八月が、好きだ。

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熟した夏が空気の密度を上げて、生命が充満する季節。
眩しいくらいの生命の光が、その後ろに濃い影を落とす。
生と死とが、鮮烈に夏の暑さの中。
陽炎のように立ち上り、逃げ水のように現れる。
八月は好きだ。
私は、そんな季節に生まれたから、尚更生が色濃くて、その分影も濃いのだろう。
秋に生まれたら、春に生まれたら、冬に生まれたら。
たぶん、私はもっと違っていたかもしれない。
私は、夏に生まれた。
夏の最中に。
八月に。
生命の歴史が、交錯する季節に。
時に激しく、時に静かに。
それはこの季節を代弁するように、落ちる影の濃さを時に拾い上げたりもするけれど。
夏の熟れた空気が、今日も風に気怠くまとわりついて行く。
平成最後の記録的猛暑の夏は、後の時代にどう刻まれて行くのだろう。
平成最後の夏、振り返る時きっと節目になる記憶の栞。
そこに落ちた光と影を、私はいくつ拾い集めて行けるのだろうか。
すずめのおしゃべりを、聞きそびれても。
たんぽぽの綿毛を、浴びそびれても。
それを留めた、写真を残して。
熟れた夏を胸いっぱいに吸い込んで、私は生きる、生きる。
八月の日。
今日も空は、青くて。
八月六日、天気上々。
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