夏は、燃えるように過ぎて行く。

噴き上がった緑が、命を空へ高く高く翳している。

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強い光と、濃い影と。
コントラストは生と死を映すようで、この季節に飛び交う虫の羽音が影に消えるのをいくつも見送った。

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すっかりお気に入りになったこのお店に、足を運ぶのは何度目か。
緑の庭は、いつも静かに晴れの日も雨の日も鮮やかだ。

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時間の流れは誰にも平等だけど、命の時間はそうじゃない。
ゆっくりとゆっくりと、時間が流れて行く。

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ゆっくりと流れる、いのちのじかん。

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切花のいのちは、いつがはじまりで終わりなのか。
手折られた時、そのいのちはどこへ行くのか。

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カップの中のカフェオレと、私が飲んだカフェオレと。
さっきまで同じだったもの。
いまはかたや、私の中に。
残されたものは、机の上に。

どこからどこまで『おなじ』もので、どこからどこまで『ちがう』ものなのか。

いのちは多様だ。

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カフェの雑貨売り場に、古い壜を見つけた。
病院の名前の入った、古いたぶん、薬の壜。

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役目を終えた時、薬壜はいのちを終えて。
今はただここで、光と陰をたたえている。

手に取ると、驚くほど軽かった。

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時間は誰にでも平等で、巻き戻ることも無いけれど。
例え巻き戻ったとしても、誰も気がついていないだけかも知れないね。

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薬壜は薬壜の役目を終えて、花瓶のいのちに生まれ変わった。
水をたたえて、野の花を挿して。

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野に咲いていた花は、摘み取られて切り花に。
いのちはいのちへ、移ろい変わる。


生と死が、交差する夏だから。

蝉が鳴いて、蛍が消えて。
ヤゴは蜻蛉に、いのちをかえて。

夏は今日も、いのちを高らかに燃やして。

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