十二月の夜明け。

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暗闇の中から、いろんなものが姿を現しはじめる夜明け。
輪郭はまだ宵闇に融けているけれど、その境目はゆっくりと明白になってゆく。
水面に朝が微睡んで、ゆるく瞬く。
差し込む紅は凍てつく風をも可視化させそうなほどに、ものごとを浮き立たせてゆく。
夜に融けていた私の輪郭も、白々しく拡げられてしまう。
僅かばかり、それに怯む。
さっきまで夜の底に隠れていたいろんなものが、姿を現してゆく。
澄んだ空気は果てに、富士の峰さえ映して。
漣に夜が溶け出して、流されてゆく波打ち際。
ただ一色に染まっていた世界に、朝の筆が色を乗せてゆく。
やがて、上の方から朝が降りてくる。
薔薇色の雲が山を拭い、やがて空へと消えてゆく。
夜明け前。
一切の夜を薙ぎ払う光が、そうして今日を連れてくる。
365日、絶え間なく。
地球のどこかで、夜はいつだって明けてゆく。
ありがとう、さようなら。
ふかい、ふかいよる。
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