繰り返す毎日と、ほんの少し離れた景色。

そこは余りにも、素敵な場所で。

お茶の時間のために、私はたぶん生きている。

１人でゆっくり、紅茶や珈琲を飲む時間。

焼き菓子があれば最高で、静かなカフェなら言うことなしだ。

陶仙房さんは、そんな私の願いを叶えてくれる場所。

静かな集落の中に、隠れるようにあって。

緑の溢れる庭があって、そこに面した縁側がある。

陶器や草花を描いたポストカード、他にもいろんなものをその都度展示販売している。

優しい空間に優しい音楽が流れていて、ゆっくりと居心地の良さを演出してくれて。

それから鳥の声がして、どこかで犬が鳴いていて、時折蝶や羽虫が庭を舞う。

おひとりさまで来るにも、ここは良い場所です。

しあわせって、きっとこう言う感じ。

日常から離ること。

それってきっと、大事なこと。

仕事や家事や子育てや、みんながみんな何かを抱えて一生懸命で。

忙しなく過ぎていく日々に、心が取り残されてしまうから。

こうやって、１人でゆっくりお茶を飲めたら。

なんて。

言うのは簡単でも、中々その時間さえ取れない人も沢山いる。

「無理だよ」

「そんな暇ないよ」

そう言う人も、沢山いる。

でも、だから。

見ないように、忘れようとして、忙しさに夢中になって。

頑張って頑張って。

ふと、本当に疲れた時に。

あんな場所があったな、って。

思い出してくれるきっかけが、ここだったら嬉しいかもなんて。

おこがましいかもだけど。

時間は誰にも平等だから、スローライフに憧れてもそのぶん何かを捨てなきゃ行けない。

無理に捨てたりしなくていいと思う。

だからたまに、足を延ばすくらいで。

そこに届くから。

優しい時間の場所。

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