夏の空。
好きな色。
夕方が近付くと、次第に雲がやってくる。
夕立がそこここで雨の匂いを立て始め、昼間の暑さを地面に叩きつけて行く。
朝顔の螺旋の蔓に、雫がほろほろと溢れて行く。
夏は好き。
夏を過ぎる風が好き。
高原を行く風の涼しさは、いつだって空の高いところからやってくる。
雲の匂い。
雨の匂い。
空の匂いを、運んでくる。
夏の匂いが草を揺らして、やがて夜がやってきて。
また次の季節が来る頃、この夏の匂いをいくつ持っていけるだろう。
去年の夏の香りを、私はいくつ覚えてる?
その前の夏は?
あの夏の、匂いはどうだった?
緑の果てに、少しだけ目を閉じる。
白い雲は流れ流れて。
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