あの日のことを知りもしないのに、知りたくてたくさんの本を開いてみた気がする。

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子供の頃から、なぜか惹かれてやまなくて。
本の最後に連なった、長い長い名簿のひとつひとつを追いかけた。
知り合いなどいるはずもなく、私の名前などある訳もなく。
なのに私はそれをやめられなくて、図書館の片隅で何冊も本を開いた。
好きなのは思想や何やらが入った論調の本ではなくて、専ら当事者たちの残した手記ばかり。
混じり気のない、出来事の記憶。
対馬の、白ゆりの、広島の。
一冊手元に残る本は、時折今でも開いてみる。
知らない人の知らない話に、幾度目を通したのだろう。
何故そこまで惹かれるのか、分からないまま今年も今日が来る。
朝、鐘の音を聴いたら、夜は映画を観にいきたい。
ずっと読んで来た本よりも、この映画はずっと隣にあったような不思議な面影を持っていた。

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