日に日に秋が深まって行く。
日に日に夏が薄れて行く。
頼りなく風に揺れていた稲も、もう実りの中へ。
ふと空を見れば、秋の雲。
過ぎる季節を惜しみながらも、繰り返す季節との再会を噛みしめる。
いつかも見た空。
けれど、一期一会の空。
万華鏡のように、変わり続けて二度と同じ空は無い。
それなのに懐かしく、繰り返される一年の重なりを思う。
いつか見た空。
それはいつか、見るはずだった空かもしれない。
秋特有の、空の高いところにある雲の筋。
地上のことなんて我関せずに、雲は流れて行く。
冬に備えて、どこかへ向かうように。
夕暮れが近づくと、風さえも穏やかになるのか雲が足を止める。
赤に、黄に、橙に。
先に夜に飲まれた山々を見下ろして、雲がそっと降りてくる。
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