暖かいまま、終わろうとする二月に雪の気配は遠くて。
明け方から降り出した雨が、屋根を叩いていよいよ春を告げるような朝。
低く降りた雲が昼間でも部屋を暗くして、見上げると中空に綿毛のような雲が漂っていた。
山並みは雲に沈んで、その上に顔を出す峰が淡く雪化粧をしている。
かすかに北の空の割れたところから、青い光がそれを照らして銀色。
去年のカレンダーをめくってみれば、凍った諏訪湖の写真が出てきたりして。
今年はついに御神渡りの気配さえなく、三月がやってくる。
きっと、梅の便りを待って。
桜の蕾はまだ固いけど、お店の中には桜の色が増えてきた。
果たして旧暦に倣う暦にどれほどの整合性があるのか、はたまたこの山の裾野では一般的な季節さえ違って映るのに。
それでも節分には豆を買い、桃の節句と言われれば花を買う。
雛人形は物置の奥だけど、それでも飾った春の花。
三月を迎えるために。
桜が好きな友人に、一足早く桜の便りを届けたくて。
誕生日にかこつけて、何かと桜を集めてしまう。
ぼんやり眺めるスマホでも、つい桜の色に目移りしてばかり。
最近は伸ばした髪のケアにも気を使い始めて、シャンプーも目移りしがち。
冬の終わりには、アミノメイソンの冬限定を使っていた。
なかなか調子が良かったので、桜のバージョンも気になっている。
桜に癒されながらケアしたら、精神的にもケアできそう。
さくら、さくら。
野山に春は遠くても、近づく気配はそこここに。
まだストーブの前、縮こまった私の心にも。
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