秋と冬の音。ミルクティーのいろ。

お茶の時間、最近ゆっくり取れてないなぁ、と思って。

久し振りに、茅野の大麦小麦さんで紅茶とスコーン。

胡桃とレーズンのスコーンと、オレンジピールのスコーン。

合わせる紅茶はウヴァで、ミルクティーに。

ゆっくりじっくり。

まったりほっこり。

お茶の時間は、お喋りしながらももちろん素敵だけど。

一人でゆっくり、深呼吸するのにも必要な時間。

台風が雨で秋をどんどん流してしまって、今日は驚くほど風が冷たい。

連れ去られた秋はもう、空の彼方へ巻き上げられてしまったのかもしれない。

晴れた空はどこまでも高くて、遮る物のない彼方から冷たい風が吹き下ろしてくる。

吐く息はとっくに白くて、新しくおろしたグレーの手袋はあっという間に指に馴染んだ。

お水の代わりに出して貰ったお湯が、あっという間に冷めて行く。

指先を温めるには、少し足りなかったみたい。

廻る季節は、音楽みたいに流れてく。

転調した音は、あの空の上から降りてくる。

空気の震えでしか音を認識できない私たちだけど、あの宇宙に満ちている音楽のように地球の上にも沢山の音楽があふれていて。

それが季節になって、それを『聴いて』いるのかもしれない。

そんな事を思い描く、お茶の時間。

甘いジャム、クロテッドクリーム。

夏みかんのピール。

空の果てから降りてきた音を、私は肌で聴いている。

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