそこまで心配はしていなかった。


が、1日中起きてこないと、さすがに心配になるもので。

トイレに起きてきた時に「大丈夫?」と聞いたら「夕飯はいらないから」と、まさかの食欲無し宣言。

よくよく聞いたら、頭痛とちょっと吐き気があるらしい。

…それって風邪じゃなくて、副作用だと思う(-_-;)


でもまぁ、それなら無理に何も薦めまい、と私が1人で夕飯を食べていると、

母が「ちょっと良くなった」と起きてきて、バナナを食べ始めた。

いきなりそんなヘビーな物を食べて大丈夫なのかな?と思ってたら、

案の定というか何というか、しばらくしてから急にえずきだしまして。


今まで副作用で吐いた事はなかったので「まさかとうとう吐くのか!?」という緊迫感と、

「え、ここで吐くの!?」という焦りが混じって、

隣に座っていた私は洗面器を用意するか否かオロオロしてました(苦笑)


まぁちゃんとトイレに行って少量だけ吐いて、その後お風呂入って、寝る前に今度はがっつりと…。

汚い話ですいませんm(_ _)m


ここんところずーっと調子が良かったから、久々に体調の悪い母を見て、『有難み』を再確認しました。

何にもない当たり前な毎日って幸せなことなんだなー、と。

最近母が元気だからってちょっとだらけていた部分もあったから、明日からまた引き締めて!

当たり前にありがとう!\(^^)/



余談ですが、今朝の2度寝の時に、母が昔飼っていた犬の夢を見たらしい。

実は私も昨夜その子の夢を見たので、もしかしたら心配して来てくれたのかな?なんて(^_^)

ママもお姉ちゃんも頑張るから、見守っててくれー!




愛しの母君に捧げる小夜曲-未設定

来月に旧正月を控えてる香港では、この時期の飾り付けが凄い。

新年よりも旧暦の正月がメインなんです。



さて、先週2回チャレンジして駄目だった母の血液検査。

今日はどうだ!?とドキドキしながらクリニックに行ってきました。


結果、血小板は無事に規定値内に回復してて、やっと予定通りケモを行うことができた!

白血球はなぜか少し下がってたけど、まぁ大丈夫みたい。

母的に治療が長引いて仕事復帰が遅れるのが嫌だそうで、先週は2回も駄目だしされて落ち込んでいたから、無事に4回目ができて一安心(^^)

ちなみに私は4時間の点滴の最中、どっか行けばいいのに、散策して迷子になるのが嫌なのでずっと付きっきり。


オペしてくれた先生のクリニックだから通ってるけど…ここはケモの保険が効かないのがネック('A`)

かーなーり高額請求されてます。1回で諭吉が20人くらい飛ぶ。

手術をした病院だと保険請求ができるらしいけど、今更病院を変えるのも面倒だから、と、保険請求が効かないことを父に内緒にして通い続ける母でした。


一昨日の金曜日がケモ4クール目!

…のはずが、白血球は4000台まで復活すれども、血小板が足りなくてまたもや延期(-_-;)

色んな方の日記で拝見した「血小板不足」の事態となりました。


でもCA125は順調に低くなってて一安心だ。

知らない方の為にサラッと説明すると、CA125は卵巣がんの指標になる腫瘍マーカーで、血液検査で分かる1項目。

正常範囲は35以下で、稀に生理やらなんやらで100前後になる事もあるそう。

これが500以上を指すと卵巣がんの疑いらしいのだが、うちの母は手術2週間前に700をマークし、手術1週間前にはなんと3000の大台を突破したと言うのだ。

それが全摘出手術をして、ケモ2回目の時には55、ケモ3回目の時には15にまで下がり、この間4回目をする体で測った値が、10!

副作用こそあんまり出てないけど、ちゃんと抗がん剤が効いてる証だろうかね。


なので、多少ケモが延期しても大丈夫だと思うよーと母に説明した。

元々3~4週間のサイクルで打つものだから、今まできっちり3週間間隔で打ててただけでも凄い、と思う。

という事で、次回は水曜日に再度クリニックへ。



話は変わって、最近母に代って台所によく立つようになってから、栄養学に興味が出てきた。

元々医療関係の仕事をしてたので、多少そういう知識はあったものの、いざ自分が実践するとなると話は別で。

よく「野菜ジュースがいい」とか「肉は駄目」とか聞くけど、身内やご自身ががんを患った方なら分かると思うが、ネットにはそういう情報が五万と溢れていて、時には矛盾するような意見もあり、どれが正しい情報なのかさっぱり分からない。

という事で、以前ちいさんに言われたように「情報の取捨選択」をしてみることにした。


何が身体に良いとか悪いとか、突き詰めれば栄養学と化学の世界で、どちらかと言えば私は理系なので、得意分野なのだ。

そんなわけで色んな資料やら文献やらを読み漁ってみたところ、一般的に「がんに効く食べ物は無い!」「食事療法はない」と言われているけど、一概にそうは言えないんじゃないか?と思えてきたので、こんな辺鄙なブログを読んでくださってる方の参考の為にもまとめてみます。


勿論これは何百人もの患者さんを見て、学会にも顔を出して、色んなお医者さんと繋がりがあるような専門家の意見では無く、がんの母を持つ娘が自分なりに一所懸命調べたところの意見なので、ネットに飽和している沢山の嘘か本当か分からない意見のうちの一つとして見てください。



とりあえずまず私が目をつけたのは、毎日の食事で使う「油」。

うちの母はコレステロールも高めなので、油の量には気を使っている。

それでも食べられないと思うと余計食べたくなるのか、「天ぷら食べたいなー」とか「かつ丼…」とかぼやいているのを聞くと、好きな物くらい食べさせてあげたいなーと思うわけで。


私たちが日常でよく使っているサラダ油はがん患者的にはどうなのか?と根本的なところから調べてみると、まぁ色々な意見が出るわ出るわ。

きっとこういう話に敏感な方は耳にした事はあると思いますが、リノール酸が多く含まれている植物油の取り過ぎは身体に良くない、というもの。


リノール酸ってなんぞや?と思ったので自分なりに軽くまとめると、リノール酸は人の体内で作られないので摂取する必要がある脂肪酸(必須脂肪酸)のうちの1つだけど、取り過ぎる事で血栓ができたり、悪玉コレステロールも減らすけど善玉コレステロールまで減らしたり、欧米型のがんリスクを高めたりするらしい。

そんな事を聞くと闘病中のがん患者さんだけでなく、普通の人も揚げ物を敬遠するかもしれない。


そこで更に調べてみると、食用油は大きく分けて、リノール酸を多く含む種類と、オレイン酸を多く含む種類に分けられるらしい。

リノール酸は前述の通りだが、オレイン酸は人の体内で作られる脂肪酸だけあって、取りすぎても善玉コレステロールを減らさないで悪玉コレステロールだけを減らしてくれるし、酸化しにくいので発がん性も少なく、生活習慣病の予防にもなるらしい。

更に胃の負担にもなりにくく、便秘にも効果があるとか。

ちなみに母乳に含まれてる脂肪の内の3分の1もオレイン酸だと言うので、赤ちゃんでも摂取できる安全な脂肪酸という事。


という事で、我が家では早速オレイン酸が多く含まれているオリーブオイルに切り替えました。

昔の日本と食生活が似ている南イタリアでも昔から使われていて、大豆と並んで健康食品だと認定された油なので、毎日使って長期間摂取してもこれで安心!かな?


何せまだ潜んでるかもしれぬがん細胞の顔色をうかがいながら生活していくわけだから、色々と制限して食べれない物を増やすより、何とか食べられる方法を模索して、毎日の食事くらいおいしく食べたいものです(*´`*)

他にも色々と気になる資料とかあったので、時間と反響(←)があったら随時更新します!


ついでに、時期は過ぎたけどクリスマスツリー。

こっちはクリスマスの時期になるとあちこちで大規模なクリスマスツリーが飾られます。


愛しの母君に捧げる小夜曲-2012クリスマスツリー